ヨーロッパ・ニュース Vol.118
2010/05/07
● 男子ハンドボール: チャンピオンリーグ、王者シウダー・レアルが大逆転で準決勝へ
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男子ハンドボールの欧州チャンピオンズリーグは準決勝の第2戦が行われ、第1戦でHSハンブルクに26-22で敗れ絶対絶命のピンチに追い込まれていた現王者シウダー・レアルがホームで35-27の大勝を収め、2試合の合計スコアで57-53と逆転に成功してファイナル4進出を決めた。ホームの大声援を背にしたシウダー・レアルは序盤からエンジン全開で攻め込むと、守ってもGKステルビックが体を張った守備でハンブルクのシュートを防ぎ、第1戦での4点差のビハインドを見事に覆した。5-5の同点から連続得点で8-5と3点のリードを奪ったシウダー・レアルは、その後も12-6、18-8と一気にハンブルクを突き放し、一度もリードを許さず8点差をつけて快勝、3年連続優勝に向け一歩前進した。また、ドイツのTHWキールはレーン=ネッカー・レーベンとの同国対決を接戦の末制してファイナル4入りを決めたほか、バルセロナはベスプレムに敗れたものの、第1戦の貯金がものをいい、勝ち抜きをきめた。一方、カラバティッチ兄弟を擁するモンペリエは、ホームでの第2戦でチェコフスキー・メドベディに36-32で勝利したが、合計スコアで及ばず敗退が決まった。
<チャンピオンズリーグ準々決勝結果>
HSVHANブルク(ドイツ) 26-22 27-35 BMシウダー・レアル(スペイン)
(合計スコア57-53でシウダー・レアルが勝ちぬけ)
レーン=ネッカー・レーベン(ドイツ) 28-29 30-31 THWキール(ドイツ)
(合計スコア60-58でTHWキールが勝ちぬけ)
チェコフスキー・メドベディ(ロシア) 32-27 32-36 モンペリエHB(フランス)
(合計スコア64-63でチェコフスキーが勝ちぬけ)
FCバルセロナ・ボルジェス(スペイン) 33-27 34-33 MKBベスプレムKC(ハンガリー)
(合計スコア67-60でバルセロナが勝ちぬけ)
● 男子バレーボール: トレンティーノがチャンピオンズリーグ連覇を達成
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ポーランドの大統領機墜落事故の余波で延期されていた男子バレーボールの欧州チャンピオンズリーグ・ファイナル4が、1日と2日にポーランドのウッチ(LODZ)で行われ、2日に行われた決勝でイタリアのトレンティーノがロシアのディナモ・モスクワに3-0で快勝し、昨シーズンに続く連覇を達成した。
前日に行われた準決勝で地元のベルチャトフを3-1で下したディナモだったが、トレンティーノの前には歯が立たず、12-25、20-25、21-25のストレートで完敗を喫した。なお、MVPにはトレンティーノのオスマニイ・フアントレーナが選ばれた。
<欧州チャンピオンズリーグ・ファイナル4結果>
準決勝
5/1 PGEスクラ・ベルチャトフ(ポーランド) 3-1 ディナモ・キエフ(ロシア)
5/1 ACHバレー・BLED(スロベニア) 1-3 トレンティーノ・ベットクリック(イタリア)
決勝
5/2 ディナモ・モスクワ 0-3 トレンティーノ・ベットクリック
3位決定戦
5/2 PGEスクラ・ベルチャトフ 3-1 ACHバレー・BLED
<ベストプレーヤー>
MVP: オスマニイ・フアントレーナ(キューバ/トレンティーノ)
ベストスパイカー: ダンテ・アマラウ(ブラジル/ディナモ)
ベストスコアラー: マリウシュ・ブラズウィー(ポーランド/ベルチャトフ)
ベストブロッカー: マテウジュ・カムニク(スロベニア/バレーBLED)
ベストサーバー: オスマニイ・フアントレーナ(キューバ/トレンティーノ)
ベストリベロ: アンドレア・バーリ(イタリア/トレンティーノ)
ベストレシーバー: ダニエル・ルイス(カナダ/バレーBLED)
● ラグビー: ハイネケンカップ、決勝はトゥールーズ対ビアリッツの仏対決
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ラグビーの欧州クラブ王者を決めるハイネケンカップ準決勝が1日と2日に行われた。フランス勢とアイルランド勢の対戦となった今季の準決勝だが、まずトゥールーズが昨シーズンのチャンピオン、レンスターを26-16で破ると、ビアリッツもマンスターを18-7で下し、フランス勢が揃って決勝に駒を進めた。フランス勢同士の決勝は、2002-03シーズンのトゥールーズ対ペルペニャン以来となる。決勝戦は5月23日にスコットランドのマレーフィールドで行われる。
<ハイネケンカップ準決勝>
5/1 トゥールーズ(フランス) 26-16 レンスター(アイルランド)
5/2 ビアリッツ(フランス) 18-7 マンスター(アイルランド)
● 男子ハンドボール: 宮崎のアルコベンダス、シウダー・レアルに屈す
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スペインの男子ハンドボールASOBALは第27節が行われ、日本代表の宮崎大輔が所属するアルコベンダスが、今季リーグ戦ここまで26戦26勝、通算52連勝中の欧州王者シウダー・レアルに挑んだ。
攻撃力で勝るシウダー・レアルに対し、アルコベンスは5-1の超守備的なシフトで徹底的に守りを固めると、これが奏功し、序盤で4-1のリードを奪い相手を驚かす。その後も5-1、6-0の徹底守備で相手の攻撃を耐えたアルコベンダスだったが、9-10とリードされたあたりから地力に勝るシウダー・レアルに水をあけられはじめる。GKオンブラドスの攻守からリズムを取り戻したシウダー・レアルは徐々に主導権を握ると、16-11とリードして前半を終える。前半こそ健闘したアルコベンダスだったが、後半に入ると守備が崩壊して次々と失点し、最後は22-35の大差をつけられて完敗した。宮崎は個人技から果敢に攻め込もうとしたが、屈強なフィジカルと高さを誇る相手ディフェンスをひとりで崩すことは出来ず、2得点を挙げるにとどまった。この勝利でシウダー・レアルはリーグ戦優勝をほぼ手中に収めた一方、敗れたアルコベンダスは今季15敗目を喫し、11位にとどまっている。