ヨーロッパニュース一覧

2010-6-1

ヨーロッパ・ニュース Vol.122

2010/06/01


男子ハンドボール: 欧州チャンピオンズリーグ・ファイナル4はTHWキールが優勝

<通算5度目の優勝を果たしたキール>

 男子ハンドボールの欧州チャンピオンリーグは、29日と30日にドイツのケルンでファイナル4が行われ、  地元ドイツのTHWキールがスペインのバルセロナを破り5度目の優勝を飾り、昨シーズンのリベンジを果たした。
 昨シーズンまでのホーム&アウエー方式に代わり、 今季からは上位4チームが1箇所で2日間のトーナメントを行い優勝を決めるファイナル4方式が導入されたが、記念すべき第1回目のファイナル4に残ったのは、バルセロナ、シウダー・レアルのスペイン勢と、ドイツのTHWキール、ロシアのチェクホフスキー・メドゥベディの4チームだった。
 29日に行われた準決勝では、昨シーズンの決勝戦の再現となるTHWキール対シウダー・レアル戦が行われ、THWキールが29-27で王者シウダー・レアルを破り、昨シーズンの雪辱を果たした。一方、バルセロナは34-27でメドベディに快勝、30日の決勝戦は、再びスペイン勢対ドイツ勢の一騎打ちとなった。
 翌30日に行われた決勝戦は、両者の意地をかけた大接戦となった。試合は、世界最優秀GKと言われるキールのフランス代表GKティエリ・オメイヤーと、この試合を最後に現役引退を決めているバルセロナのGKダビド・バロフェの両GKの好手により一進一退の展開となる。前半、そのバロフェがスーパーセーブを連発してキールの攻撃を抑えると、スペイン代表フアニン・ガルシアの連続ゴールなどで波に乗ったバルセロナが20-17と3点差をつけて終了する。後半に入ってもビハインドからナーバスになったキールに対しバルセロナは攻撃の手を緩めず、25-19と一時はその差を6点まで広げる。しかし、ホームも同様のケルンの観衆の声援を受け、キールはここから怒とうの反撃を見せると、26-24までその差を縮める。すると、前半のオーバーワークがたたったバルセロナは体力を消耗し、勢いづいたキールの攻撃を止めることができなくなる。リズムを崩したバルセロナにつけこんだキールは徐々にその差を詰め始め、わずか10分の間に11点を奪って、30-29と一気に逆転する。残り時間がわずかとなったところでバルセロナも必死の抵抗を試みるが、最後は36-34で力つきた。これまで、チャンピオンズリーグの決勝でスペイン勢と3度対戦し(シウダー・レアル2度、バルセロナ1度)一度も勝ったことがなかったキールだが、ついにこのジンクスを破って再びドイツ勢に欧州王者の称号をもたらした。

<チャンピオンズリーグ・ファイナル4結果>
最終順位:
1.THWキール 2.バルセロナ・ボルジェス 3.シウダー・レアル 4.チェコホフスキー・メドベディ

準決勝
5/29 チェコホフスキー・メドベディ(ロシア) 34-27 バルセロナ・ボルジェス(スペイン)
5/29 シウダー・レアル(スペイン) 27-29 THWキール

決勝
5/30 バルセロナ・ボルジェス 34-36 THWキール
3位決定戦
5/30 チェコホフスキー・メドベディ 28-36 シウダー・レアル

ラグビー: 7人制セブンズ・シリーズはサモアが総合優勝

<総合優勝したサモアの選手たち>

 7人制ラグビーのセブンズ・シリーズは、29日、30日に最終戦となるスコットランド大会が行われ、決勝でサモアがオーストラリアに41-14で圧勝し、2009-10シーズンのシリーズ総合優勝を果たした。
 サモアは、シリーズ初戦のドゥバイ大会こそニュージーランドに敗れ準優勝に終わったが、その後、南アフリカ大会、アメリカ大会、オーストラリア大会、香港大会、そして最終戦のスコットランド大会を制覇して総合ポイントを164に伸ばし、149ポイントの2位ニュージーランドを15ポイント上回った。なお、3位にはオーストラリア、4位にはフィジーが入り、1〜4位までを南半球勢が占めた。 

<7人制セブンズ・シリーズ最終順位>
1.サモア 164ポイント
2.ニュージーランド 149ポイント
3.オーストラリア 122ポイント
4.フィジー 108ポイント
5.イングランド 96ポイント
6.南アフリカ 80ポイント
7.アルゼンチン 62ポイント
8.ケニア 52ポイント
9.ウェールズ 34ポイント
10.アメリカ 32ポイント
11.カナダ 15ポイント
12.スコットランド 12ポイント


バスケット: 東欧諸国10カ国のバスケット協会がFIBAヨーロッパに反旗

 先に行われた理事選をめぐり、10カ国の東欧諸国のバスケットボール協会がFIBA(国際バスケットボール連盟)ヨーロッパに反旗を翻す動きを強めている。アルメニア、ブルガリア、キプロス、ギリシャ、イスラエル、ラトビア、ロシア、セルビア、トルコ、ウクライナのバスケットボール協会関係者は、この度ウクライナのキエフに集結し、共同声明を発表した。
 「われわれは、FIBAヨーロッパの組織、運営に係わる理事選において、理事の何名かによって採択されたやり方に大いなる遺憾を感じている。いくつかの不正操作によって、主要国のバスケットボール協会が同協会の理事会から追い出され、次の4年間、運営に参加できなくなった。われわれは、3億人以上の代表として自分たちの利益を守るために行動を起すことになるだろう」
 10カ国の協会は、FIBAヨーロッパ内における政治的な影響力と執行権限の明確な線引きを実現し、現理事会のメンバーが運営上の決定権を行使しないよう要求するとともに、ガラス張りの運営を訴えていく構えだ。