ヨーロッパ・ニュース Vol.125
2010/09/14
● 男子バスケットボール世界選手権: 優勝はアメリカ、開催国トルコが準優勝
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トルコで開催されていた男子バスケットボールの世界選手権は12日にイスタンブールで決勝戦が行われ、アメリカが地元のトルコを81-64で下し、4大会16年ぶりに世界王者に返り咲いた。
コービー・ブライアント、レブロン・ジェイムズ、カーメロ・アンソニー、ティム・ダンカン、ドゥエイン・ウェイドといったNBAスター選手の辞退により、ドリームチームではないいわば“2軍メンバー”で本大会に臨んだアメリカだったが、大会を通じて高いモチベーションを維持して世界の頂点に立ち、選手層の厚さを見せつけた。絶対的なスター不在の中、今大会でアメリカチームを引っ張ったのは、NBAオクラホマシテュ・サンダーズに所属する22歳のシューティングガード、ケビン・デュラントだった。デュラントは決勝戦でも両チーム最多の28得点を挙げるなどチームの勝利に貢献、大会MVPにも選ばれた。一方、敗れたトルコも地元開催の意地を見せ、史上初の準優勝に輝いた。なお、3位決定戦ではリトアニアがセルビアを破ったほか、前回2006年日本大会の覇者で次回2014年大会の開催地でもあるスペインは、5位決定戦でアルゼンチンに敗れ6位に終わった。
<世界選手権最終結果>
準決勝
9/11 アメリカ 89-74 リトアニア セルビア 82-83 トルコ
3位決定戦
9/12 セルビア 88-99 リトアニア
決勝
9/12 トルコ 64-81 アメリカ
<最終順位>
1.アメリカ 2.トルコ 3.リトアニア 4.セルビア 5.アルゼンチン 6.スペイン 7.ロシア 8.スロベニア 9.ブラジル 10.オーストラリア 11.ギリシャ 12.ニュージーランド 13.フランス 14.クロアチア 15.アンゴラ 16.中国 17.ドイツ 18.プエルトリコ 19.イラン 20.レバノン 21.コートジボワール 22.カナダ 23.ヨルダン 24.チュニジア
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<大会優秀選手>
MVP: ケビン・ドゥラント(アメリカ)
大会オールスター: ルイス・スコラ(アルゼンチン)、リナス・クレイザ、(リトアニア)、ケビン・ドゥラント(アメリカ)、ヘド・トゥルコグル(トルコ)、ミロシュ・テオドシッチ(セルビア)
● 女子ホッケーワールドカップ: 地元アルゼンチンが優勝
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アルゼンチンのロサリオで行われていた女子ホッケーワールドカップは11日に決勝戦が行われ、地元の大声援を背にアルゼンチンが北京オリンピック王者のオランダを3-1で破り、優勝した。アルゼンチンの優勝は2度目となる。大会MVPにはアルゼンチンのルシア・アイマールが選ばれた。また、同じ日に行われた3位決定戦では、イングランドがドイツを2-0で破った。なお、日本は順位決定戦でスペインを2-1で下し、11位で大会を終えた。
<ワールドカップ最終結果>
準決勝
9/9 オランダ 1-1 イングランド (※ペナルティ4-3) アルゼンチン 2-1 ドイツ
3位決定戦
9/11 イングランド 2-0 ドイツ
決勝
9/11 オランダ 1-3 アルゼンチン
<最終順位>
1.アルゼンチン 2.オランダ 3.イングランド 4.ドイツ 5.オーストラリア 6.韓国 7.ニュージーランド 8.中国 9.インド 10.南アフリカ 11.日本 12.スペイン
● バスケットボール: FIBA、2016年リオ五輪での3on3正式採用を希望
FIBA(国際バスケットボール連盟)のパトリック・バウマンGMは、2016年のリオデジャネイロ五輪に向けて、“3on3”(3対3で対戦するミニバスケット)の正式採用を目指すことを明らかにした。3on3は、すでに今年行われたシンガポール・ユース五輪でもテスト的に採用されたが、通常のコートの半分のスペースでできるうえ競技コストが安いことから、小さな国でも参加しやすいというメリットがある。ここ数年、各ボールスポーツの統轄団体は、フットサル、ビーチバレー、7人制ラグビーなど関連する新競技の普及を積極的に促進しているが、FIBAもその流れに乗りたいと考えているようだ。FIBAは今後、3on3のワールドツアーの実施、個人プレーヤーの世界ランキングシステムの導入などを検討して入るという。
● バスケット: 英国で欧州初のNBAレギュラーシーズンが開催
来年の3月4日と5日、英国のノース・グリーンウイッチで欧州初となるNBAレギュラーシーズンゲーム、ニュージャージー・ネッツ対トロント・ラプターズの試合が開催される。これまでもプレシーズンのツアーなどで欧州を訪れるNBAのチームはあったが、レギュラーシーズンの公式戦が行われるのは初めてのことだ。英国では、来月にもNBAのLAレイカーズ対ミネソタ・ティンバーウルブズのプレシーズンマッチが行われるこが、チケットは完売状態だという。
ロンドン五輪を2年後に控える英国バスケットボールリーグ協会のポール・ブレーク会長は、「英国のバスケットボールは一般市民からナショナルチームにいたるまで確実に大きな進歩を遂げている。今季、英国で3試合ものNBAゲームが行われるのは前例がないことだ。来年はこの国のスポーツ界にとって大きな変革の年になるだろう。われわれもその一部を担いたいと思っている」と述べ、NBAチームの招致によってロンドン五輪に向けた国内のバスケットボール人気を一気に盛り上げたいとの狙いがあることを明かした。
● ラグビートップ14: カンプ・ノウスタジアムで史上初のラグビーマッチへ
ラグビーのフランスリーグ、トップ14のパウル・ゴゼ会長は、同リーグのペルペニャンが、カンプ・ノウスタジアムで初のラグビーマッチを行うことでFCバルセロナと合意に達したことを発表した。同会長は、「カンプ・ノウスタジアムで試合を行うプランはかなり進行している。2011年の春にはトップ14の1試合が行われるだろう」と述べた。
一方、今年6月にバルセロナの新会長に就任したサンドロ・ロセイ氏はこの合意について、「歴史的なゲームになる。バルセロナはサッカークラブとしてカタルーニャ地方の人々のシンボルだが、ペルペニャンがカタルーニャの人々にとってのラグビークラブとなることを願っている」とのコメントを発表している。サッカー以外にも、バスケット、フットサル、ハンドボール、インドアホッケー、野球など数多くのボールゲームのチームを持つバルセロナだが、ラグビーのチームは持っていないことから、将来的にはバルセロナが地理的にも近いペルペニャンと何らかの提携を結ぶ可能性もある。ホームスタジアムの収容人数が15000人というペルペニャンにとっては、98000人の収容人数を誇るカンプ・ノウスタジアムは魅力的だ。
とはいえ、同スタジアムでラグビーの試合が行われるためにはトップ14の承認が必要となる。サッカー専用スタジアムのピッチがラグビーに適しているか、この試合の後、グランドがサッカーの試合を行える状態に回復するのかなどが今後検証されるべき案件となる。