ヨーロッパ・ニュース Vol.130
2010/11/30
● リオ五輪開催に向け、特殊部隊による貧民街の犯罪組織一掃作戦を決行
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2014年のサッカーワールドカップ、2016年オリンピックの開催が相次いで決まったブラジルのリオ・デ・ジャネイロで先週、市内に数百箇所近くあると言われるファベイラと呼ばれる貧民街のうち規模の大きなファベイラ数箇所に特殊部隊が突入し、治安向上のための大規模な犯罪組織一掃作戦が行われた。
さながら市街戦のような雰囲気の中、装甲車を伴い完全武装した150人の精鋭部隊がファベイラに入ると、これに対抗した麻薬密売組織、犯罪組織との間で局地的に激しい銃撃戦が行われ、双方合わせて30名以上の死者が出た模様。
作戦が開始されてからすでに約1週間がたつが、緊張は日に日に増しており、その様子はブラジル全土に生中継されている。この間、前線で突入する精鋭部隊に加え、増員された800名の治安部隊、17500人の警察官も投入され、市内全域の治安維持にあたっている。
この一掃作戦は、2007年から定期的に行われているが、リオでは昨年1年間で殺人による死者が1000人を超えるなど、治安面に大きな不安を抱えている。それでも、武装部隊による一掃作戦は功を奏しはじめており、3728人の死者を数えた2002年に比べると殺人による死者はおよそ四分の一まで減少している。ちなみに、2002年当時の数字を基にした人口10万人あたりの殺人による死者数62.2人は、ロンドンの2.2人に比べて約30倍だった。
1週間にわたる一掃作戦を振り返ったブラジルのルラ大統領は、今回の作戦が成功に終わったことを強調。「麻薬密売組織、犯罪組織の完全撲滅のための第一歩はまだ始まったばかり」と述べ、今後もブラジル政府をあげ、犯罪組織撲滅のためリオ州自治政府を全面的にバックアップしていくことをあらためて確認した。
一方、2016年リオ・オリンピック実行委員会のカルロス・アルトゥール・ヌズマン会長は、「リオ・オリンピックが安全な環境の下で行われるよう、現在、治安維持活動を行っている州知事に全面協力を惜しまないつもりだ」と、この作戦を支持している。
● 男子バスケット:元NBAオールスターのアイバーソン、ヨーロッパで活躍中
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元NBAオールスターメンバーで今季からトルコのベシクタシュ・コーラ・トゥルカに加入したアレン・アイバーソン、が23日に行われたヨーロッパ・カップ(※ユーロリーグに順ずる欧州のクラブカップ戦)に出場した。
16日の開幕戦に続く2試合連続の出場となったアイバーソンはこの試合で18ポインをト挙げる活躍を見せたが、チームはドイツのBGゲッティンゲンに85-83で敗れ、同大会のレギュラーシーズンでの成績は2戦2敗となった。アイバーソンは、トルコ国内リーグではここまで7試合中2試合に出場しており、計16ポイントを挙げている。
アイバーソンは、NBAで過去11度オールスターに選ばれ、MVPを獲得したこともある元スタープレーヤーで、今季400万ドル(約3億2400万円)の2年契約でトルコリーグのベシクタシュに加入し、NBAファンや関係者の間に驚きを与えた。
● 男子バスケット:ユーロリーグ予選ラウンド第6節、全勝チームがない混戦に
男子バスケットボールのユーロリーグは、24、25日に予選ラウンドにあたるレギュラーシーズンの第6節が行われたが、第6節終了時点で全勝チームが皆無という混戦になっている。
今節、ここまで1敗のマカビ・エレクトラ(イスラエル)、モンテパッシ・シエナ(イタリア)、フェネルバフチェ・ウルケール(トルコ)はいずれも順当に勝利したが、今季の大会ではここまで、過去のユーロリーグ・ファイナル4常連チームが苦戦している。昨シーズンの覇者リーガル・FCバルセロナ(スペイン)、ファイナル4のパルチザン(セルビア)はすでに2敗を喫しており負けられない一戦となったが、いずれも勝利を挙げて4勝2敗とした。一方、昨シーズン準優勝のオリンピアコス(ギリシャ)はレアル・マドリードに、同じくギリシャの強豪パナシナイコスもパワー・エレクトリック・バレンシア(スペイン)に敗れ、いずれも2敗目を喫した。一方、名門クラブを擁するロシア勢は、ここ数年の不調から立ち直る気配がみられない。ロシアの天然資源会社のバックアップを受けた新興チームBCキミキは2勝4敗でグループA5位に沈み、古豪CSKAモスクワに至っては1勝5敗でグループD最下位に低迷しており、かつての存在感は見る影もない。
● 女子サッカー:UEFA女子チャンピオンズリーグ準々決勝の組み合わせが決定
ベスト16を勝ち抜いた全8チームが出揃ったUEFA女子チャンピオンリーグ準々決勝の組み合わせ抽選が行われ、なでしこジャパンの安藤梢が所属するFCR2001デュイスブルク(ドイツ)はイングランドのエバートンと、同じくなでしこの永里優季が所属するFFCポツダム(ドイツ)はFCF Juvisy Essonne(フランス)と対戦することが決まった。昨シーズンの決勝で対戦したデュイスブルクとポツダムだが、ともに勝ち上がれば今季は準決勝で顔を合わせることになる。準々決勝はホーム&アウエー方式で、第1戦は3月16、17日、第2戦は3月23、24日に行われる。
<UEFA女子チャンピオンズリーグ準々決勝組み合わせ>
ズベズダ2005(ロシア) vs オリンピック・リヨン(フランス)
アーセナルLFC(イングランド) vs リンコピンFC(スウェーデン)
エバートン(イングランド) vs FCR2001デュイスブルク(ドイツ)
FCF Juvisy Essonne(フランス) vs FFCトゥルビン・ポツダム(ドイツ)
● ホッケー: 2014年ワールドカップは男女共オランダで開催
FIH(国際ホッケー連盟)は、2014年の男子および女子ワールドカップをオランダで開催することを決定した。2014年大会の開催地争いは、オランダと2012年ロンドン五輪を控えるイングランドとの一騎打ちになったが、 僅差でオランダが選ばれた。 2014年オランダ・ワールドカップは、男女共に6月2日から15日までの間で行われる。またFIHは、2011年から2014年までに行われる国際大会のスケジュールもあわせて発表した。
<2011年ホッケー国際大会スケジュール>
FIHインドアワールドカップ(ポーランド) 2/8〜14
FIH女子チャンピオンズトロフィー(オランダ) 6/25〜7/3
FIH男子チャンピオンズトロフィー(インド) 11/26〜12/4
FIH女子チャンピオンズチャレンジ1(アイルランド) 6/18、19 6/25,26
FIH男子チャンピオンズチャレンジ1(南アフリカ) 日程未定
FIH女子チャンピオンズチャレンジ2(オーストリア) 5/8〜14
FIH男子チャンピオンズチャレンジ2(フランス) 7/3-9
● 女子ハンドボール:2011年ブラジル女子世界選手権の欧州一次予選が開幕
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11月30日から12月5日にかけて、2011年にブラジルで行われる女子世界選手権(2011年12月3〜18日開催)に向けた欧州一次予選が開催される。
欧州地域には、前回大会覇者のロシアを除く11の出場枠が与えられるが、12月7〜19日にデンマークとノルウェーで行われる女子ユーロ2010(欧州選手権)の上位3チームは、自動的に出場権を獲得する。また、女子ユーロで出場枠を獲得できなかったチームは、来年6月に行われる欧州予選プレーオフに出場し、今回の一次予選で勝ち抜いたチームとの間で残りの本大会出場権をかけて争う。
ブラジル世界選手権には、世界各地の予選を勝ち抜いた24チームがエントリーするが、前回優勝国ロシア、開催国ブラジルを除く出場枠は、アジア、アフリカがそれぞれ4チーム、中南米が3チーム、欧州が11チームとなっている。
● 男子ハンドボール:欧州チャンピオンズリーグ、ベスプレムがベスト16一番乗り
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男子ハンドボールの欧州チャンピオンズリーグは、26、27日にグループリーグ第6節が行われ、グループBのMKBベスプレム(ハンガリー)がIKサベホフ(スウェーデン)を38-34で下し、全チームで唯一となる無傷の6連勝を飾り、ベスト16ラウンドへ一番乗りを決めた。また、強豪がひしめき混戦となっているグループAでは、まさに互角の戦いが続いている。27日には、1、2位を占めるライン=ネッカー・レーベン対THWキールのドイツ勢同士が対戦して30-30で引き分けたが、2強を追う3位のバルセロナもポーランドのKS Vive Targi Kielceと28-28で引き分けたため、上位との差をつめることはできなかった。そのほか、グループDではスペインのシウダー・レアルがサラエボのHCボスナ・サラエボを32-17の大差で下し、5勝1分としてベスト16ラウンド入りへ王手をかけた。