ヨーロッパニュース一覧

2011-1-25

ヨーロッパ・ニュース Vol.135

2011/01/25


男子ハンドボール世界選手権: 欧州勢以外のチームは一次予選でほぼ全滅

 スウェーデンで行われている男子ハンドボールの世界選手権は一次予選ラウンドが終了し、現在は勝ち残った12チームによるメインラウンドが始まっている。フランス、スペイン、ドイツ、デンマーク、スウェーデン、クロアチア、アイスランドといった欧州の強豪国が順当にメインラウンドに駒を進めた一方で、欧州勢以外の国でメインラウンドに進んだのは12チーム中わずかに南米代表のアルゼンチンだけという結果となった。

 なお、グループBにエントリーした日本はノルウェーとの初戦を29-35で落とした後、オーストリアには33-30で勝利したが、続くアイスランド戦(22-36)、ハンガリー戦(24-28)に連敗し、この時点でメインラウンド進出の可能性が途絶えた。最終戦では接戦の末ブラジルを33-32で下し一矢を報いたものの、2勝3敗のグループ4位に終わり惜しくもメインラウンド進出を逃した。敗れた日本はプレジデントカップ(順位決定ラウンド)に回ったが、22日に行われた初戦のエジプト戦を28-34で落としている。

<一次予選ラウンド最終順位>
グループA: 1.フランス 2.スペイン 3.ドイツ 4.エジプト 5.チュニジア 6.バーレーン
グループB: 1.アイスランド 2.ハンガリー 3.ノルウェー 4.日本 5.オーストリア 6.ブラジル
グループC: 1.デンマーク 2.クロアチア 3.セルビア 4.アルジェリア 5.ルーマニア 6.オーストラリア
グループD: 1.スウェーデン 2.ポーランド 3.アルゼンチン 4.韓国 5.スロバキア 6.チリ 

<メインラウンド組み合わせ>
グループ1:フランス、スペイン、アイスランド、ドイツ、ハンガリー、ノルウェー
グループ2:デンマーク、スウェーデン、ポーランド、クロアチア、アルゼンチン、セルビア

ハンド世界選手権の審判がセクハラ容疑で逮捕

 ハンドボール男子世界選手権が開催されているスウェーデンのゴーテボーグで20日、同大会の公式審判のひとりがホテルの女性従業員にセクハラを行ったとの容疑で警察に逮捕された。地元紙によると、容疑者はホテルの廊下にいた女性従業員の目の前で全裸になったとのことで、名前は公表されていないものの、アフリカ北部の国から招聘された審判だという。IHF(国際ハンドボール連盟)はただちにこの審判の大会からの追放を決定したが、その後の処分については、容疑が正式に確定し次第、検討するとのことだ。

男子バスケットボール: ユーロリーガの決勝ラウンド始まる

 男子バスケットボールのユーロリーグはト一次予選ラウンドを勝ち抜いたトップ16による決勝ラウンドが始まった。決勝ラウンドは4グループに分かれて争われ、各グループ首位のチームがファイナル4に進む。
 注目の第1節では、優勝候補のリーガル・バルセロナ(スペイン)、パナシナイコス(ギリシャ)が先勝したが、昨シーズンのファイナル4のひとつパルチザン(セルビア)、強豪のオリンピアコス(ギリシャ)が敗れた。

ラグビー: ハイネケンカップ、ベスト8が出揃う

 ラグビーのハイネケンカップは予選ラウンドの最終節が行われ、準々決勝に進出する8チームが出揃った。各グループで首位となった6チームに加え、2位となったチームのうちポイント差で上位となった2チームが準々決勝に駒を進めた。
 今大会躍進を続けるイングランドのノーサンプトンはプールAの最終戦でも快勝し、全チーム中唯一となる無傷の6連勝を飾った。また、プール5ではペルペニャン(フランス)とレスター・タイガース(イングランド)がいずれも大勝し4勝1敗1分で並んだが、両者の直接対決の結果、ペルペニャンが首位突破を決めた。しかし、2位となったレスターもポイントで上位となり、ベスト8入りした。なお、ベスト8を国別で見ると、フランスが4チーム、イングランドが2チーム、アイルランドが2チームとなっており、ウェールズ、スコットランド、イタリア勢は姿を消した。

<ハイネケンカップベスト8進出チーム=総合ランキング順>
1.ノーサンプトン(イングランド) 2.レンスター(アイルランド) 3.ペルペニャン(フランス) 4.ビアリッツ(フランス) 5.トゥールーズ(フランス) 6.トゥーロン(フランス) 7.レスター・タイガース(イングランド) 8.ウルスター(アイルランド)

インド人実業家がサッカースペインリーグ1部クラブを買収

<アリ・サイド氏>

 インド人実業家のアシャン・アリ・サイド氏は、サッカーのスペインリーグ、リーガ・エスパニョーラ1部に所属するラシン・サンタンデールの買収を発表した。買収額は1400万ユーロ(約15億7000万円)で、このうち半額の670万ユーロは、同クラブの筆頭株主であるドゥンビロ社からの株式譲渡にあてられ、残りはカンタブリア州政府からの債務返済にあてられる。アリ・サイド氏はこの買収により同クラブのオーナーとなり、クラブ運営の全権を握ることになる。サッカーのスペインリーグでは昨年6月にも、カタールの王族であるシェイク・アブドゥラ・ビン・ナッサル・アル・タニ氏がマラガを3600万ユーロ(約40億円)で買収し、豊富な資金力を楯に積極的な補強を進めている。今後もスペインでは、金融危機のあおりを受けて財政難に苦しむ弱小クラブが外国資本に身売りするケースが増えそうだ。

ハンドボール: 英国代表チームのロンドン五輪参加が承認

 英国オリンピック委員会(BOA)は、男女ハンドボールの英国代表チームが2012年のロンドン五輪に参加できるかどうかの判定基準となる“Host Nation Qualification Places(開催国参加資格)”をクリアしたことを発表した。 これによって英国のハンドポール代表チームは、男女共にロンドン五輪への出場が認められたことになる。BOAは英国ハンドボール協会との合意の下この決定を下したが、同国協会は今後、ハンドボールの代表選手がロンドン五輪で戦えるレベルに到達するよう、欧州の各大会への参加やクラブチームへの選手派遣などの強化策を実行していかねばならない。なお、BOAは昨年12月にもバレーボールの男女代表チームのロンドン五輪出場を認めているが、同国では、ハンドボール、バレーボール、バスケットボールといった団体競技が国際大会に出場できるレベルになく、五輪開催までの残り1年強という短期間で急激なレベルアップをはからなければならない。