ヨーロッパ・ニュース Vol.142
2011/03/22
<<はじめに>>
● ラグビ― 6カ国対抗: イングランドが優勝もグランドスラムはならず
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ラグビーの6カ国対抗戦は最終節が行われたが、ここまで全勝でグランドスラムを目指していたイングランドが、アイルランドに8-24で大敗する波乱があった。
同じ日、ウェールズがフランスに9-28で敗れたため、イングランドの大会26度目の優勝が決まったが、最終戦で大敗した上にグランドスラムを逃したとあって、悔いの残る結果となった。一方、2位に終わったフランスは、イングランドとの直接対決には敗れたものの、それ以上に、前節で伏兵のイタリアに21-22で敗れたのが痛かった。
<2011年 6カ国対抗戦最終順位>
1.イングランド(4勝1敗) 2.フランス(3勝2敗) 3.アイルランド(3勝2敗)
4.ウェールズ(3勝2敗) 5.スコットランド(1勝4敗) 6.イタリア(1勝4敗)
● 女子バレーボール:バキフ・バンク・イスタンブールがチャンピオンズリーグ初優勝
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女子バレーの欧州チャンピオンズリーグは、19と20日にトルコのイスタンブールでファイナル4が行われたが、20日に行われた決勝戦で、地元のバキフ・バンク・イスタンブールがアゼルバイジャンのラビタ・バクーを3-0のストレートで下し、初優勝を飾った。
前日の準決勝で、同じトルコの優勝候補フェネルバフチェ・イスタンブールをフルセットの末退けたバキフ・バンクは、決勝でもその勢いに乗ると、大会MVPに選ばれたポーランド代表のエース、グリンカの活躍により快勝。トルコ勢としてチャンピオンズリーグ史上初の優勝を飾った。なお、3位決定戦では、フェネルバフチェがスカボリー二・ペッサロ(イタリア)を3-1で破った。
<チャンピオンズリーグ・ファイナル4結果>
3/19 準決勝
フェネルバフチェ(トルコ) 2-3 バキフ・バンク・イスタンブール(トルコ)
ラビタ・バクー(アゼルバイジャン) 3-1 スカボリーニ・ペッサロ(イタリア)
3/20 決勝
バキフ・バンク・イスタンブール 3-0 ラビタ・バクー
3/20 3位決定戦
フェネルバフチェ 3-1 スカボリーニ・ペッサロ
● バスケット: FIBA、英国ナショナルチームの五輪出場を
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正式承認
13日にリヨンで行われたFIBA(国際バスケットボール連盟)の理事会で、英国のバスケット男女ナショナルチームのロンドン五輪出場が正式に承認された。しかし、FIBA理事会は同時に、英国バスケットボール協会およびイングランド、スコットランド、ウェールズの各地域協会が統一した運営を行うことを条件として付け加えた。
「FIBA理事会メンバーによる投票の結果、英国の男子および女子ナショナルチームが、来年行われるロンドン五輪に出場することを承認する。ただし、英国バスケットボール協会と地域協会は2012年6月30日までに、今後の運営の統一化に向け、最良の解決策を提示しなければならない」
また、この理事会では、2014年の女子世界選手権がトルコで行われることもあわせて決まった。
● オバマ大統領、ブラジルW杯およびリオ五輪での全面協力を約束
19、20日にブラジルを訪れていた米国のバラク・オバマ大統領は、ブラジルのジウマ・ロウセフ大統領と会談し、ブラジルで開催される2014年のサッカーワールドカップ、2016年のリオ五輪の両国際大会において、米国が全面協力することを約束する共同宣言に署名した。
● バレーボール: FIVB会長が日本へメッセージ、日本での国際大会は今後検討
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FIVB(国際バレーボール連盟)のウェイ・ジーツオン会長は17日、11日に発生した東日本大震災について、声明を発表した。
FIVBは今年、日本でワールドリーグ、ワールドグランプリの予選に加え、11月に男女のワールドカップを開催する予定だが、同会長はこれらの大会開催について、今後の状況を見ながら対応を検討するとの見方を示した。
「私たちは、日本の人々、世界のバレーボール関係者と心をひとつにしている。日本の状況がこれ以上悪化しないよう、心より願っている。年末に日本で行われるFIVBの大会については、今後の状況を見守りたい。万が一、これ以上日本の状況が悪化することがあれば、対応を検討することになる」
● 欧州サッカー界、相次いで日本への連帯を呼びかける
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11日に日本で起こった大震災を受け、欧州サッカー界では、いち早く日本への連帯を呼びかける動きが見られた。
UEFA(欧州サッカー連盟)は、地震の翌週に行われた欧州での主催大会において、1分間の黙祷とともに、ピッチ上に日本語による「私たちは日本と共にいます」という横断幕を掲げた。日本を支えようとの動きは各国のクラブにも波及し、欧州各地のクラブで、日本への連帯を呼びかけるメッセージが発信された。中でも、スペイン・リーガ・エスパニョーラに所属するバレンシアは、20日のホームゲームで日本の人々を励ますため、全選手が日本語の名前入りユニフォームを着て登場(写真)、そのまま試合に臨んだ。
● ラグビーW杯: クライストチャーチでの7試合は開催不可、他都市で開催へ
IRB(国際ラグビー連盟)は16日、2月22日に発生したM6.3の地震により大きな被害を受けたニュージーランドのクライストチャーチで予定されていたW杯7試合の催行が不可能であるとの見解を正式に発表した。この決定は、URBの他、ニュージーランド政府、ニュージーランドラグビー連盟、ニュージーランドW杯組織委員会による協議の結果、決定された。なお、この7試合については、ニュージーランド国内の他の都市で開催されることになる。クライストチャーチの視察に訪れていたIRBのバーナード・ラパセット会長は、この決定に至る経緯を次のように説明した。
「スタジアム・クライストチャーチの工事責任者から、スタジアム内部およびピッチの修理が大会までに間に合わない可能性があるとの報告を受けた。この結果、7試合については、クライストチャーチ以外の都市で開催するより他に選択肢がないとの結論に至った」