ヨーロッパニュース一覧

2011-5-10

ヨーロッパ・ニュース Vol.148

2011/05/10


バスケット: パナシナイコスがユーロリーグ・ファイナル4を制す

 6日にスペインのバルセロナで開幕した2010-11ユーロリーグ・ファイナル4は、8日に決勝が行われ、ギリシャのパナシナイコスがイスラエルのマッカビ・エレクトラを78-70で破り、通算6度目の優勝を果たした。
 パナシナイコスを率いる名将オブラドビッチ監督は、パルチザン、ジュベントゥ、レアル・マドリー、パナシナイコスと過去4つのクラブで欧州の頂点に立っており、自身8度目のユーロリーグタイトルとなった。

 今季のファイナル4決勝は、準決勝でイタリアのモンテパッシ・シエナを破ったパナシナイコスと、スペインのレアル・マドリーを破ったマッカビの顔合わせとなった。個人技で勝るパナシナイコスは第1クォーターからマッカビを圧倒すると、22-15と7ポイント差をつけるが、第2クォーターに入ると、3ポイントとリバウンドを得意とするマッカビが反撃し、33-30まで追い上げる。それでも地力に勝るパナシナイコスは、第3クォ―ターにリズムに乗った攻撃で一気に加速すると、ディアマンティディ、バティスティ、サトらのシュートなどでリードを広げ、55-43と12ポイントの差をつける。第4クォーターは互いに点の取り合いになるが、パナシナイコスはマッカビの追撃を許さず、最後は8点差をつけて勝利を手にした。

 なお、MVPには、この試合で16ポイント、9アシストを挙げたパナシナイコスのディミトリ・ディアマンティスが選ばれた。

<ユーロリーグ・ファイナル4結果>

5/6 準決勝 マッカビ(イスラエル) 82-63 レアル・マドリー(スペインン)

5/6 準決勝 パナシナイコス(ギリシャ) 77-69 モンテパッシ(イタリア)

5/8 決勝  パナシナイコス 78-70 マッカビ

5/8 3位決定戦 モンテパッシ 80-62 モンテパッシ



女子ハンドボール: チャンピオンズリーグ決勝、第1戦はラルビックが先勝

 女子ハンドボールの欧州チャンピオンズリーグ決勝は、14日にホーム&アウエーの第1戦が行われ、ホームのラルビック(ノルウェー)がイチャコ(スペイン)を23-21で下し、優位に立った。前半はアウエーのイチャコが9-8でリードして折り返すが、ラルビックは後半になって主導権を握ると、ローク、ラーセンらのシュートで一気にイチャコを突き放す。しかし、粘るイチャコは試合終了直前に再び差を詰めると、ロスタイムには相手チームの退場により数的優位に立ち同点のチャンスを迎えるが、ラルビックの固い守りを崩せず2点差で敗れ、優勝の行方は、14日にパンプローナで行われる第2戦に持ち越された。




アイスホッケー: 世界選手権二次ラウンド、チェコとカナダが全勝で準々決勝へ

 スロバキアで行われているアイスホッケーの世界選手権は予選ラウンドが終了し、二次ラウンドに入った。

開幕戦でロシアを破る金星を挙げたドイツだが、2連勝の後、フィンランド、デンマークに、いずれもオーバータイムで敗れて失速。ロシアもチェコに敗れ、2敗目を喫した。一方、予選ラウンドを通じて4戦全勝で準々決勝進出を決めたのが、チェコとカナダの2チームだ。チェコは初戦でデンマークに6-0と大勝した後、強豪フィンランドに2-1で競り勝って勢いに乗り、続くスロバキア戦、ロシア戦でも1点差の勝利を挙げてグループE首位に立っている。またカナダも、アメリカ、ノルウェーをいずれもオーバータイムで下し、無傷の4連勝で準々決勝に臨む。これに対し、開催国の地元スロバキアは、ドイツ、チェコ、フィンランド、ロシアといずれも強豪相手に善戦するも、いずれも1点差で敗れて4連敗を喫し、準々決勝進出の可能性は消滅した。二次ラウンドは9日に最終戦が行われ、その後は準々決勝、順位決定戦に移る。なお、予選ラウンドでグループ4位に終わった4チームは、来年の世界選手権トップリーグ残留をかけて総当たり戦を行なったが、ラトビア、ベラルーシが残留を決めた一方、オーストリア、スロベニアのディビジョンIへの降格が決定した。来年スウェーデンで行われる世界選手権では、この2チームと入れ替わりでデンディビジョンIからカザフスタン、イタリアが昇格することが決定している。

女子ラグビー: 女子欧州選手権はイングランドが優勝

 スペインのラ・コルーニャで行われていたラグビー女子の欧州選手権は7日に決勝戦が行われ、イングランドが前年王者のスペインを5-3で破り、優勝した。前半を0-0で折り返した両チームだったが、後半にスペインがPGで3-0とリードを奪う。その後、スコアが動かないまま残り3分をきったところでイングランドのサラ・ハンターのトライが決まり、イングランドが5-3で劇的な逆転勝利を収めた。



女子バレーボール: ユース欧州選手権でトルコが国際大会初のメジャータイトル

 ここ数年、トルコの女子バレーボールの躍進が著しい。先日の女子欧州チャンピオンズリーグでバキフグネス・イスタンブールがトルコのクラブチームとして初優勝を果たしたのは、まだ記憶に新しいが、代表レベルでもトルコがバレーボール界に新たな歴史を作った。8日に行われた女子ユース欧州選手権の決勝で、トルコはイタリアを3-0のストレートで下し、悲願の初優勝を果たしたのだ。トルコ代表チームにとっては、これが各世代を通じて初の国際大会でのメダル獲得となった。トルコのユース代表選手たちのほとんどは、わずか数年前に各地方のバレーボール協会によって設立された“バレーボールスクール”の出身者だが、協会の草の根の強化策がここへ来て徐々に実を結び始めている。

<女子ユース欧州選手権結果>
決勝  トルコ 3-0 イタリア (25-21、25-22、25-19)
3位決定戦 セルビア 3-1 ドイツ (25-20、28-26、22-25、25-22) 

最終順位: 1.トルコ 2.イタリア 3.セルビア 4.ドイツ 5.ポーランド 6.スロバキア 7.スペイン 8.ギリシャ 9.スロベニア 10.ベルギー 11.チェコ 12.ウクライナ



バスケット: スペインのプロリーグでお家騒動、12クラブが会長の辞任を求める

<ACBのポルテラ会長>

 バルセロナでユーリーグファイナル4が開催された6日、スペインのプロバスケットリーグ協会ACBに所属する18クラブのうち12のクラブが、リーグ協会のエドワルド・ポルテラ会長の即時辞任を求める声明文を発表した。この12クラブの中には、バルセロナやレアル・マドリーといったメジャークラブも含まれている。
 12クラブは同氏への辞任要求の理由として、「将来に向けたプロリーグの社会的、経済的安定を見据えた抜本的な改革の実現」を掲げており、もしもこの要求が受け入れられない場合、「新リーグの設立も辞さない」と強気の姿勢を見せている。プロバスケットリーグACBは、スペインではサッカーに次ぐ2番目の人気を誇るプロスポーツであるだけに、このお家騒動の今後の成り行きが注目される。