ヨーロッパニュース一覧

2011-9-13

ヨーロッパ・ニュース Vol.151

2011/09/13


航空機事故で選手を失ったロコモティフ・ヤロスラブリ、今季の大会参加を断念

<ホームアリーナで事故の犠牲者を追悼するファン>
<合同葬の弔問に訪れたロシアのプーチン首相>

 7日にロシアで、KHL(※コンチネンタル・ホッケーリーグ)開幕戦のため移動中だったロコモティフ・ヤリスラブリの選手、関係者を乗せたチャーター機が墜落し、44名が死亡する惨事が発生した。
 この事故機に乗り合わせたチームの全選手を失ったロコモティフのユーリ・ヤコブレフ会長は10日、ロシアの通信社からの取材に対し、「我々の第一の使命は、犠牲者となった選手、関係者の家族のケアをすることだ。そして第二の使命は、大会で戦えるレベルのチームを再構築することにある。こうした点から、われわれは来季まで全ての大会への参加を見送ることを決めた」と述べ、同クラブが今季行われる全ての大会への参加を辞退することを明かした。
 一方、事故直後にかろうじて一命をとりとめたアレクサンドル・ガリモフ選手だったが、身体の80%にやけどを負う重傷で内臓も損傷しており、12日早朝に収容先の病院で亡くなった。これで、事故で亡くなった選手の数は37人となった。ロコモトフのホームアリーナであるアリーナ2000には事故後、花束やろうそくを持った多くのファンや市民が絶えることなく追悼に訪れている。

※KHL=コンチネンタル・ホッケーリーグ
ロシア・スーパーリーグに代わり、2009年からベラルーシ、カザフスタン、ラトビア、スロバキアの東欧4カ国を加えて構成されたアイスホッケーのプロリーグ。北米のNHL(ナショナル・ホッケーリーグ)と並ぶ世界最高峰のリーグと言われている。



ラグビーワールドカップ・ニュージーランド大会始まる


<スプリングボックスは冷や汗の勝利>

 ラグビーのワールドカップ・ニュージーランド大会は9日から予選ラウンドがスタートし、オープニングマッチでは地元のオールブラックスがトンガに41-10で快勝し、好調なスタートを切った。その一方で、前回王者の南アフリカは初戦でウェールズ相手に大苦戦。終盤まで16-10でリードされたウェールズは、76分にホーハードがトライを奪うと、コンバージョンも決めて17-16と一気に逆転。ウェールズもその後、PGで再逆転のチャンスを得るが、これをはずしてしまい万事休す。しかし、王者を最後まで苦しめたウェールズの健闘が光った。また、10日に行われたイングランド対アルゼンチンの一戦も接戦rとなり、アルゼンチンが後半に9-10と1点差まで追い詰めたが、終了5分前のPGでイングランドが13-9の僅差で辛くも逃げ切った。                                    

<日本代表はフランス相手に健闘も惜敗>
アジア代表として出場している世界ランキング13位の日本は、初戦で世界ランキング4位のフランスと対戦。一時は4点差まで詰める大健闘を見せたものの、最後は欧州の雄に力の差を見せつけられ27-41で敗れた。16日にはさらに強豪のニュージーランド戦を控え厳しい戦いが続く日本代表だが、奮起を期待したい。

<ラグビーワールドカップ、グループリーグ組み合わせ>
プールA: ニュージーランド、フランス、トンガ、カナダ、日本
プールB: アルゼンチン、イングランド、スコットランド、グルジア、ルーマニア
プールC: オーストラリア、アイルランド、イタリア、ロシア、アメリカ
プールD: 南アフリカ、ウェールズ、フィジー、サモア、ナミビア



ユーロバスケ2011リトアニア大会、スペイン、リトアニアらがベスト8入り

 リトアニアで開催されている男子バスケットの欧州選手権ユーロバスケット2011は、ベスト8に進出する8チームのうち4チームが決定した。2次ラウンドのグループEからは、ここまで1次ラウンドを含めて7勝1敗のスペインが首位で準々決勝進出を決めた他、前回大会覇者のフランス、地元リトアニア、セルビアがベスト8入りを果たした。なお、NBAのベストプレーヤーのひとりでもあるディレク・ノビツキーを擁すドイツ、トルコは2次予選敗退となった。12日にはグループFの最終戦が行われ、残る4チームが決まる。


欧州ハンドボールの強豪シウダー・レアルが財政難でマドリードに移転

<新ユニフォームで開幕戦勝利>

 スペインリーグ5度、チャンピオンズリーグ3度など国内外の多くのタイトルを獲得してきた欧州ハンドボールの強豪シウダー・レアルが今季、財政難により本拠地をマドリードに移し、BMアトレティコ・マドリーとして再出発することになった。
 アトレティコ・マドリーはサッカー専門のクラブとして知られているが、かつてはハンドボールチームを持ち、スペインリーグで7回の優勝を誇っていた。だが、財政難から1991-92年を最後にハンドボールチームの独自運営を断念。その後、チームの運営は同じマドリードにあるアルコベンダスに引き継がれることになり、以降2シーズンにわたり、アトレティコ・マドリー・アルコベンダスとしてリーグ戦に出場したものの、最終的にアトレティコは経営から完全に撤退することになった。しかし、2005年に現会長のエンリケ・セレソ氏がハンドボールチーム復活への関心を示し、今年7月に、深刻な財政難に陥っていたシウダー・レアルの本拠地移転を受け入れることになった。
 両クラブの合意後、シウダー・レアルの名前はBMアトレティコ・マドリーに変更され、トップチームの選手、コーチングスタッフとともに本拠地もマドリードのビスタ・アレグレアリーナに移転することになった。今季は晴れてアトレティコの伝統である白と赤を基調としたユニフォームを来て大会に参戦することになったものの、現時点ではアトレティコはシウダー・レアルを完全に買収したわけでなく、ネーミングライツとしてクラブ運営に必要な資金の20%を出資するにとどまっている。とはいえ来季以降、アトレティコはクラブの100%完全買収も視野に入れているようだ。
 先週末に開幕したスペインリーグ(ASOBAL)で、新生アトレティコはバジャドリーに29-27で勝利し、新チームとしてデビュー戦を白星で飾った。チーム名、本拠地こそ変わったが、今季のリーグ戦、チャンピオンズリーグにおいて、アトレティコが引き続きバルセロナと並ぶ優勝候補であることは間違いない。



スペインスポーツ界を襲う深刻な財政難

 欧州全般を襲う金融危機のあおりを受け、スペインのスポーツ界でも財政問題が深刻さを増している。スペインのプロスポーツとして最も人気があるサッカーのリーガ・エスパニョーラも例外ではない。
 完全なプロリーグである1部、2部あわせて200人もの選手への給与が未払いとなっている現状を打開するべく、スペインサッカー選手協会は数ヶ月にわたってクラブオーナー側と度重なる労使交渉を行ってきた。ところが、一向に事態の進展が見られないことから、選手協会はストライキを決行し、今季のスペインリーグは予定より1週間遅れで開幕することになった。
 リーガ・エスパニョーラ1部では、2強であるバルセロナとレアル・マドリー、それにアラブの富豪をオーナーに迎えたマラガを除くほとんどのクラブが深刻な財政難から主力選手の売却や戦力ダウンを余儀なくされている。そのため、上位2強と他のクラブの格差は開く一方で、これに危機感を持った中堅クラブが団結してクラブ間格差の是正に乗り出そうとしている。そこで、焦点となっているのが国内外におけるリーガ・エスパニョーラの莫大なテレビ放映権料だ。現在、1部リーグに所属するクラブにおいて最も大きな収益の根幹となっているのは、テレビ放映権料である。企業の経営環境も厳しくなり各チームのスポンサー離れが加速する中、ソシオ(クラブ会員)や入場料、マーケッティングなどから十分な収入を見込めるクラブはほんの一部だけで、大部分はこのテレビ放映権に頼らざるをえない構図となっている。今やテレビ放映権が各クラブにとっての生命線とも言えるのだが、スペインでは現在のところ、テレビ放映権が各クラブに公平に配分される仕組みにはなっていない。というのも、最も視聴者が見込める人気クラブのバルセロナ、レアル・マドリーが、全てのクラブに配分される放映権料のうち45%もの割合を占めているからだ。中堅クラブは、この配分の是正を求めて立ち上がったのだが、実力も人気も2分するこの2大クラブが放映権料の配分見直しに応じる可能性は残念ながら低い。中堅クラブは、クラブ間の経済格差が広がればチーム力の差も広がり、結果的にリーグ自体の面白さが半減してしまう、ひいてはリーガ・エスパニョーラの価値を下げることになると主張している。だが、放映権料による資金を元に有名選手を買いあさりチームを強化することで、チャンピオンズリーグのような欧州のコンペティションでタイトルを狙うことが可能となり、世界中からマーケッティング収入の増加が見込める両クラブは、こうした中堅クラブの忠告に耳を貸そうとしない。
 そうなると、自ずと必要になってくるのが全く別の収入源だ。そこでLFP(スペインプロリーグ協会)は今季より、これまで無料だったラジオ局から新たに放送権料を徴収するという制度を発表した。当然ながら、これまで無料で放送してきたラジオ局はこの新制度に猛反発し、断固拒否の姿勢を打ち出している。LFPは、両者が合意に達するまでラジオ局にスタジアム内ブースの使用を認めないという制限措置を設け、従わないクラブには多額の罰金を科すと警告している。このため、新シーズンが開幕した今もなお、スペインでテレビと並んでニーズが高いラジオでサッカー中継を聞くことができないという異常事態が続いている。このように、スペインのスポーツ界の財政難の余波はさまざまなところに飛び火しつつある。
 プロスポーツの頂点に立つサッカーでさえこの有様である。サッカーほど豊富な資金源を持たないバスケット、ハンドボール、フットサルなどのプロリーグ、バレーボールやホッケーなどセミプロのクラブは、さらに苦しい状況に置かれているのは明らかだ。

=ロンドンオリンピック情報=

男子バスケットの南米選手権はアルゼンチンが優勝、準優勝ブラジルも五輪へ

 アルゼンチンで行われていた男子バスケットの南米選手権は11日に決勝戦が行われ、地元アルゼンチンが80-75でブラジルを下して優勝した。これによって、優勝国アルゼンチンと準優勝国のブラジルは、来年のロンドンオリンピック出場権を獲得した。アルゼンチンは3大会連続出場、ブラジルは16年ぶりの出場となる。