ヨーロッパ・ニュース Vol.154
2011/10/04
● ラグビーW杯、フランスがトンガに敗れるもボーナスポイントの差で8強入り
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ラグビーワールドカップ・ニュージーランド大会は予選ラウンドの全試合が終了し、決勝ラウンドに進む8チームが決定した。結果的にはほぼ予想通りの顔ぶれとなった決勝ラウンドだが、プールAのフランスは最終戦でトンガに足元をすくわれて14-19で敗れ勝敗で並んだものの、得点差7ポイント以内のチームに与えられるボーナスポイントに救われてかろうじて勝ち点で上回り、グループ2位で決勝トーナメント進出を決めた。
決勝トーナメントの準々決勝は、奇しくも北半球勢同士、南半球勢同士の対戦となり、欧州勢のいずれかが決勝に進出することが確実となった。
<ラグビーW杯決勝トーナメント>
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● 女子バレー欧州選手権は男子に続きセルビアが初優勝、準優勝はドイツ
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イタリアとセルビアの共同開催となった女子バレーの欧州選手権は2日に決勝戦が行われたが、開催国セルビア対ドイツという、大方の予想を裏切るサプライズとなった。
地元ベオグラードのパイオニア・スポーツホールに9000人のファンを迎えて行なわれた決勝戦は、フルセットにもつれこむ白熱したゲーム展開となったが、地元の大声援を背負ったセルビアが最終セットを15-9で奪い、悲願の初優勝を果たした。セルビアは、2週間前の男子に続き女子も欧州選手権を制し、来年のロンドンオリンピック出場権をかけ、男女揃って11月のワールドカップに出場することになった。なお、3位決定戦ではトルコがイタリアをフルセットの末に下している。一方、今大会で優勝候補の一角と目されていたロシアは期待はずれの6位に沈み、ロンドンオリンピック出場に黄信号が灯った。
大会前には誰一人、決勝戦でセルビアとドイツが顔を合わせることを予想できなかったに違いない。準々決勝でチェコを破って勢いに乗ったドイツは、準決勝でも前回覇者のイタリアを3-0のストレートで下し、一気に決勝へ駒を進めた。一方のセルビアは、同じく準々決勝でポーランドにストレート勝ちしたものの、同じく準々決勝で世界ランキング3位のロシアを破ったトルコに3-2でなんとか競り勝って決勝に進んだ。
優勝候補が準決勝までに次々と脱落する中、決勝に残ったセルビアとドイツ、3位に入ったトルコの大躍進は欧州の新時代到来を予感させるものであり、特筆に価する。この大会の結果、男女共に各大陸からのワールドカップ出場国が確定したが、残るFIVB推薦枠の2カ国次第では、ワールドカップ常連国で世界ランキング3位のロシア、5位のイタリア、8位のキューバといった強豪が、同大会への出場権を逃すことになる。
<女子バレー欧州選手権最終順位>
1.セルビア 2.ドイツ 3.トルコ 4.イタリア 5.ポーランド 6.ロシア 7.オランダ 8.チェコ 9.アゼルバイジャン 10.フランス 11.スペイン 12.ルーマニア 13.クロアチア 14.ブルガリア 15.ウクライナ 16.イスラエル
● レイカーズのブライアント、イタリアチームと基本合意も移籍実現は難航か
労使間の抗争からロックアウト(施設封鎖)に直面しているNBAに所属するレイカーズのスター、コービー・ブライアントのイタリアチーム入りが秒読み段階となってきた。ビルトゥス・ボローニャのクラウディオ・サバチーニ会長は、35日間で242万ユーロ(約2億5千万円)という短期契約でブライアントサイドと基本合意に達したことを明らかにした。ここにきて、完全合意のための唯一の障害となっているいのが、レガ(イタリアプロリーグ)の日程だ。というのもビルトゥスは、ブライアントに支払う契約金を捻出するため、契約期間の35日間により高い経済効果を見込めるよう、人気チームを中心に10試合のホームゲームをこなしたいとレガ機構側にリーグ戦のスケジュール変更を申し出ているのだが、レガ機構側はこれに応じる構えを見せていないという。ブライアント自身はイタリアメディアとのインタビューで、「可能性は十分にある」とポジティブなコメントを残したものの、その一方では、選手協会の一員としてNBA機構との交渉に出席するなどロックアウト解除に向けても尽力している。
● スペイン男子バレー1部リーグが12チームから過去最小の9チームに縮小
欧州の金融危機は、日増しにスポーツ界にも影響を及ぼしつつある。スペインプロバレーボールリーグのトップリーグ“スーペルリーガ”もそのひとつだ。昨シーズンまで 12チームで構成されていたスーペルリーガ男子だが、世界一のサッカーチームを要するFCバルセロナ、数年前まで長年スペインナンバーワンの実力を誇っていた名門パルマ・バレーを含む3クラブが、財政難を理由にスーペルリーガから撤退することになった。その一方で、2部のクラブの中から代替チームを募ったものの、希望するクラブはなかったことから、最終的に今季は、過去最小規模の9チームでリーグ戦が開催されることになった。引き続きトップリーグに参加することになったクラブも今季の予算を削減するなど苦しい経営を迫られており、リーグ存続のためには、さらなる運営努力が求められることになる。
● スウェーデン史上最高選手スヴェン・トゥンバ氏が死去
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1950年代に活躍し、現在もなおスウェーデンにおけるアイスホッケー史上最高選手と言われているスヴェン・トゥンバ氏が1日、ストックホルム市内の病院で死去した。80歳だった。トゥンバ氏はアイスホッケー以外にも、サッカー、ゴルフの選手として活躍したことで知られ、ゴルフ界では、スウェーデンと旧ソ連のパイオニア的存在でもあった。1951年にアイスホッケー選手としてのキャリアをスタートさせたトゥンバ氏は、その後、同国のクラブチームで8度のリーグ制覇を果たし、3度のベストスコアラーを獲得している。また、スウェーデン代表としても、世界選手権、冬季オリンピックあわせて14度の出場経験を誇り、1964年のインスブルック冬季オリンピックでは、ソ連に次ぐ銀メダルを獲得するなど数々の功績を残し、1997年には世界アイスホッケー殿堂入りを果たした。
=ロンドンオリンピック情報=
● 女子バレー南米選手権でブラジルが17回目の優勝
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ペルーで開催された女子バレーの南米選手権は 2日に決勝戦が行われ、ブラジルがアルゼンチンを3-0のストレートで下して、同大会通算17回目の優勝を果たした。決勝に進出した時点で2位以内を確定していた両チームだったが、FIVB世界ランキング1位のブラジルがすでにワールドカップ出場を決めていたのに対し、22位のアルゼンチンがワールドカップへの出場権を確保するには、優勝が必須条件だった。しかし、大会8連覇中のブラジルはアルゼンチンに格の違いを見せ付けると、25-10、25-7、25-27という一方的な内容で快勝した。なお、3位決定戦ではペルーがコロンビアを下している。
<女子バレー南米選手権最終結果>
1.ブラジル 2.アルゼンチン 3.ペルー 4.コロンビア 5.ウルグアイ 6.チリ 7.パラグアイ 8.ボリビア