ヨーロッパニュース一覧

2012-1-17

ヨーロッパ・ニュース Vol.165

2012/01/17


澤穂希がアジア人初のFIFAバロンドール受賞、最優秀監督に佐々木則夫監督

男子のバロンドールを受賞したメッシとの2ショット 

 FIFAバロンドールの受賞式が9日に行なわれ、男子のバロンドール(年間世界最優秀選手)にバルセロナのアルゼンチン代表FWリオネル・メッシが、女子のバロンドールにはINAC神戸の日本代表MF澤穂希が選ばれた。澤は、男女を通じて同賞に選ばれた初のアジア人選手となった。なお、女子バロンドールで澤に次いで2位の得票数を集めたのは、昨年まで同賞に5連続で輝いていたブラジル代表マルタ、3位はワールドカップで準優勝に終わったアメリカのアビー・ワンバックだった。さらに、惜しくも最終候補3名には残らなかったものの、4位に日本代表から湯の郷Belleの宮間あやが選ばれている。
 また、女子年間最優秀監督にも、W杯で日本代表を優勝に導いた佐々木則夫監督が選ばれ、フェアプレー賞を受賞した日本サッカー協会とあわせて、サッカー界世界最高峰の晴れ舞台で、日本勢が堂々の3冠を獲得した。

女子バロンドール得票数

1. 澤穂希(日本:28.51%) 

2. マルタ(ブラジル:17.28%)

3. アビー・ワンバック(アメリカ:13.26%)

女子最優秀監督得票数

1.佐々木則夫(日本:45.57%)

2.ピア・スンドハーゲ(スウェーデン:15.83%)

3.ブルーノ・ビニ(フランス:10.28%)

<FIFAバロンドール>
 バロンドールは元々、1956年にフランスのサッカー雑誌『フランス・フットボール』誌が創設した年間欧州最優秀選手に贈られる賞で、受賞は男子選手のみが対象だった。(2007年からは受賞対象が欧州だけでなく世界中となる)しかし、2010年度からFIFAワールドプレーヤー(年間世界最優秀選手)と統合され、新たに「FIFAバロンドール」として行なわれるようになった。受賞者は、旧FIFAワールドプレーヤー方式を採用し、各国代表の監督および主将、サッカージャーナリスト約400人の投票によって決まる。なお、女子最優秀選手はFIFAワールドプレーヤーから引き継がれたものである。

<女子最優秀選手>
 FIFAワールドプレーヤー時代の2001年度から女子年間世界最優秀選手が創設され、今回の澤は通算11回目の受賞者となる。しかし、これまでミア・ハム(アメリカ)が2年連続で受賞したのを皮切りに、その後はビルギット・プリンツ(ドイツ)が3年連続で受賞。2006年から2010年まではマルタ(ブラジル)が5年連続受賞中で、これまでで歴代3人の受賞者しかいなかった。今回、マルタの連続受賞を阻止した澤も、今年のロンドンオリンピックでの活躍次第で、連続受賞は十分にありうる。


男子ハンドボール: ユーロ2012・セルビア大会が開幕

ドイツは黒星スタート

 2年に一度開催される男子ハンドボールのユーロ2012(欧州選手権)・セルビア大会が15日に開幕した。この大会には、前回のウイーン大会覇者のフランス、開催国セルビアに加え、欧州予選を勝ち抜いた14チームが出場し、4グループに分かれて総当たり戦によるグループラウンド<を戦う。その後、各グループの上位3チーム(合計12チーム)が2つのグループに分かれて決勝ラウンドを行い、各グループ上位2チームが準決勝へ進む。なお、今大会で優勝したチームはヨーロッパチャンピオンとして今年のロンドンオリンピックへの出場権が与えられる。15日はグループA、Bの4試合が行なわれ、グループAのオープニングマッチでは、地元セルビアがポーランドを22-18で下し、幸先のよいスタートを切った。しかし、グループBでは、ドイツがチェコに24-27で敗れ、スウェーデンもマケドニアと26-26で引き分けるという波乱の幕開けとなった。また、16日には注目のフランス対スペイン戦が予定されている。




ラグビー: ハイネケンカップのグループリーグが再開、アイルランド勢が好調

 ラグビー欧州ナンバーワンクラブを決めるハイネケンカップは、ウインターブレーク明けの13〜15日にかけてグループリーグ第5ラウンドが行なわれた。今シーズンはここまで、6プール中3チームが首位に立つアイルランド勢の好調が目に付く。第5ラウンドでも、プール1でマンスターがカストル・オリンピク(フランス)を26-10で下し、全参加チーム中、唯一の全勝を守った一方で、プール4でもアルスターがイングランドの強豪レスター・タイガースを圧倒し、41-7の大差で完勝している。また、昨シーズンの王者レンスターも23-16でグラスゴー・ウォリアーズ(スコットランド)を破り、4勝1分でプール3の首位を守った。
 これとは対照的に、イングランド・プレミアシップ勢の不振は深刻だ。グループラウンドも残り1節となる中、唯一準々決勝進出がほぼ確実なのは、プール6で首位に立つトゥールーズに4勝1敗で並ぶハリクインズのみだ。昨シーズン準優勝のノーザンプトンは、ここまで2勝3敗でかろうじてプール1で2位につけているものの、最終戦で全勝のマンスターと直接対決が残っている。この試合の結果次第では、同じく2勝3敗で並ぶ3位のスカーレッツ(ウェールズ)、4位のカストル・オリンピクにも上回るチャンスがあるだけに、まさに崖っぷちだ。一方、プール4のレスター・タイガースは現在3位ながら、最終戦で全敗のアイロニ(イタリア)に勝てば2位以内を確定できる可能性は十分にある。しかし、プール2のロンドン・アイリッシュ、プール3のバースはすでにグループリーグ敗退が確定している。


女子バレーボール: CLリーグラウンド第5節、栗原恵のD・カザンが全勝

 女子バレーボールの欧州チャンピオンズリーグ(CL)はリーグラウンド第5節が行われ、2010年世界選手権の最優秀選手エカテリーナ・ガモア、全日本の栗原恵を擁するプールCのディナモ・カザンがポーランドのアトム・スポルトを3-0のストレートで下して5連勝を飾り、最終節を待たずに早々とプレーオフ進出を決めた。なお、栗原は交代出場したものの、無得点に終わった。その他、第5節では、RCカンヌ(フランス)、フェネルバフチェ(トルコ)、ベルガモ、ペッサロ(イタリア)などが順当に勝利を収めている。

アゼルバイジャン勢が躍進


<アゼルバイジャンの2チームが大健闘>
ロシア、トルコ、イタリア勢にまじって今大会で台風の目となりそうなのが、アゼルバイジャンのラビタ・バクーとアゼライル・バクーの2チームだ。ラビタは、昨シーズンの大会で初のファイナル4に進出すると、準決勝でもイタリアのペッサロを破って決勝へ進む大躍進を果たした。決勝ではイスタンブール(トルコ)に敗れたものの、今シーズンも引き続き好調を持続しており、プールBではフェネルバフチェ(トルコ)と勝敗で並び2位につけている。また、アゼルバイジャンからは今回がCL初出場となるアゼライル・バクーも、プールCでベルガモを上回る2位につけており、プレーオフ進出を目指し、首位のイスタンブールを追随している。




男子バスケット: CSKAのキリレンコ、NBA開幕後もロシアに残る

ロシアに残ることを決めたキリレンコ

 5ヶ月にもわたるロックアウト(施設封鎖)が解除され、年末にようやく開幕したNBA(全米プロバスケットリーグ)だが、開幕するまで一時的に欧州のクラブと契約していたNBAプレーヤーたちが次々とNBAに復帰する中、ユタ・ジャズから母国のCSKAモスクワに移籍したロシア代表フォワード、アンドレイ・キリレンコは、今シーズン終了まではNBAには戻らず、でCSKAに残留してプレーすることを決めた。
 一方、キリレンコと同じくNBAのニューヨーク・ニックスからCSKA入りしたロシア代表センター、ティモフェイ・モズコフは、ロックアウト終了を受け、契約のオプションに基づきCSKAとの契約を途中解除し、デンバー・ナゲッツと新たに契約を結んでNBAに復帰した。