ヨーロッパニュース一覧

2012-1-31

ヨーロッパ・ニュース Vol.167

2012/01/31


男子ラグビー「シックス・ネイションズ」が4日に開催

 ヨーロッパの強豪6カ国が参加する国際ラグビー大会、ラグビーシックス・ネイションズ2012が4日に開催される。この大会は、以前ファイブ・ネイションズ(5カ国対抗)とも呼ばれており、2000年にイタリアの加入でシックス・ネイションズ(6カ国対抗)となっている。

 イングランド、フランス、アイルランド、スコットランド、ウェールズ、イタリアの6カ国で行なわれる本大会の2000-2011年の総合成績を振り返えると、フランスが5回の優勝を果たしており、昨年の覇者であるイングランドが4回とその後を追っている。また、この12年間の総合成績では、2009年の覇者であるアイルランド(43勝)も勝率ではフランス(44勝)に続いて2位につけており、虎視眈々と2度目の快挙を狙っている。

<フランスの主将ティエリー・デュソトワール、初戦でのイタリアへのリベンジ、そして今大会での優勝への意気込みを語った>

 オープニングゲームはフランスとイタリアの対決となったが、フランスの主将ティエリー・デュソトワールは昨年、イタリアに22-21で喫した敗戦へのリベンジを誓ったうえで、今大会での優勝に期待を寄せた。

 「去年はローマでイタリアに敗戦を喫した。このシックス・ネイションズでは初戦での結果は非常に大切だ。パリでのホームゲームとなるこのイタリア戦に勝利することは、リベンジ以外の多くの大切な意味を持つだろう。われわれフランスは、もちろん優勝を狙うことが最優先だ。そして、チームを構築することも大きな目標に掲げている」

*なお、初戦の組み合わせは以下の通りである。
2月4日土曜日/14時30分/フランス対イタリア
2月4日土曜日/17時/スコットランド対イングランド
2月5日日曜/15時/アイルランド対ウェールズ

男子ハンドボール:ユーロ2012・セルビア大会決勝

 15日に開幕された男子ハンドボールのユーロ2012(欧州選手権)・セルビア大会は、27日に準決勝、29日に決勝戦が行なわれた。長い激戦を制覇したのは、逆境を跳ね返して決勝戦までたどり着き、開催国セルビアを21-19で破ったデンマークとなった。


 メインロード(勝ち点を持ち越しての本大会)では、優勝候補の一角と呼ばれていたスペイン、クロアチアが順調に勝ち残り、開催国セルビアとともに絶好調をキープしてのベスト4進出を決めた。一方のデンマークは、予選での不調もあり、メインロードまで持ち越したポイントはゼロ(0)であった。そのため、デンマークはベスト4進出すら不可能と考えられていたが、連勝の快進撃を続けると準決勝までたどり着いてみせた。


 そのデンマークはスペインとの準決勝を25-24で振り切ると、見事に決勝戦まで駆け上がる。また、開催国のセルビアも準決勝でクロアチアを26-22で撃破、優勝に期待がかかった。


<奇跡の優勝を果たしたデンマーク代表。ベスト4進出すらも不可能と思われた中での劇的優勝となった>

 迎えた決勝戦では、予選で一度セルビアに敗れたデンマークがリベンジを誓い、激しい肉弾戦を展開する。GKランディンの大活躍もあり、デンマークは攻守に大奮闘を見せる。一方のセルビアも、水球欧州選手権による母国の優勝、テニスではラファエル・ナダル(スペイン)を破った母国ノバク・ジョコビッチの快挙に酔いしれる観衆の後押しを受けて爆発する。結局は、不屈の精神で決勝に相応しい激戦を制したデンマークが21-19とセルビアを打ち負かした。なお、デンマークにとっては本大会2度目の制覇の快挙となった。3位決定戦はクロアチアがスペインを31-27で下している。

 また、前回覇者のフランスは、今大会を通して不発に終わりメインロードでの敗退が決定した。2004年以降、オリンピック、世界選手権、欧州選手権などのメジャー大会のベスト4の常連となっていたフランスにとっては不本意な結果に終わっている。



バスケット:ユーロリーグ、ラウンド16情報

 男子バスケットのユーロリーグ、ベスト8進出をかけた「ラウンド16」第2節が各地で行なわれ、各4グループで激戦が続いている。


<米国生まれのマカレブ、切れ味抜群の正確なプレーでレアル・マドリーを破る原動力となった>

 グループEでは、CSKAモスクワ(ロシア)が相変わらず圧倒的な強さを見せつけ2連勝としている。グループFでは、注目の好カード、レアル・マドリー(スペイン)対モンテパッシ・シエナ(イタリア)が行なわれたが、モンテパッシが88-69と手堅く勝利を収めている。なおこの試合では、モンテパッシのゲームメーカー、マカレブが大活躍をみせた。マカレブは正確無比なプレーからチームの原動力となり、優勝候補の一角とも称されるレアル・マドリーをアウエーで倒すことに成功した。

 グループGでは、UNICSカザン(ロシア)がパナシナイコス(ギリシャ)を接戦の末89-83で破り、僅差を制して2連勝とした。グループHでは、バルセロナ(スペイン)が余裕の2勝目を上げており、CSKAモスクワとならんで圧倒的な存在感を示している。




水球ヨーロッパ選手権2012、オランダ大会

  水球ヨーロッパチャンピオンを決める、水球ヨーロッパ選手権2012オランダ大会がアイントホーフェンで行なわれ、大盛況の中で29日に幕を閉じた。

 27日に行なわれた準決勝、第1戦ではイタリアとセルビアが対決した。満員の大観衆が見守る準決勝は、両国とも高いパフォーマンスを見せる好勝負となった。互角の戦いを演じるも、8-6とセルビアリードで後半を迎えると、セルビアが徐々にリードを広げ12-8で決勝進出を決めた。


<会場を埋め尽くした決勝戦の会場、素晴らしい盛り上がりとともに幕を閉じた。>

 もう一方の準決勝、モンテネグロ対ハンガリーの一戦は、マッチ・オブ・ザ・デイにも選ばれる白熱した試合となった。試合の立ち上がりは両者一歩も譲らない戦いをみせるが、徐々にモンテネグロが攻勢に出る。しかしハンガリーも終盤に逆転に成功するが、残り30秒を残したところでモンテネグロが12-12の同点に追いつくドラマを見せる。結局は延長戦を14-13で制したモンテネグロに軍配があがったものの、観衆は大いにハイレベルな水球を楽しむ試合となった。

 そして29日の迎えた決勝戦、セルビアとモンテネグロの対決は残り2分まで8-8の同点という互角の戦いとなった。退場者やイエローカードも出されるなど、盛り上がりを極めたこの決勝戦は、試合終了間際にセルビアが決勝点を決めて9-8と劇的な勝利で幕を閉じた。なお、3位決定戦ではハンガリーがイタリアを12-9で下し、銅メダルに輝いた。



フットサル欧州選手権2012プレビュー

 男子フットサル、ヨーロッパチャンピオンを決める欧州選手権2012が、1月31日よりクロアチアで開催される。予選を勝ち残った12カ国が、4グループに分かれて決勝トーナメント進出をかけて戦う。


<優勝候補スペイン代表の中心選手として10年以上も活躍を続ける“キケ”ことエンリケ・ボネッド選手(33歳)は、今大会でのライバルを「ロシア、ポルトガル、アゼルバイジャン、そしてホスト国のクロアチアだろう」と予想した。>

 グループAは、開催国のクロアチア、チェコ、ルーマニマとなった。このグループでは拮抗した展開が予想されるが、攻撃的なフットサルを目標とするクロアチアが地元の後押しを受けて一歩リードできるかに注目が集まる。

 グループBは、前回覇者のスペイン、ウクライナ、そしてスロベニアの3カ国となった。このグループでは、同大会における4連覇を狙うスペインの有利が予想される。また、豊富な経験と高いクオリティーを備えたウクライナからも目が離せない。

 そしてロシア、イタリアという過去に優勝経験を持つ強豪国が共存するのが、グループCである。今大会でのデビューを果たすトルコにとっては、厳しい試練の2連戦となりそうだ。

 さらに、今大会の「死の組」と呼ばれるのが、ポルトガル、セルビア、アゼルバイジャンという過去の大会でも上位に進出している3カ国からなるグループDだ。また、ポルトガルにとっては2010年大会、決勝戦でスペインに敗れた雪辱を果たすためにも、この厳しいグループDを勝ち上がる必要がある。