ヨーロッパニュース一覧

2012-2-7

ヨーロッパ・ニュース Vol.168

2012/02/07


男子ラグビー「シックス・ネイションズ」情報

 ヨーロッパの強豪6カ国が参加する国際ラグビー大会、ラグビーシックス・ネイションズ2012が4日に開催された。

 オープニングゲームは、過去12年で5回の優勝を誇るフランスとイタリアの対決となった。この試合、ホームで迎え撃つフランスが貫禄の30-12でイタリアを沈め、昨年敗れたリベンジを果たした。しかし、敗戦するも前半は素晴らしい戦いぶりを見せたイタリア代表のブルネル監督は、同代表の進歩に手ごたえを覚えたようである。

<フランスは30-12でイタリアを下し、順調なスタートを切ることに成功した。しかし、イタリア代表も特に前半は健闘が光った。>

 「イタリアは確かに敗れはした。しかし、フランスとの間にはスコアが示すほどの実力差はなかっただろう。ポゼッションでも、前半はイタリアが上回ったし、3、4回の惜しいチャンスもあったからね。イタリア代表は正しい方向に向かっているはずだ」

 また、同日にマレーフィールド(スコットランド)で行なわれた、昨年の覇者イングランドとスコットランドの対決は、試合を通してのトライが1度のみの大接戦となった。この凌ぎを削る一戦は、値千金のトライを決めたC・ホジソンの活躍などで、13-6でイングランドに軍配が上がった。ホームでライバルに惜敗したスコットランド代表のロビンソン監督は、この敗戦を以下のように分析した。

 「われわれは素晴らしいチャンスを作り出した。それでも最後の“決め手”に欠いてしまった。ラストパスなどの成功率が、敗戦の結果につながってしまった。このような試合では紙一重の差で勝敗が決まるものだ。大きな精神的プレッシャーを跳ね返して、よいプレーをしなければ勝利することは難しい」

 そして、5日に行なわれた2009年の覇者アイルランド対ウェールズは、2点差ゲームの接戦を制したウェールズが23-21で勝利を手に入れた。後半、守りに入ったアイルランドにとっては終了間際に逆転を許すという、悔やまれる結果となった。この敗戦にアイルランド代表のキドニー監督はこのようにコメントしている。

 「後半、守りの体制に入ってしまったが、このスポーツでは長い時間守りきることは不可能だ。最後のキックで逆転されたことは、本当に悔やまれる展開となった。守りに入って自分たちにプレッシャーをかけてしまった」

女子サッカー・なでしこ情報

 2日、バルセロナ(スペイン)で行なわれたなでしこリーグのINAC神戸とバルセロナの親善試合は、INAC神戸のMF南山が15分に先制するものの、前半終了間際に同点ゴールを許し1-1のドローに終わった。

<アジア人初のFIFAバロンドール受賞を果たした澤選手、スペイン現地ではバルセロナのメッシと比較されるなど、大きな注目を集めた。>

 しかし、この親善試合よりもさらに注目を集めたのが、先月アジア人初のFIFAバロンドール受賞を果たし、W杯優勝メンバーの日本代表MF澤穂希の存在であった。先週INAC神戸がスペインに到着すると、スペイン中のメディアが彼女に大きな関心を注いだ。2日の試合でこそ前半で退いた澤だが、多くの現地紙などが同選手について報道している。

『世界No1.のサワ・ホマレが所属するINAC神戸、バルセロナと対決。親善試合にも観衆を魅了した。(sport.es)』
『世界1をきわめた日本人“サワ”、女子サッカーのメッシだ。憧れの選手は、男子バルセロナのMFシャビ・エルナンデス。(mundodeportivo.com)』
『女子バルセロナの輝きが、バロンドールのサワの輝きを曇らせる。INAC神戸とバルセロナの親善試合は引き分けに終わる。(marca.com)』



男子バスケット:ユーロリーグ、「ラウンド16」情報


<CSKAモスクワのセンターである、ネイナド・クリスティッチ(セルビア)は31ポイントの大活躍を披露した。>

 男子バスケットのユーロリーグ、ベスト8進出をかけた「ラウンド16」第3節が各地で行なわれた。どの試合も白熱した展開となったが、ほとんどの試合結果が前評判どおりとなった。

 グループEでは、CSKAモスクワ(ロシア)が3連勝を決めると、オリンピアコス(ギリシャ)も勝利を収めた。なお、この試合ではCSKAモスクワのセンターである、ネイナド・クリスティッチが攻守にわたり大奮闘、観衆を大いに魅了した。グループFでは、レアル・マドリー(スペイン)とモンテパッシ・シエナ(イタリア)がそれぞれ余裕を見せて、手堅く勝利を手にした。

 グループGでは、UNICSカザン(ロシア)とパナシナイコス(ギリシャ)が難なく試合をコントロールして勝ち点を伸ばしている。また、グループHでは、バルセロナ(スペイン)が余裕の3連勝として、相変わらずの強さを見せた。




女子ハンドボ-ル・チャンピオンズリーグ、本大会が開幕

 今週末、女子ハンドボールの欧州チャンピオンズリーグ・本大会が幕を開け、各地で4試合が行なわれた。

<メインロード(本大会)では、どの試合も接戦が続いている>


 グループ1、昨年の覇者ラルビック(ノルウェー)はミッドユラン(デンマーク)を敵地ながら、光る堅守と精神力で26-22で下した。後半はミスを抑えて追い上げをみせたミッドユランだが、隙を見せないラルビックには一歩及ばなかった。

 もう一方のジェール(ハンガリー)とイチャコ・ナバーラ(スペイン)の強豪対決は、試合こそ昨年のファイナリストであるイチャコ・ナバーラが積極的にコントロールするものの、ジェールが破壊力抜群の攻撃で28-26と競り勝った。

 グループ2では、オルチム・バルセア(ルーマニア)がクリム(スロベニア)を31-25とアウエーながら圧倒して勝利を収めると、もう1試合のブドゥクノースト(モンテネグロ)とメス(フランス)の対決はブドゥクノーストが29-27で勝利した。なお、メスはホームで予想以上の健闘を見せたが、念願の勝利には至らなかった。



フットサル欧州選手権2012情報

 男子フットサル、ヨーロッパチャンピオンを決める欧州選手権2012が、1月31日よりクロアチアで開催された。12カ国が4グループに分かれてグループステージ2試合ずつを戦い、ベスト8の顔ぶれが出揃った。

 グループAは、接戦ながらも開催国のクロアチアとルーマニマが勝ち残った。攻撃的なフットサルを目標とするクロアチアが、地元の後押しを受けて2連勝とすると、ルーマニアはチェコを3-1で振り切った。


<開催国クロアチアのダリオ選手は攻撃の要の1人である。クロアチアは地元の声援を受けて、ベスト4進出を狙っている。>

 グループBは、優勝候補のスペイン、攻撃力が自慢のウクライナが勝ち残った。豊富な経験と高いクオリティーを備えたウクライナは、格上のスペインにこそ破れたものの、スロベニアを6-3で破りベスト8進出を決めた。

 過去に優勝経験を持つロシア、イタリアのグループCは共に1勝1敗という結果で、ロシアが1位、イタリアが2位で通過している。トルコはイタリアに1-3と善戦を見せたが、敗退が決定した。

 そして、今大会の「死の組」と呼ばれるグループDでは、ポルトガル、セルビアが生き残った。セルビアはアゼルバイジャンを9-8で破り、どうにかベスト8進出を決めた。また、ポルトガルは手堅く2連勝で周囲の期待に応え、注目のイタリア戦へと弾みをつけた。

〈準々決勝の組み合わせは以下の通り〉

1)ルーマニアvsスペイン
2)クロアチアvsウクライナ
3)ロシアvsセルビア
4)イタリアvsポルトガル