ヨーロッパ・ニュース Vol.171
2012/03/13
● 女子サッカー: アルガルベカップはドイツが優勝、なでしこは惜しくも準優勝
ポルトガル南部のリゾート地アルガルベ地方で行われた女子サッカートーナメントは7日にドイツと日本の間で決勝戦が行われ、ドイツがロスタイムの逆転ゴールで4-3と勝利を収め、本大会通算3度目の優勝を果たした。
なでしこジャパンにとってはオリンピックの前哨戦と位置づけられたこの大会、予選ラウンドではノルウェーを3-1、デンマークを2-0で破り、不利が予想されていた第3戦目のアメリカ戦も1-0で制し、勢いに乗っての決勝進出。一方、ロンドンオリンピック出場権を逃したドイツだが、その分、今大会へのモチベーションは高く、予選ラウンドでアイスランド、中国、スウェーデンを撃破して決勝へ駒を進めた。
試合は、いきなりドイツが2連続得点で優位に立つが、なでしこも川澄のゴールで反撃すると、後半には田中が決めて2-2の同点に追いつく。ドイツは終盤、大会得点王に輝いたいエムバビのゴールで再び突き放すが、粘るなでしこもロスタイム寸前に永里が執念で決め、試合は延長戦に持ち込まれるかに思われた。だが92分、エムバビがこの日ハットトリックとなる3点目を叩き込み、万事休す。善戦むなしく、なでしこは2位に終わった。とはいえ、若手を試すなど調整を兼ねた今大会で、アメリカを破り、過去最高の成績となる準優勝を果たしたことで、佐々木監督もオリンピックに向けて手応えを感じたようだ。
なお、3位決定戦ではアメリカがスウェーデンを4-0で下している。
2012年アルガルベカップ最終順位
1.ドイツ 2.日本 3.アメリカ 4.スウェーデン 5.デンマーク 6.アイスランド 7.ノルウェー 8.ウェールズ 9.中国 10.ポルトガル 11.アイルランド 12.ハンガリー
● ラグビー: 6カ国対抗戦、イングランドがフランスとの直接対決を制し優勝に望み
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ラグビーの欧州6カ国対抗戦(シックスネイションズ)は、11日に注目のフランス対イングランド戦が行われ、イングランドが24-22の僅差でフランスを振り切り、最終節での逆転優勝へ望みを残した。ここまで無敗のウェールズが前日イタリアに24-3で快勝し4連勝としたため、敗れれば優勝の可能性は消滅する状況にあったイングランドだったが、敵地エスタッド・ド・フランスで昨年のW杯で苦杯を舐めたフランス相手に意地を見せた。最終節では、2008年以来のグランドスラムでの優勝を狙うウェールズの前にフランスが立ちはだかる。一方、イングランドも強豪アイルランド戦を控えており、優勝の行方は最後までわからなくなった。ウェールズがフランスに勝てば5連勝で文句なしの優勝となるが、敗れた場合でも、イングランドは得失点差で水を開けられているため(得失点差:ウェールズ44、イングランド6)、大差でアイルランドを下さなければ優勝はない。イングランドにとっては厳しい状況ではあるが、最終戦で奇跡は起きるだろうか。
● ハンドボール: スペイン国王杯はアトレティコがバルセロナを破り優勝
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ハンドボールのスペイン国王杯は11日に決勝戦が行われ、アトレティコ・マドリー(旧シウダー・レアル)が宿敵バルセロナを37-31で破り、アトレティコ・マドリーとしては、25年ぶり(シウダー・レアルとしては2年連続優勝)の優勝を果たした。
財政難により、欧州の名門シウダー・レアルは今季からアトレティコ・マドリーの傘下に入ることになったが、その強さにはいささかの陰りもないようだ。国内リーグ戦ASOBALでは現在、バルセロナと2ポイント差の2位につけており、熾烈な優勝争いの最中にある。また、欧州チャンピオンズリーグでも順当にベスト16に勝ち上がっている。アトレティコとして生まれ変わった欧州の名門の今後の戦いぶりに注目したい。
● 女子サッカー: 欧州チャンピオンズリーグ準々決勝はじまる、日本人選手も3人
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女子サッカーの欧州クラブナンバーワンを決めるUEFAウイメンズ・チャンピオンズリーグ(女子CL)の準々決勝がホーム&アウエーで行われる。ベスト8に勝ち上がっているのは、アーセナル(イングランド)、ゴテボーグ(スウェーデン)、ポツダム(ドイツ)、ロシヤンカ(ロシア)、リヨン(フランス)、ブロンビィ(デンマーク)、マルメ(スウェーデン)、フランクフルト(ドイツ)の8チーム。中でも、過去2年連続で決勝を戦ったポツダム、リヨンの2チームは今季も優勝最有力候補と言われる。
ポツダムには、2010-11シーズンの同大会で9ゴールを挙げ、得点ランキング2位になったなでしこジャパンのFW永里優季が所属しているほか、女子CL初出場となるフランクフルトにはなでしこジャパンのCB熊谷紗希、そして先月リヨンに加入したばかりの大型FW大滝麻未が所属しているが、U-19日本代表で昨年のユニバーシアードで8ゴールを挙げる活躍を見せた大滝は、今大会の活躍次第ではこの夏のロンドン・オリンピックメンバーに選ばれる可能性もある逸材だけに楽しみだ。本大会での3人の日本人選手の活躍に期待したい。
<女子CL準々決勝組み合わせ>
第1戦 第2戦
アーセナル vs ゴテボーグ 3/14 3/21
ポツダム vs ロシヤンカ 3/14 3/22
リヨン vs ブロンビー 3/14 3/21
マルメ vs フランクフルト 3/15 3/21