ヨーロッパ・ニュース Vol.172
2012/03/20
● 男子バレーボール欧州CL: ゼニト・カザンが欧州王者に
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男子バレーボールのCEV欧州チャンピオンズリーグは、18日にポーランドのウッチでファイナル4の決勝戦が行われ、ロシアのゼニト・カザンが地元のスクゥラ・ベルハトゥフをフルセット(25-15、16-25、22-25、26-24、17-15)の末下して、4年ぶり(※4年前はディナモ・カザン)2度目の優勝を決めた。
昨年の決勝戦ではイタリアのトレンティーノに敗れ涙をのんだゼニトだが、2年連続のファイナルで4年ぶりにイタリア勢の牙城を崩した。一方、3位に終わった2年前のファイナル4以来の地元開催で決勝に進出し、パビリオンに13000人の熱狂的なサポーターを集めたベルハトゥフだったが、大声援もかなわず僅差で敗れ、念願の欧州CL初優勝はお預けとなった。
なお、3位決定戦では、昨年の王者トレンティーノがトルコのイズミールを3-0のストレートで退けた。
<CEV欧州CLファイナル4(男子)結果>
3/17 準決勝
PGEスクラ・ベルハトゥフ(ポーランド) 3-0 アルカス・イズミール(トルコ)
トレンティーノ・プラネットウイン365(イタリア) 1-3 ゼニト・カザン(ロシア)
3/18
決勝 PGEスクラ・ベルハトゥフ 2-3 ゼニト・カザン
3位決定戦 アルカス・イズミール 0-3 トレンティーノ
● ラグビー6カ国対抗戦: ウェールズがグランドスラムで優勝
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ラグビーの6カ国対抗戦(シックス・ネイションズ)は17日に最終節が行われ、ウェールズがフランスを16-9で破り、全勝のグランドスラムで優勝を決めた。一方、1敗のまま最終節での逆転優勝にわずかな望みを託したイングランドは、アイルランドに30-9で大勝したが、及ばなかった。
<2012年6カ国対抗戦最終順位>
1.ウェールズ(5勝) 2.イングランド(4勝1敗) 3.アイルランド(2勝2敗1分) 4.フランス(2勝2敗2分) 5.イタリア(1勝4敗) 6.スコットランド(5敗)
● 女子サッカー欧州CL: ポツダム、リヨンらが準々決勝第1戦を先勝
女子サッカーの欧州チャンピオンズリーグは、14日と15日に準々決勝の第1戦が行われ、アーセナル、ポツダム、リヨン、マルメが先勝した。
永里優季が所属するポツダム(ドイツ)は、ホームでロシヤンカ(ロシア)を2-0で下し、第2戦に向けてはずみをつけた。この試合で先発した永里は、90分に交代するまで出場し、ゴールこそならなかったもののチームの勝利に貢献した。一方、熊谷沙季が所属するフランクフルト(ドイツ)は、アウエーでのマルメ(スウェーデン)との初戦を0-1で落としたが、熊谷はフル出場を果たした。また、新たに大滝麻未が加入したディフェンディングチャンピンのリヨン(フランス)は、ブロンビィ(デンマーク)に4-0で快勝したが、大滝はベンチ入りしなかった。第2戦は21、22日にかけて行われる
<女子サッカー欧州CL準々決勝第1戦結果>
3/14 アーセナル(イングランド) 3-1 ゴーテボリ(スウェーデン)
3/14 ポツダム(ドイツ) 2-0 ロシヤンカ(ロシア)
3/14 リヨン(ヅランス) 4-0 ブロンビー(デンマーク)
3/15 マルメ(スウェーデン) 1-0 フランクフルト(ドイツ)
● 男子ハンドボール欧州CLラウンド16: バルセロナ、ハンブルクが初戦を落とす
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男子ハンドボールのEHF欧州チャンピオンズリーグは先週、ラウンド16の第1戦8試合が行われ、フランス代表のカラバティッチを擁するモンペリエ(フランス)が、ホームで優勝候補のバルセロナ(スペイン)を30-28で下し、アウエーでの第2戦を前に優位に立った。また、ドイツ勢同士の対戦となったベルリン対ハンブルクは、ホームのベルリンが32-30で先勝した。
その他の強豪勢では、ドイツのTHWキール、スペインのアトレティコ・マドリーが順当に初戦をものにしたが、ハンガリーのべスプレムはスペインのレオンに28-31で敗れている。今週行われる第2戦の結果、ベスト8が出そろう。
● 男子ホッケー: ロンドン五輪世界最終予選アイルランド大会は韓国が優勝
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ロンドン・オリンピックの出場権をかけ、10日から始まった男子ホッケー世界最終予選アイルランド大会は18日に決勝戦が行われ、韓国が地元アイルランドを3-2で下して優勝し、11番目のオリンピック出場権を獲得した。なお、残る1枠は5月に各務原で行われる日本大会(日本、南アフリカ、中国、オーストリア、チェコ、キューバ)で決定する。
● サッカー: イングランドで試合中に心臓発作のムアンバ、危険な状態続く
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17日に行われたイングランドFAカップのトッテナム対ボルトンの試合中、ボルトンのMFファブリス・ムアンバ選手(23)が心臓発作に襲われ、突然倒れた。すぐに救急班がピッチにかけつけたが、同選手はすでに心肺停止状態に陥っており、約10分間の緊急蘇生措置の後、ロンドン市内の病院に搬送された。その 2時間後、同選手の心臓は再び動き始めたものの、きわめて危険な状態だったという。これを受けて主審は試合をそのまま中断することを決め、ノーゲームとなった。翌日の試合では、多くのサッカー選手やクラブが同選手の回復を祈るメッセージを送る中、所属クラブのボルトンは19日にムアンバ選手の容態について声明を発表。これによると、同選手の心臓の状態は安定しているものの、依然として予断を許さない状況が続いており、引き続き集中治療室でのケアを受けているという。
一方、日本代表FW宮市亮をはじめとするボルトンのチームメート、スタッフ、チーム関係者は、この出来事に激しいショックを受けており、クラブはプレミアリーグに対し、20日に予定されているアストン・ビラとの試合の延期を申請。プレミアリーグはこれを了承した。同選手の容態次第では、ボルトンのその後の試合も延期される可能性があるという。
ムアンバ選手は旧ザイール(現コンゴ)出身だが、11歳の時に内戦から逃れてロンドンに移住して以来イングランドでプレーを続け、同国のU-21代表にも選ばれた将来有望の若手選手。
サッカー界では、2003年にカメルーン人選手のフォエ、2004年にはハンガリー人選手フェヘル、2007年にはスペイン人選手のプエルタが、同じくプレー中に心臓発作により命を落としているが、競技中の心肺停止の原因のほとんどは「心室細動(※心臓の心室が小刻みに震えて全身に決意液を送ることができない状態)」という不静脈によるものだという。