ヨーロッパニュース一覧

2012-11-6

ヨーロッパ・ニュース Vol.189

2012/11/06


フットサル: W杯で日本が欧州の強豪ポルトガル相手に大健闘のドロー

 タイで行われているフットサルのワールドカップのグループステージで、アジアのチームが欧州の強豪を相次いで追い詰めるサプライズがあった。
 まず、2日に行われたグループBの開幕戦でイランが優勝候補のスペイン相手に2-2のドローを演じると、4日に行われた日本対ポルトガル戦でも、1-4とリードされながらも日本が後半に怒涛の追い上げを見せ、最後は5-5の引き分けに持ち込んで、貴重な勝ち点1を手にした。
 日本は今年から名古屋オーシャンズに復帰したポルトガルのスター、リカルジーニョに2ゴールを許すなど序盤は0-3の劣勢にたたされたが、その後に盛岡と星のゴールで2点を返し2-5で前半を終える。後半に入ると日本はGKの代わりにフィールドプレーヤーを投入し、5人全員によるパワープレーで相手陣内に攻め込む。すると、この作戦が見事に奏功し、32分からの3分間に北原、盛岡、逸見が一気に3点を奪って5-5の同点に追いつくと、最後は勝ち点を守るためにボールキープに終始し、そのまま引き分けた。これまでW杯ではグループステージを突破したことがない日本だが、欧州の強豪相手にボールポゼッションで上回る(56%)戦いを見せ、堂々の勝ち点1を獲得。日本は現在、ブラジル、ポルトガルに次ぐグループ3位につけているが、最終戦のリビア戦に勝てば、2位もしくは3位(グループ3位のうち上位4チーム)でセカンドステージに進出できる可能を残している。
 その他のグループでは、イタリア、アルゼンチン、ロシアらが順調に白星スタートを切っている。

女子サッカー:女子CLベスト16ラウンド、大儀見ゴールもポツダムが初戦落とす

<リヨンは貫禄の勝利>

 UEFA女子チャンピオンズリーグは、10月31日と11月1日にホーム&アウエーによるベスト16ラウンドの初戦が行われ、昨季王者のリヨンがアウエーでロシアのゾルキーを9-0と大差で粉砕し、ホームでの第2戦を待たずにベスト16入りをほぼ確実にした。この試合、リヨンの大滝麻美は66分に交代出場すると、81分にチーム8点目となるゴールを決めた。
 一方、注目の一戦となったアーセナル(イングランド)対ポツダム(ドイツ)の一戦は、ホームのアーセナルが2-1で先勝した。今季、ポツダムでキャプテンを任されているなでしこジャパンの大儀見優季はこの試合でも先発出場を果たすと、2-0でリードされた後半89分に第2戦につながる貴重なゴールを決め、一矢を報いた。



女子サッカー: ノルウェー代表、ユーロを前にエリ・ランセム監督の退任を発表

 ノルウェーサッカー協会は、今年が契約更新年だったエリ・ランセム監督との契約を更新しないことを発表した。2009年の女子ユーロ準決勝から同国初の女性監督として指揮をとってきたランセム前監督は、来年の女子ワールドカップ・スウェーデン大会への出場権は獲得したものの、2011年の女子ワールドカップではグループリーグで敗退、今年のロンドンオリンピックは欧州予選で敗れて出場できず、十分な結果を残すことができなかった。退任にあたりランセム前監督は、協会からのサポートが十分ではなかったと苦言を呈している。なお、同代表の後任にはニール・ヨハン・セム監督が就任する。

男子ハンド: 八百長疑惑のカラバティッチがフランス代表で公式戦に復帰

 フランスリーグでの八百長に関与したとの疑惑により、9月30日以来、所属チームのモンペリエでは公式戦に出場していないニコラ・カラバティッチが、ユーロ(欧州選手権)2014の予選ラウンド、フランス対トルコ戦に出場した。
 この試合で4ゴールを決めてチームの勝利に貢献したカラバティッチだが、モンペリエでの試合復帰の予定はまだ決まっていない。ハンドボールの世界的スターであるカラバティッチの今後の動向をめぐっては、バルセロナが獲得を狙っているなど、さまざまな噂が流れている。

ラグビー: 欧州3大リーグ結果

 ラグビーのイングランド・AVIVAプレミアシップは先週末に第8節が行われ、ハリクインズが4位のグロスターを28-25の僅差で破り、通算成績を6勝2敗として首位をキープした。また、2位のサラセンズもロンドン・ワスプスを29-24で退けている。一方、4位ノーサンプトン対5位レスターの一戦は、レスターがノーサンプトンを16-12で下した。今節は4位につけていたグロスターも敗れたため、この結果、レスターが一気に3位まで順位を上げた。
 一方、同じく先週末に行われたセルティックリーグ(ラボ・ダイレクト・プロ12)では、アルスター(アイルランド)がエジンバラ(スコットランド)を寄せ付けず45-20で圧勝し1試合少ないながら7連勝で首位を独走するとともに、2位のスカーレッツ(ウェールズ)、3位のグラスゴー・ウォリアーズ(スコットランド)も揃って勝利を収め、上位陣に変動はなかった。また、フランスのトップ14でも首位のトゥーロン、2位のクレモン、3位のトゥルーズが順当に勝利を収めている。



女子バレー: 欧州CL第2節、木村のワクフバンクは2連勝

 バレーボールのチャンピオンズリーグは、男女ともに第2節が行われ、女子のプールAでは全日本のエース木村沙織を擁するワクフバンク(トルコ)がエカテリングブルク(ロシア)に苦戦したものの3-1で勝ち、グループリーグ2連勝を飾った。第1セットを25-23でとったワクフバンクは、第2セットを22-25で落としタイに持ち込まれたものの、セルビア人エース、ブラコチェビッチの活躍などで続く第3セットを26-24で競り勝つと、勢いに乗って第4セットも25-13で連取して接戦を制した。木村は第1、第2セットに出場し6ポイントを挙げたが、その後はベンチに退いた。

女子のイタリア勢が揃って敗戦
女子CL第2節ではイタリア勢3チームが揃って敗れる波乱があった。プールBでヴィッラ・コルテッサがラビタ・バクー(アゼルバイジャン)に1-3で敗れたのをはじめ、ピールCではブスト・アルジッシオがガラタサライ(トルコ)に1ー2で、グループEでもロブール・ウルビーノがディナモ・カザン(ロシア)にストレート負けを喫した。

女子サッカー: FIFA女子バロンドール(年間最優秀選手)候補に日本から3選手

 昨年、澤穂稀が受賞したFIFAバロンドール(年間最優秀選手)女子部門の今年の候補選手10人が発表され、ロンドンオリンピックで銀メダルを獲得した日本からは、2年連続でのノミネートとなる澤のほか、MF宮間あや、GK福元美穂の3選手が選ばれた。なお、オリンピック金メダルのアメリカからは、ワンバック、モーガンら4選手が選出されている。男女のバロンドール、最優秀監督は今月29日に最終候補3人まで絞られ、2013年1月7日に受賞者が発表される。

<FIFA女子バロンドール候補選手>
カミーユ・アビリー(フランス)、福元美穂(日本)、カルリ・ロイド(アメリカ)、マルタ(ブラジル)、宮間あや(日本)、アレックス・モーガン(アメリカ)、メガン・ラピノー(アメリカ)、澤穂希(日本)、クリスティン・シンクレア(カナダ)、アビー・ワンバック(アメリカ)