ヨーロッパニュース一覧

2012-12-11

ヨーロッパ・ニュース Vol.194

2012/12/11


バスケット:ユーロリーグ情報

<セルビア代表PTミロシュ・テオドシッチ、11アシストでCSKAの攻撃を引っ張った。最終節バルセロナ戦での首位攻防戦にも期待がかかる>

 男子バスケットは今週末にユーロリーグ第9節が各地で行なわれ、最終節までいよいよ残り1節となった。

 まずグループAでは、レアル・マドリー(スペイン)がイタリアのカントゥに70―76で敗れる波乱が起こった。そしてグループBでは、マッカビ・テルアビブ(イスラエル)がポーランドのグディニャを相手に89-73で貫禄の勝利を見せると、ウニカハ・マラガ(スペイン)もアルバ・ベルリン(ドイツ)を相手に74―63で勝利して順調に勝ち点を積み重ねた。

 グループCでは、先週首位のジャルギリス(リトアニア)に追いついたオリンピアコス(ギリシャ)が、ザグレブ(クロアチア)を84-62で寄せつけずに勢いを増している。最後のグループDでは、依然として波乱が起こらない状況が続いている。CSKAモスクワ(ロシア)が、3位で後を追うベシクタス(トルコ)をファイナルクオーターまで接戦となりながら87―72で振り払った。そして同グループ首位を走るバルセロナ(スペイン)は、セルビアの難敵パルチザン・ベオグラードをアウエーながら68―67で倒した。これまで数多くの強豪を沈めたパルチザンの本拠地、ピオニール・アリーナは熱狂に包まれたものの、スペインの屈指の強豪を食い止めるには至らなかった。




フットサル:スペインリーグ第8節情報


<2得点のラファエル選手(右)「先週の敗戦もあって、この難敵を倒せて本当に幸せな気分だ。まだリーグは先が長いので、ここからも毎日練習を頑張りたい」>

 スペイン・フットサルリーグは今週末に各地で第8節が行なわれ、“エル・クラシコ”(伝統の一戦)を含む注目の試合が繰り広げられた。最も注目を集めたのは、世界を代表する2大クラブ、エル・ポソ対インテル・モビスターの対決だ。ホームの大歓声を受けるモビスターは、バテリア、ラファエルが2得点ずつ決める活躍を見せると6―1で宿敵を下した。

 この結果、エル・ポソとモビスターが勝ち点19で並び2位、3位につけている。一方、バルセロナがプエルトジャノをアウエーながら12―0で粉砕したため、7勝1分けで勝ち点を22まで伸ばし首位を守った。

 また上位を狙うサンティアゴ・フットサルは、5位につけていたトリマン・ナバラと敵地で対決、最後まで好勝負を演じたものの敗戦に終わった。この試合、ホームのナバラはカルリートスらの活躍で5―3で勝利、勝ち点を17に伸ばし上位争いに名乗りを挙げた。



ハンドボール:女子欧州選手権


<ドイツの18番ローラ・ステンバッハ選手は9得点の大活躍で、ロシアとの引き分けの一戦に大きく貢献した>

 女子ハンドボールはセルビアで欧州選手権のメインラウンドが行なわれ、好勝負に多くの観客が酔いしれた。

グループ2、注目のスペイン対ルーマニアの1戦は、スペインがフェルナンデス、イバニェスらを中心に攻撃勝負にでる。しかしルーマニアは、ネアグ、クレアがパワー溢れるダイナミックな攻撃からそれぞれ7得点の大活躍を見せ、31―26でスペインを下した。

またハンガリー対モンテネグロの強豪対決では、モンテネグロのラディチェビチが9得点で攻撃陣を引っ張り、粘るハンガリーを28―26で振り切った。そして同グループ2、もう1つの目玉カードとなったロシア対ドイツの1戦は、ロシアの守備陣の隙を突いたドイツが前半こそ有利に試合を進めたが、後半に猛攻を見せたロシアが追いつき26―26のドローに終わっている。

バレーボール:2013年・世界選手権U-23情報

 世界バレーボール連盟(FIVB)は12月5日、翌年に予定される世界選手権U-23の開催地が、男女それぞれブラジル、メキシコに正式決定したことを発表した。

 男子のブラジル大会は来年の8月2日から11日まで行なわれ、また女子のメキシコ大会は7月12日から21日まで開催される予定となっている。男女各大会とも12カ国ずつが参加する予定で、各大陸より2カ国ずつ、またFIVBランキングの上位国およびホスト国も参加する権利を得る。



バレーボール:2016年ブラジル五輪情報

 国際バレーボール連盟(FIVB)は12月4日、男女各12チームが出場する予定となっている2016年ブラジル・リオデジャネイロ五輪の予選(チーム資格)に関する変更を発表した。

 発表によれば、開催国のブラジルがホスト国として予選免除。さらに2015年夏に開催されるワールドカップの上位2カ国にも出場権利が与えられる。また5大陸で行なわれる予選1位も同五輪に参加する資格を得るためこれで合計8カ国となる。残りの4カ国についてだが、2016年に行なわれる五輪最終予選により残り枠が決定することになる。



フットサル:女子ワールドカップ特集


<同大会3連覇を果たしたブラジルだが、やはりその個人技術の高さ、シュート力の強さは世界1だ>

 女子フットサルの世界選手権(W杯)がポルトガルの北部オリベイラ・デ・アゼメイスで開催され、12月9日に決勝戦および順位決定戦が行なわれた。その結果、ブラジル代表が男子W杯のタイ大会に続いて、同競技のアベック優勝を飾った。

 優勝候補の1角であったスペインは、準決勝で地元ポルトガルと対戦、前半はスペインが試合を支配したものの、後半にポルトガルが攻勢にでるとスコアレスのまま延長戦に突入した。PK戦となった同カードは、地元の大声援を受けたポルトガルが3―1で制して決勝に駒を進めた。

 ポルトガル対ブラジルとなった決勝戦では、今大会でも抜群の強さを見せたブラジルがホスト国をねじ伏せて3―0と完勝、同大会3連覇を果たした。そのブラジルは素早いボール回しから、鮮やかな個人技、強烈なシュートで会場を大いに沸かせてみせた。

 そして気になる日本代表だが、予選リーグでポルトガル、イラン、ブラジルと対戦して1勝2敗(イラン戦に2―1で勝利)とすると、9日午前に行なわれた5位決定戦・ウクライナ戦に回った。午前11時のキックオフとなった同ウクライナ戦では、前半から細かいパス回しで得点を狙う日本と、しっかりと整備した守備、鋭い攻撃を見せるウクライナの好勝負となった。我慢の時間帯が続いたものの、試合は最後まで安定した戦いを見せたウクライナが4―0で日本代表に貫禄を見せて勝利、日本代表は6位に終わった。

 日本代表は献身的な動きから積極的にチャンスを作りだそうとするフットサルを体現してみせたが、シュートやゴール前での精度と迫力が課題となった。また来年以降に開催される大会に向けて、更なる躍進に期待したい。

*5位決定戦のウクライナ戦、試合前のアップから非常に高いモチベーションでこの試合に臨んだ日本代表だったが、ライバルの安定した守備陣を破るには至らなかった。また在原代表監督が振り返ったように、日本の攻撃はウクライナの手堅い守備を崩すことができず、またフィニシュの迫力にも欠けた。今後は決定力と攻守の切り替えの精度が課題となりそうだ。

*大会全体を通して、日本代表は試合前のアップから素晴らしい態度で試合に臨んだ。またポルトガル、ブラジルなど世界レベルの強敵との対戦で大きく成長できたはずだ。9日のウクライナ戦後には、敗戦の悔しさが残る中ダッシュを繰り返す日本の選手の姿なども印象に残った。またスペインで活躍する中嶋選手も大会中その存在感を放っていた。