ヨーロッパニュース一覧

2013-1-15

ヨーロッパ・ニュース Vol.196

2013/01/15


男子ハンドボール: 世界選手権スペイン大会が開幕、フランス3連覇なるか

 スペイン6都市で行われる男子ハンドボールの世界選手権が11日に開幕した。この日のオープニングマッチでは、地元スペインがアルジェリアに27-14で快勝し、幸先良いスタートを切った。
 注目は同大会での3連覇がかかるフランスだ。昨年夏のロンドン五輪でも金メダルに輝いたフランスが今大会でも頂点に立つのか、その戦いぶりに期待が集まる。一方、世界王者への返り咲きを狙うドイツ、地元スペイン、クロアチア、デンマークといっいた欧州勢が優勝を狙える位置にいる。


<ドイツが痛い敗戦>

<サプライズ>

 大会序盤の最大のサプライズは、13日に行われたグループA2の2試合目でドイツがチュニジアに敗れた一戦だ。この試合、両チームとも序盤から互角の戦いを繰り広げるが、終盤、ドイツはチュニジアの鉄壁のディフェンスを崩せず、後半残り6分半でわずか2ゴールしかあげられず、逆にリードを広げられて23-25で敗れた。アフリカ代表のチュニジアにとっては、世界大会で欧州の強豪を倒した歴史的な1日となった。また、グループBの1戦目でも、ロンドン五輪出場を逃したロシアが強豪アイスランド相手に30-25で勝利するサプライズがあった。ロシアは続く第2試合ではデンマークに27-31で敗れたものの、かつての古豪が今大会の台風の目になるかもしれない。一方、同じグループに入った南米勢のブラジルとアルゼンチンの対戦は、競り合いの末、24-20のスコアでブラジルに軍配が上がった。

<アジア勢>

 今大会にはアジアからカタール、韓国、サウジアラビアの3か国が参加している。次回大会の開催国でもあるカタールはグループAに入り、1試合目でデンマークに27-41と格の違いを見せつけられると、続く2試合目もマケドニア相手に31-34で敗れて2連敗となった。一方、韓国とサウジアラビアはともにグループBに入り、韓国がセルビアに(22-31)、サウジアラビアもスロベニアに(22-32)と完敗し、黒星スタートとなった。

 また、世界選手権開催に合わせてスペイン遠征を行った日本代表は、大会前の調整試合としてマドリードで行われたミニトーナメントに参加した。初戦のスペイン戦では12-40と全く歯が立たなかったも、2戦目のチリ戦では敗れはしたものの、29-30と僅差の接戦を演じた。



八百長関与疑惑のフランス代表カラバティッチも出場

<注目を集めるカラバティッチ>

 世界選手権3連覇を目指すフランス代表だが、チームの戦い以外にも大きな関心を集めていることがある。
 それは、昨シーズンのフランスリーグで複数の逮捕者を出したモンペリエをめぐる八百長事件で容疑者のひとりとして逮捕されたニコラ・カラバティッチが、代表メンバーの一員として出場するからだ。カラバティッチと同時に逮捕・拘束された他のチームメートや親族らが次々と容疑を認める一方で、カラバティッチはかたくなにこの事件への関与を否認。同選手に対する最終的な司法判断はまだ出ていないが、この一件でクラブのイメージを汚されたとして、モンペリエは今シーズン、カラバティッチをチームから隔離している。その一方、カラバティッチはフランス代表として、世界選手権の欧州予選、その後の親善試合と招集され続け、今大会にも当然のように出場することになった。「この大会が新たなスタート」と完全復活への決意を語るカラバティッチだが、クラブチームでのブランクと精神的なショックから完全に立ち直ったとは言えず、本調子とはいえない。
 2006年以来、欧州選手権、オリンピック、世界選手権など6つのタイトルを獲得し、2007年には世界最優秀選手にも選ばれたハンドボール界のスターは、この大会で活躍し、自身についたダーティなイメージを払しょくすることができるだろうか。



男子バスケット: ユーロリーグ、トップ16ラウンドが再開

 男子バスケットボールの欧州トップクラブによる大会ユーロリーグがウインターブレークを終えて再開し、1月10日と11日にトップ16ラウンドの第3節が行われた。グループEではCSKAモスクワ(ロシア)、レアル・マドリード(スペイン)が勝ち、ともに無傷の3連勝を飾ったほか、グループFではカハ・ラボラル(スペイン)、モンテパッシ・シエナ(イタリア)が同じく3連勝で首位を争っている。

アイスホッケー: NHLのロックアウトが終了、欧州リーグからも選手が復帰

 1月6日未明、NHLのオーナーと選手間の労使交渉がまとまり、開幕から110日以上にも及ぶNHLのロックアウト(※オーナーサイドが所属選手を施設、練習場から締め出す行為)がようやく解除されることになった。昨年10月に開幕する予定だった今季のNHLだが、このロックアウトの影響で延べ600試合がキャンセルされている。だがその間、すべての選手たちが家にこもっていたわけではない。多くの選手はアメリカのマイナーリーグ(アメリカン・ホッケー・リーグ)や、海を渡ってヨーロッパのKHL(コンチネンタル・ホッケー・リーグ)にプレーの場を求めた。欧州では、ロシア、ポーランド、スイス、フィンランド、スウェーデン、チェコ、デンマーク、ノルウェー、イングランド、オーストリア、ドイツ、イタリア、オランダといった国々が、こうしたNHLの現役スタープレーヤーを受け入れ、自国のリーグ戦に出場することを歓迎した。とはいえ、リンクのサイズやルール、練習方法の違いや環境、言語、習慣、チームメートになじめず本来の力を発揮できない選手もおり、全ての選手が必ずしも期待通りの活躍を披露できたわけではなかったが。
 こうした中、今季のNHLが通常82試合のところを48試合に短縮され、1月19日に開幕することが急きょ決まったため、他リーグに“出向”していたNHL選手たちが早急にチームに呼び戻され、彼らの欧州での挑戦はわずか3か月で幕を閉じることになった。アメリカでは、今回のロックアウトの影響で、全米4大プロスポーツのひとつに数えられるNHLの人気に陰りが出る恐れがあるとの懸念も出ている。



ラグビー:ハイネケンカップ再開、ハリクインズがベスト8へ一番乗り

 ラグビーのハイネケンカップは、1月11〜13日にかけてグループラウンドの第5節が行われ、プール3のハリクインズ(イングランド)、プール5のクレモン(フランス)、プール6のトゥーロン(フランス)がいずれも勝利し、開幕からの5連勝を果たした。
 コナート(アイルランド)を47-8の大差で圧倒したハリクインズは、この勝利により勝ち点を24ポイントに伸ばし、プール2位のビアリッツ(フランス)に10ポイントの差をつけて早々と首位を確定し、ベスト8進出一番乗りを決めた。