ヨーロッパニュース一覧

2013-3-19

ヨーロッパ・ニュース Vol.204

2013/03/19


ラグビー: シックスネーションズ最終戦でウェールズが逆転優勝

<逆転優勝を喜ぶウェールズの選手たち>

 ラグビーのシックスネーションズ(6か国対抗戦)は最終節が行われ、16日にはミレニアムスタジアムで、ここまで全勝でグランドスラムを狙うイングランドと、それを阻止して逆転優勝を狙う1敗のウェールズとの間で直接対決が行われた。強豪同士の一戦で好試合が期待されたものの、試合は予想外の一方的な展開となり、地元のウェールズが30-3の大差でイングランドに大勝した。この結果、両者はともに4勝1敗で並んだが、ゴール差で上回るウェールズの逆転優勝が決まった。ウェールズは昨年の同大会をグランドスラムで制しており、大会2連覇を果たした。ウェールズラグビーの108年の歴史でイングランドに25点差以上のスコアで勝利したのは、1905年に25-0で勝利して以来2度目。
 前半は両者とも守りを固め、互いになかなか攻撃の糸口がつかめない。しかし、ウェールズは10分に最初のPGを決め先制すると、その後も2本のPGで9-0とイングランドをリードする。20分にイングランドもようやく1PGを返すが、前半はそのまま9-3で折り返す。後半に入ってすぐもPGで追加点を挙げたウェールズは56分、ライトウィングのアレックス・カスバートが35mを疾走して初トライを挙げると、その10分後にもカスバートが再びトライを決め、27-3として完全に勝負を決めた。最終戦に全勝優勝をかけたイングランドだったが、結局1トライも奪えずに惨敗し、グランドスラムだけでなく優勝も逃した。一方、ここまでの4戦で勝ち星なしとかつてない不振に見舞われたフランスは、最終戦で意地を見せてスコットランドに23-16で初勝利を手に入れたものの、最下位という屈辱の順位で大会を終えた。また、今大会での健闘が光るイタリアはアイルランドを22-15で下す金星で2勝目を挙げ、4位に入った。今年3月の時点で世界ランキング12位のイタリアだが(※日本は15位)、2015年のラグビーW杯イングランド大会に向け着実にレベルアップしているようだ。

<シックスネーションズ最終順位>

1.ウェールズ(4勝1敗) 2.イングランド(4勝1敗) 3.スコットランド(2勝3敗) 4.イタリア(2勝3敗) 5.アイルランド(1勝1敗1分) 6.フランス(1勝1敗1分)



男子バレー: ロコモティフ・ノヴォシビルスクがCL初制覇

<「シベリア特急」の愛称を持つロコモティフ>

 男子バレーボールのCEV欧州チャンピオンズリーグ(CL)はロシアのオムスクでファイナル4ラウンドが行われた。17日に行われた決勝戦では、開催地区枠で出場したロコモティフ・ノヴォシビルスク(ロシア)がセリエAのブレ・バンカ・クエノ(イタリア)と2時間に及ぶフルセットの死闘を演じた末に勝利し、同大会初優勝を飾った。前日の準決勝では昨年のCL王者ゼニト・カザン(ロシア)を同じくフルセットで退け勢いに乗るロコモティフは第1セットを22-25で落としたものの、第2、第3セットを26-24、25-23で奪い、優勝にリーチをかける。しかし、ブレ・バンカ・クエノが25-20で第4セットを奪い、勝負はタイブレークに持ち込まれる。だが、イタリアから応援にかけつけた20人のサポーターに対し、5000人を超える地元サポーターの後押しを受けたロコモティフは、最終セットも相手に主導権を渡さず、最後は16-14で逃げ切り、同大会になってからロシアでは3チーム目となる欧州王者の称号を手に入れた。

<CLファイナル4結果>
準決勝
ブレ・バンカ・クエノ(イタリア)  3-2 ザクサ・ケンジェジン・コジレ(ポーランド) 
ゼニト・カザン(ロシア) 2-3 ロコモティフ・ノヴォシビルスク(ロシア)

決勝
ブレ・バンカ・クエノ 2-3 ロコモティフ・ノヴォシビルスク

3位決定戦
ザクサ・ケンジェジン・コジレ 1-3 ゼニト・カザン

<最終順位>
1.ロコモティフ・ノヴォシビルスク 2.ブレ・バンカ・クエノ 3.ゼニト・カザン 4.ザクサ・ケンジェジン・コジレ



男子ハンド: CLトップ16ラウンド第1戦、バルセロナは快勝、キールは黒星

 男子ハンドボールの欧州チャンピオンズリーグ(CL)はベスト8をかけたホーム&アウエーのトップ16ラウンドが始まり、第1戦で優勝候補のバルセロナ(スペイン)がアウエーながらビャンブロ・シルケボー(デンマーク)に32-26で貫録勝ちを収めた。また、ハンブルク、フレンスブルク=ハンデビット(ドイツ)、ベスプレム(ハンガリー)といった強豪も初戦を快勝した一方、THWキール(ドイツ)はアウエーでチェクホフスキー・メドベディ(ロシア)に35-37で敗れた。 また、このラウンドで最も注目の好カードとなったアトレティコ・マドリー(スペイン)対フクセ・ベルリン(ドイツ)の第1戦は、残り1分で2点をリードしていたアトレティコが自らのミスから追いつかれ、29-29で引き分けた。

女子ハンド: CL準決勝進出4チームが出揃う

 女子ハンドボールの欧州チャンピオンズリーグ(CL)はグループラウンドの最終節が行われ、準決勝に進出する各組2位までの4チームが出そろった。
 グループ1ではジェール・アウディ(ハンガリー)の強さが際立った。最終節を待たず首位通過を決めていたジェールだったが、最終戦でも手を緩めることなくランダーズ(デンマーク)32-24で圧倒し、唯一、グループラウンド全勝での4強入りを果たした。また、2位にはノルウェーのラルビックが入った。一方、グループ2は最後まで3チームがもつれる混戦となったが、最終戦で首位に立っていたクリム・メルカトール(スロベニア)が2位のオルチム・ブルチャ(ルーマニア)に20-23で敗れ、3位のレール・カーゴ・ウンガリア(ハンガリー)が最下位のズベズダ・ズベニゴロド(ロシア)に27-30で敗れたため、首位がクリム・メルカトール、2位がオルチム・ブルチャとなり、この両チームが準決勝進出を決めた。

野球: ドイツにおける野球の現状

<アーミンウルフ・ベースボール・アリーナ>

 日本はWBC準決勝で惜しくもプエルトリコに敗れたが、アメリカ、キューバ、韓国といった“野球強国”が次々と敗退する一方で、プエルトリコやドミニカ、オランダといった新興勢力が台頭してきたのは、国際化を進めたい野球界全体にとってはいいことなのではないだろうか。

 この傾向はヨーロッパでも例外ではない。今大会では、オランダ、イタリア、スペインの“欧州3強”が世界の舞台でそれぞれ健闘を見せ、欧州野球のレベルの高さを示したが、1953年に欧州野球連盟が設立されて以来、年々、欧州での野球人口は増加しつつあり、2010年に同連盟に登録された野球選手の数は10万人を超えたという。それにあわせて、近年では本場アメリカのメジャーリーグ(MLB)が欧州における野球振興に乗り出し、若手選手の発掘やスカウトにも力を入れている。

 2011年にMLBは欧州17か所でベースボールアカデミーを開催しているが、その中でも最も認知度が高いアカデミー開催地のひとつがドイツのレーゲンスブルクだ。レーゲンスブルクには、欧州では希な近代的な設備を持つ野球専用スタジアム、アーミンウルフ・ベースボール・アリーナ(収容人数約1万人)があり、2009年と2012年のWBCで予選ラウンドの会場に選ばれるなど、野球人気が高い地域だ。昨年9月のWBC予選ラウンドでは、ドイツ代表を応援するため多くのサポーターがスタジアムに詰めかけ、連日、1万人のスタンドが満席となるほどの盛況だった。多くの声援を背に戦ったドイツだったが、イギリス、チェコに圧勝したものの最終戦でカナダに敗れ、惜しくも本大会出場を逃している。

<マイク・ケプラー>

 ドイツでは現在、15チームのアマチュアチームによって争われるブンデスリーガを頂点に約3万人の野球選手がプレーしており、他の欧州の国に比べると野球というスポーツが比較的認知されているが、野球の指導者の絶対数は不足しており、高校生から野球を始める若者も多いという。その点では北中米や東アジアと比べ、大きく遅れをとっている。それでも、サッカー、ハンドボール、バスケットボール、ホッケー、アイスホッケー、卓球など多くのプロスポーツがあるドイツでマイナースポーツである野球をやろうという若者がいる。さらに、昔に比べると環境も改善されてきており、近年では海を渡り、本場アメリカでプロを目指す若者も増えている。

 現在、MBL傘下のチームには13人のドイツ人選手が在籍しているが、その中でも、ドナルド・ルッツ(シンシナティ・レッズ)、マックス・ケプラー(ミネソタ・ツインズ)、カイ・グロナウル(ニューヨーク・メッツ)という3人のマイナーリーガーは、将来メジャーリーグでの活躍が期待されている若手有望株だ。旧ドイツ帝国、東西ドイツ時代を含めると、MBLではこれまでに歴代42人のドイツ人メジャーリーガーが活躍しているが、バスケットのNBAで今も活躍するドイツ人選手ダーク・ノビツキ―のように、近い将来、メジャーリーグを代表するドイツ人選手が生まれれば、同国での野球人気はさらに高まるに違いない。