ヨーロッパ・ニュース Vol.208
2013/04/09
● ラグビー: ハイネケンカップ再開、ベスト4が決まる
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ラグビーのハイネケンカップが再開し、準々決勝4試合が行われた。
プールステージを無傷の6連勝で勝ち上がってきたクレモンは、同じくフランスのモンペリエと対戦したが、 クレモンは自慢の攻撃が炸裂し、5トライを挙げる猛攻で36-14と大勝した。一方、やはりプールステージで6連勝し、準々決勝では第1シードにエントリーされたハリクインズ(イングランド)は、最下位第8シードのマンスター(アイルランド)に12-18で敗れた。また、昨年の準優勝アルスター(アイルランド)もホームでサラセンズ(イングランド)に敗れ、2年連続の準決勝進出はならなかった。残るもう1試合はトゥーロン(フランス)がレスター(イングランド)を下し、準決勝進出を決めている。ハイネケンカップ準決勝は27日と28日に行われ、クレモンはムンスターと、サラセンズはトゥーロンと対戦する。
<ハイネケンカップ準々決勝結果>
4/6 クレモン(フランス) 36-14 モンペリエ(フランス)
4/6 サラセンズ(イングランド) 27-16 アルスター(アイルランド)
4/7 ハレクインズ(イングランド) 12-18 マンスター(アイルランド)
4/7 トゥーロン(フランス) 21-15 レスター(イングランド)
● 男子ハンド: スペイン、フランス、アイスランドがユーロ本大会出場権を獲得
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2014年にデンマークで行われるハンドボールのユーロ(欧州選手権)出場権をかけた欧州2次予選で、スペイン、フランス、アイスランドの3チームが早くも本大会出場権を獲得した。2次予選では各グループリーグの1位と2位が自動的に本大会出場権を得るほか、グループ3位のうち全体で最も成績がよかったチームにも出場権が与えられる。
2次予選のグループ1に入った世界王者のスペインは、ポルトガル、スイスに危なげなく連勝した後、ケドニアにもホームとアウエーで連勝し、トータル4連勝で勝ち点を8に伸ばし、残り2試合の時点で早くも出場圏内が確定した。グループ3のフランス、グループ6のアイスランドも同じく4連勝で本大会への切符を手に入れたが、その一方で、グループ2に入ったドイツは苦戦を強いられている。モンテネグロとチェコに敗れて現在2勝2敗ドイツは、3勝1敗のモンテネグロ、同じく2勝2敗のチェコと激しい順位争いを演じている。その他、グループ4では1月の世界選手権で3位に入ったクロアチアが3勝1敗で首位に立ち、同率のハンガリーとともにユーロ出場に王手をかけた。また、世界選手権ではダークホースとして準決勝進出を果たしたグループ6のスロベニアは1勝1敗2分で、アイスランド、ベラルーシに次ぐ3位につけており、自力での本大会出場は残り2試合にかかっている。
● フットサル: 日本代表、スペイン遠征でクラブチームと対戦
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フットサルの日本代表は、3月29日から4月12日までの日程でスペイン遠征を行っている。この間、カテゴリーの異なるスペインリーグのクラブチームと6試合の練習試合を予定している。
スペイン人のミゲル・ロドリゴ監督率いる日本代表はここ数年、毎年スペインで遠征を行っているが、ロドリゴ監督自身のコネクションを生かして地元のクラブチームと練習試合を組みながら、確実に代表のレベルアップにつなげてきた。今回の遠征ではここまで4試合をこなしているが、スペイン1部リーグのカハ・セゴビアに3-2で勝利するなど手ごたえを感じているようだ。
<フットサル日本代表、スペイン遠征試合結果=途中>
4/2 カルニセール・トレホン(2部)戦 4-5 ●
4/3 カハ・セゴビア(1部)戦 3-2 ○
4/4 ナバラガメージャ(3部)戦 4-3 ○
4/5 シウダー・デル・ビーノ(3部) 4-1 ○
4/9 トリマン・ナバーラ(1部)
4/10 ウマコン・サラゴサ(1部)
● 男子バスケ: ユーロリーグ、プレーオフ組み合わせが決まる
男子バスケットのユーロリーグはベスト16ラウンドの全試合が終了し、プレーオフに進出する8チームが決まった。グループEでは11勝3敗のCSKAモスクワ(ロシア)、10勝4敗のレアル・マドリー(スペイン)の上位2チームに、アナドール・エフェス・イスタンブール(トルコ)、パナシナイコス(ギリシャ)の2チームを加えた4チームがプレーオフ進出を決めた。一方のグループFでは、13勝1敗と16ラウンドでも圧倒的な強さを見せたバルセロナ・リーガル(スペイン)をはじめ、オリンピアコス(ギリシャ)、マッカビ・エレクトラ(イスラエル)、カハ・ラボラル(スペイン)の4チームが決まった。プレーオフは全5戦で争われ、先に3勝した4チームがファイナル4へ駒を進める。
<プレーオフ組み合わせ>
CSKAモスクワ(ロシア) 対 カハ・ラボラル(スペイン)
オリンピアコス(ギリシャ) 対 アナドール・エフェス・イスタングール(トルコ)
FCバルセロナ・リーガル(スペイン) 対 パナシナイコス(ギリシャ)
レアル・マドリー(スペイン) 対 マッカビ・エレクトラ(イスラエル)
● ハンドボール: 元スペイン代表ウルダンガリン氏をめぐる王室スキャンダル
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スペインでは今、王室を巻き込んだスキャンダルが世間をにぎわせている。その渦中にいるのが、かつてハンドボールのプロ選手として活躍し、その後はスペイン王室のメンバーとなり一世を風靡したイニャキ・ウルダンガリン氏 (45)だ。
ウルダンガリン氏は現役時代、FCバルセロナおよびスペイン代表選手として活躍し3度のオリンピックに出場。代表チームでもキャプテンも務めるなど、スペインハンドボール史上に残る輝かしい功績を残した。1997年には、アトランタオリンピックで知り合ったクリスティーナ王女(スペイン国王夫妻の次女)と結婚し、スペイン王室のメンバーとなる。王室に入った後もスペインオリンピック委員会のメンバーを務めるなどスポーツ界でも幅広い活動をしてきたが、今年2月、自身が会長を務めていた非営利団体を通じた不正疑惑が浮上し、現在は妻のクリスティーナ王女も共謀の疑いで当局の取り調べを受けるなど、王室を巻き込む一大スキャンダルに発展している。
このスキャンダルにより王室のイメージが損なわれることを恐れたスペイン国王は、全ての関連行事からウルダンガリン氏を排除するよう命じたため、同氏は公の場から姿を消すことになったが、スペインスポーツ界に少なからぬ関わりを持っていたウルダンガリン氏のスキャンダルは、2020年のオリンピック開催地決定にも影響を及ぼすかもしれない。