ヨーロッパニュース一覧

2013-4-23

ヨーロッパ・ニュース Vol.210

2013/04/23


アイスホッケー: 世界選手権ディビジョンIAで日本は昇格ならず

<返り咲きを果たしたカザフスタン>

 毎年カテゴリー別に行われるアイスホッケーの世界選手2013のディビジョンIA(2部)がハンガリーのブダペストで行われ、昨年トップディビジョンから降格したカザフスタンとイタリアがともに1位、2位となり、来年のトップディビジョンへの返り咲きを果たした。
 カザフスタンはハンガリーに敗れたものの、それ以外の試合で全勝し4勝1敗でグループ首位を決めた。同じく4勝1敗で並んだイタリアは得失点差で及ばず2位となったものの、両国は、5月に行われる世界選手権トップディビジョンA、Bでそれぞれ最下位となったチームと入れ替わり、来年の世界選手権でトップディビジョンに昇格する。
 一方、トップディビジョン入りを目指す日本代表は、いきなりカザフスタン、イタリアに連敗しものの、その後は韓国、イギリスに連勝して勝ち星をタイに戻した。しかし、最終戦ではハンガリーに敗れて2勝3敗の4位に終わり、今大会でもトップディビジョン昇格はかなわなかった。また、全敗で最下位となったイギリスは、ウクライナと入れ替えでディビジョンIB(3部)への降格が決まった。

<世界選手権ディビジョンIA 最終結果>
1.カザフスタン 2.イタリア 3.ハンガリー 4.日本 5.韓国 6.イギリス
※1位カザフスタン、2位イタリアはトップディビジョンへ昇格、最下位イギリスはディビジョンIBへ降格。

<日本代表戦績>
日本 2-5 カザフスタン ●
日本 1-4 イタリア ●
日本 6-5 韓国 ○
日本 4-1 イギリス ○
日本 0-1 ハンガリー ●



女子サッカー: 女子CL決勝はリヨン対ヴォルフスブルク

 女子の欧州チャンピオンズリーグはホーム&アウエーで準決勝が行われ、大会3連覇を狙うリヨン(フランス)と初出場のヴォルフスブルク(ドイツ)がともに2連勝で決勝進出を決めた。連覇を狙うリヨンは同じくフランスのジュビシーと対戦。リヨンはホームでの初戦を3-0で快勝すると、アウエーでの第2戦はさらに差を広げ6-1で圧勝。2試合の合計で9-1と圧倒的な強さを見せ、決勝へ駒を進めた。なお、リヨンの大滝麻未、大野忍は2試合ともベンチ入りしたものの出番はなかった。
一方、ヴォルフスブルクはアーセナル・レディース相手にアウエーでの初戦を2-0で勝利すると、第2戦も2-1で逃げ切り、初出場で決勝進出という快挙を達成した。

<得点王争いを繰り広げる2人のエース対決にも注目>

<ロッタ・シェリン(左)とコニ―・ポーラーズ(右)>

 リヨンとヴォルフスブルクの決勝進出に大きく貢献してきたのが、両チームのエースだ。リヨンのロッタ・シェリンは準決勝2試合で4ゴールを量産。今大会の通算ゴール数を7として得点ランキングで3位に浮上した。一方、得点ランキングで首位に立っているのが、ここまで8ゴールを挙げているヴォルフスブルクのコニー・ポーラーズだ。アーセナルとの準決勝初戦では貴重な先制ゴールを挙げ、チームに勢いをつけた。ともにチームの大黒柱であり、優勝はこの2人のエースの活躍にかかっていると言っても過言ではない。
 女子CLの決勝戦は5月23日にロンドンのスタンフォードブリッジスタジアムで行われる。



男子ハンドボール: バルセロナのファイナル4入りに黄信号

<アトレティコがバルサに先勝>

 男子ハンドボールの欧州チャンピオンズリーグは準々決勝の初戦が行われ、アトレティコ・マドリー(スペイン)、ターギ・ケルツェ(ポーランド)、THWキール、ハンブルク(ともにドイツ)が先勝した。アトレティコは同じスペインのバルセロナと対戦。リーグ戦では首位のバルセロナに大きく水を開けられているアトレティコだが、この試合ではアウエーながら攻守でバルセロナを圧倒。特にベテランGKオンブレロスは40%を超えるセーブ率でバルセロナの攻撃を封印し、25-20で初戦を白星で飾った。
 2年前の欧州王者バルセロナだが、第2戦を前に5点のビハインドを背負うことになり、ファイナル4入りに黄信号がともった。 また、もうひとつの注目の一戦THWキール対MKBベスプレム(ハンガリー)は、ホームのキールが接戦を制し32-31で勝利を挙げた。とはいえ両者の差はわずか1点と僅差で、ホームで第2戦を迎えるベスプレムにもファイナル4進出の可能性は十分残されている。

男子バスケット: ユーロリーグ、CSKAとレアル・マドリーがファイナル4入り

 男子バスケットボールのユーロリーグはプレーオフラウンドが行われているが、CSKAモスクワ(ロシア)とレアル・マドリード(スペイン)の2チームが先行してファイナル4入りを決めた。カハ・ラボラル(スペイン)と対戦したCSKAはホームで2連勝した後のアウエーで1試合を落としたが、第4戦ではきっちりと勝ち、3勝1敗で2年連続のファイナル4入りを果たした。また、レアル・マドリーは3連勝でマッカビ・エレクトラを退け、2年ぶりのファイナル4を決めた。一方、オリンピアコス(ギリシャ)対アナドル・エフェス(トルコ)、バルセロナ(スペイン)対パナシナイコス(ギリシャ)は第4戦が終わった時点で2勝2敗のタイとなり、どちらがファイナル4への切符を手にするかの決着は、今週行われる最終第5戦に持ち越された。

ラグビー: マンスター、ハイネケンカップの成功で新スポンサー獲得に自信

 

 今季のハイネケンカップ準々決勝でハリクインズ(イングランド)を下して準決勝進出を決めたアイルランドのマンスターだが、2004年からメインスポンサーになっていたトヨタとの契約が今年の夏に終了する。
 これまで過去9年の契約でトヨタはマンスターに対し1300万ユーロ(約13億円)以上と言われる巨額なスポンサー料を支出してきたと言われる。 2010年に契約を更新した際には、ユニフォームの胸にスポンサーのロゴを入れる範囲をトップチームが出場する全ての大会(ハイネケンカップ、PRO12リーグ、英国杯、アイルランド杯)へと拡大した。長年にわたるトヨタとの契約終了に伴い、来季からの新たなスポンサー探しを行っているマンスターだが、2012年シーズン終了時におよそ100万ユーロ(約1億円)の負債を抱えていることを発表するなど財政状況はおもわしくなく、トヨタに代わる大型スポンサーとの契約が期待されている。
 そんな中、今季のハイネケンカップでのベスト4躍進は、クラブの収入アップに直接貢献するだけでなく、新スポンサー獲得に向けた大きなアピールの材料となる。もともとアイルランド国内だけで100万人を超えるファンを持つと言われる人気クラブだけに、この先さらに勝ち進めることができれば、新スポンサー探しにもはずみがつくはずだ。


男子ハンド: スペイン代表のバレロ監督が退任、カタール代表監督就任か


<バレロ監督の行先は>

 
今年の1月に行われた世界選手権で地元優勝を果たしたスペイン代表のリベラ・バレロ監督(60)が15日、同代表監督を退任することを発表した。
 2009年から同代表を率いてきたバレロ監督は、来年デンマークで行われるユーロ(欧州選手権)予選で指揮を執ったのを最後にスペイン代表を去ることになった。
 今後についてバレロ監督は、「他国の協会から監督就任を打診されている」と述べ、他国の代表を指揮する可能性を示唆したが、具体的な国名については明言を避けた。だが、スペインメディアは世界選手権優勝の直後から、同監督にカタール協会が年棒80万ユーロ(約8000万円)というハンドボールの代表監督としては異例の高額オファーを提示していることを報じており、カタール代表監督就任は時間の問題と見られている。
 2015年の世界選手権開催国であるカタールは現在、積極的に代表チームの強化を進めており、世界ナンバーワン監督の招致はそのための重要な一歩となる。