ヨーロッパ・ニュース Vol.212
2013/05/07
● フットサル: カザフスタンのチームがUEFAカップ初制覇、バルサは準決勝敗退
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フットサルの欧州ナンバーワンクラブを決めるUEFAフットサルカップの決勝ラウンドは4月28日に決勝戦が行われ、カザフスタンのカイラトがロシアのMFKディナモを4-3で下し、初優勝を決めた。
カイラトは過去7大会で4度の準決勝進出を果たしている強豪だが、いずれも決勝進出はならなかった。準決勝ではスペインリーグで圧倒的な強さを誇る優勝候補のバルセロナと対戦したが、大方の予想を裏切り5-4で勝利。勢いに乗った決勝戦でも、昨年のファイナリストディナモを下し、カザフスタンのクラブとしては初となる欧州メジャータイトルを獲得した。
とはいえ、決勝戦で先発したカイラトのメンバー5人の中にはカザフスタン出身選手はひとりもおらず(ブラジル人選手4人、グルジア人選手1人)、外人部隊の力を借りての優勝となった。
なお、3位決定戦ではバルセロナがグルジアのイベリア・スターを4-1で下している。
<UEFAフットサルカップ決勝トーナメント結果>
準決勝
イベリア・スター(グルジア) 2-5 MFKディナモ(ロシア)
カイラト(カザフスタン) 5-4 FCバルセロナ(スペイン)
3位決定戦
イベリア・スター 1-4 FCバルセロナ
決勝
MFKディナモ 3-4 カイラト
● 女子ハンド: CL決勝はジェールが先勝
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女子ハンドボールの欧州チャンピオンズリーグ決勝は、ホーム&アウエーの第1戦が行われ、アウエーのジェール(ハンガリー)がラルヴィク(ノルウェー)に24-21で勝ち、初優勝に王手をかけた。
ジェールとラルヴィクは今季のCLですでに3度対戦しているが、いずれもジェールの勝利に終わっており、ホームで戦う第2戦はきわめて有利な状況となった。試合は、前半こそ13-12とラルヴィクがリードするが、後半に入るとジェールが反撃を開始し、この試合でチームトップの8ゴールを挙げたアニータ・ゴルビック、攻守を連発したノルウェー人GKカトリン・ルンデらの活躍により逆転に成功。最後は3点差をつけて勝利をもぎとった。
● アイスホッケー:世界選手権開幕が開幕、ロシア、ノルウェーらが連勝スタート
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昨年に続きフィンランドのヘルシンキとスウェーデンのストックホルムの共同開催で行われる男子アイスホッケーの世界選手権が3日に開幕した。予選にあたるグループラウンドはここまで2戦を終えたが、グル―プHではロシア、アメリカ、フィンランド、グループSではノルウェーとスイスの5チームがそれぞれ開幕2連勝した。
この中でとりわけ健闘が光るのがグループSのスイスだ。スイスは初戦で地元スウェーデンに3-2で勝利すると、2戦目ではカナダに延長の末3-2競り勝ち、強豪2チーム相手に連勝する好スタートを切った。また、昨年優勝のロシアは初戦でラトビアに6-0、2戦目もドイツに4-1といずれも大差で勝利し、王者の貫録を見せた。今年の世界選手権はは、来年行われるソチ冬季オリンピックを占う上でも大きな意味を持つが、過去3大会で上位3チームを独占しているヨーロッパ勢に対し、カナダ、アメリカの北米勢がどこまで食い込めるかが注目される。
グループラウンドは14日まで総当たり戦で行われ、各グループの上位4チームが決勝トーナメントに進む。
● アイスホッケー: NYのベラルーシ人が同国での世界選手権開催に反対しデモ
ニューヨーク在住のベラルーシ人のグループが、4月30日にフォルクスワーゲン社のNY本社でデモを行った。ベラルーシは2014年のアイスホッケー世界選手権の開催国に決まっているが、このデモの目的は同大会のベラルーシ開催中止を訴えることにあり、アイスホッケー世界選手権の公式スポンサーであるスコダ社をグループ傘下に持つフォルクスワーゲン社に対し、同大会のスポンサーを降りるよう訴えた。
東ヨーロッパに位置するベラルーシは、ソビエト連邦から独立後、ルカシェンコ大統領の独裁政権が続いており、「ヨーロッパ最後の独裁国」とも呼ばれる。そのため、これまでも同大会のベラルーシ開催については、さまざまな国際団体から開催地変更を求められてきた経緯がある。国際アイスホッケー連盟(IIHF)はこれまで、「政治とスポーツは別のものである」という理念に基づき、開催は問題なしとの見解を示してきたが、外部からの圧力が強まる中、こうした動きを無視できない状況に追い込まれており、現在スウェーデンで行われている世界選手権の場で来年の世界大会の開催地変更について議論される予定だ。
● 女子サッカー: スペインリーグ最終節でバルセロナが逆転優勝、男子との2冠へ
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女子サッカーのスペインリーグ、スーペルリーガ・フェメニーナは6日に最終節が行われ、首位のアスレティック・ビルバオと勝ち点1ポイント差でこれを追う2位バルセロナが優勝をかけて直接対決にのぞんだ。
優勝がかかるホームゲームとあって、ビルバオの本拠地サン・マメススタジアムには女子サッカーでは異例の26000人もの大観衆が詰めかけた。だが、試合が始まると、逆にホームでのプレッシャーからかビルバオの動きは固く精彩を欠き、開始2分にバルセロナに先制を許してしまう。それでもビルバオは、前半終了直前の45分に同点に追いつき、スタジアムの大観衆を沸かす。だが、バルセロナは後半28分に追加点を挙げて2-1と再びリードすると、そのまま最後まで逃げ切り、敵地で勝ち点3を奪って劇的な逆転優勝を果たした。バルセロナはこれでリーグ戦2連覇を達成。男子サッカーチームのリーグ優勝も時間の問題で、男女アベック優勝はほぼ確実だ。一方、新スタジアム移転のため今年が最後となるサン・マメススタジアムでの最終試合を落とし優勝を目前で逃したビルバオの選手たちは、がっくりと肩を落としていた。