ヨーロッパ・ニュース Vol.219
2013/10/01
● 男子バレー: 欧州選手権はロシアが初制覇、男女2冠を達成
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デンマークとポーランドの共催で行われた男子バレーボールの欧州選手権は29日にコペンハーゲンで決勝戦が行われ、ロシアがイタリアを3-1で下し、(25-20、25-22、21-25、25-17) 1987年にソビエト連邦が優勝して以来、ロシアになってからは初となる欧州制覇を成し遂げた。
ロシア男子は、2012年のロンドン五輪、今年のワールドリーグファイナルに続き主要大会で3連覇と勢いに乗っている。9月上旬に行われた女子の欧州選手権でもロシアが優勝しており、男女ともに欧州の頂点に立った。この勝利により、ロシアは11月に日本で行われるワールドグランドチャンピオンズカップに欧州代表として出場することが決まった。
<新興勢力はベスト4に残れず>
グループラウンドでいずれも強豪国を抑えてグループ首位となり、新興勢力として躍進が期待されたベルギー、フィンランド、フランス、ドイツが、ベスト8で力尽きた。とりわけ、グループラウンド初戦ではロシアを3-0で下し、ブルガリアにも競り勝ったドイツに注目が集まったが、結果はブルガリアの返り討ちに合い1-3で敗戦。強豪国の壁は厚かった。
なお、決勝戦に先んじて行われた3位決定戦ではセルビアがブルガリアを下している。
<欧州選手権2013 決勝ラウンド結果>
準々決勝
9/25 ベルギー 1-3 セルビア フィンランド 1-3 イタリア
9/25 フランス 1-3 ロシア ドイツ 1-3 ブルガリア
準決勝
9/28 セルビア 1-3 ロシア イタリア 3-1 ブルガリア
決勝
9/29 ロシア 3-1 イタリア
3位決定戦
9/29 セルビア 3-0 ブルガリア
● ヨーロッパラグビー界のお家騒動の余波、南半球に拡大の恐れも
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欧州クラブ王者を決めるERC(欧州ラグビーカップ機構)主催のハイネケンカップにイングランドとフランスのクラブが反旗を翻し新トーナメントの設立を打ち出したことで欧州ラグビー界にお家騒動が勃発したが、先週新たに、アイルランド、ウェールズ、スコットランドの協会およびクラブチームが相次いで新トーナメントへの参加を拒否する声明を発表したことにより、両者の全面対決の姿勢がさらに深まった。さらに、この騒動の余波は欧州を飛び出して地球の裏側の南半球にまで及ぶかもしれない。
というのも、この騒動はすでに南半球で勃発しているSANZAR(南アフリカ、オーストラリア、ニュージーランドラグビー機構)主催の3か国対抗戦スーパーカップのあり方を巡る問題と共通点があるからだ。現状、スーパーカップで放映権の半分以上を稼ぎ出している南アフリカは、ニュージーランド、オーストラリアと収益を対等に配分することに対してかねてから不満を抱いており、これまで同大会からの脱退や欧州の大会参加などをほのめかしてきた。しかし、これまでのハイネケンカップはあくまで欧州内のクラブチームナンバーワンを決める限定的な大会であり、南半球のナショナルチームを対象にしたスーパーカップとは根本的にコンセプトも大会運営も異なることから、オーストラリア、ニュージーランド共にこの問題を真剣に討議しようとはしてこなかった。
ところが、今回イングランドとフランスが提唱している新トーナメントは、同国リーグ以外のクラブチームからの参加も受け入れることを明言しており、欧州以外の地域からの参加についても否定していない。アイルランド、ウェールズ、スコットランドからの不参加が確実となったことで、もし南アフリカのクラブチームがこの大会への参加表明を希望すれば、参加国の枠が欧州以外の地域に広げられる可能性もゼロではなくなったという見方もできる。南アフリカとしては、ナショナルチーム対抗である従来のスーパーカップに加え、クラブレベルの国際大会にも参加することで収益機会が2倍になるメリットが見込めるわけだ。
こうした欧州での新しい動きに対してSANZARも黙って手をこまねいてみているわけではない。同機構のグレッグ・ピーターズCEOは、「大会の根本的なコンセプトを変えるつもりはない」としながらも、2016年の大会から新たなフォーマットを導入するかどうかの議論を進めていく可能性を示唆している。新フォーマットの案としては、同大会をタスマニアンエリア、南アフリカ+アルゼンチンからなる2つの地区に分けて行うというものが有力だが、南アフリカサイドは、ニュージーランドの地域チームとの対戦には興味がなく、あくまでオールブラックスとの定期戦を望んでいることから、実現性は低いと言える。
いずれにしても、欧州ラグビー界の”金”を巡る騒動が今後どのように展開していくのか、ラグビーファンならずとも気になるところだ。
● 女子ハンドボール: フランスリーグで”ミニスカート”ユニフォームが論争に
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女子ハンドボールのフランスリーグで新たに導入されたユニフォームを巡りちょっとした論争が勃発している。
同リーグのチャンピオンであるメッツは今シーズン、同リーグで初となるミニスカート(女子テニスのスコートのようなもの)を導入した。
これは、メッツのティエリ・ウェイズマン会長の「より観客を魅了するため」とう発想から考え出されたものだ。
メッツはまた、同じ理由からアウエー戦用に”女性らしい”ピンク色のセカンドユニフォームを採用した。さらに、この試みを同じリーグのニームも後追いし、現在、ミニスカートを着用しているチームは2チームとなった。とはいえこのアイディアは当初、単独のクラブチームにとどまらずリーグ全体への導入が検討されていたという。リーグ機構では、今シーズン、全てのチームにミニスカート着用を義務付けるという新ルールが議論されていたが、最終的に否決された経緯がある。この背景には、フランスのハンドボール女子リーグが男子に比べて人気面で大きく劣っており、少しでも注目度を上げ観客動員につなげたいとの意向が反映されている。
一方、こうしたやり方で注目を集めようとする動きに選手サイドからは反発の声も出ている。ディジョンのレア・テルジ選手は、「ミスカート着用は完全にセクハラ」と言い切り、警告している。「私たちは試合でセクシーさや美しさを競っているわけではない。勝つために試合をしている。ミニスカートの着用は、”単に美脚見たさのファン”を増やすどころか、本当のファンまでも失うことになる」
● フットサル: リカルジーニョ擁するインテル・モビスターとバルサの対戦はドロー
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スペイン・フットサルリーグ第3節で、ここまで首位に立つインテル・モビスターと、昨シーズンの王者FCバルセロナとの注目の一戦が行われ、互いに譲らず2-2で引き分けた。
インテル・モビスターは、昨シーズンまで名古屋オーシャンズで活躍したポルトガル代表の中心選手リカルジーニョを獲得するなど王者奪回に向け、今季はチーム力アップを図っている。対するバルセロナは、スペイン代表の若きエース、セルヒオ・ロサーノらを擁し、史上初のリーグ戦4連覇を狙う。両者の対戦は今シーズンのリーグ戦を占う上で重要な一戦とも言える。試合は、序盤の2分と4分にいきなりバルセロナがラファエルとオルティスのゴールで2点のリードを奪い主導権を握るが、後半に追い込みをかけたインテルは25分にフェルナンド、30分にヴィルデのゴールで追いつくと、そのまま引き分けた。
● 男子ハンド: EHFチャンピオンズリーグ第2節、PSGが敗れバルセロナは初勝利
男子ハンドボールのEHFチャンピオンズリーグは第2節が行われ、グループAのベスプレム(ハンガリー)、グループBのターギ・ケルツェ(ポーランド)、THWキール(ドイツ)、グループCのHCメタルルグ(マケドニア)、グループDのHSVハンブルク、SGフレンスブルク・ハンデビット(ドイツ)が初戦に続き連勝した。ベスプレムはホームでドイツの強豪ラインネッカー・レーベンに30-29で競り勝ち、HCメタルルグもフランス王者PSGを28-26の僅差で下している。一方、初戦でバルダール・スコピエ相手に手痛いドローを喫したFCバルセロナはホームでワッカー・トゥーン(スイス)を45-26の大差で下し、今大会初白星を挙げた。