ヨーロッパニュース一覧

2013-10-8

ヨーロッパ・ニュース Vol.220

2013/10/08


サッカー:UEFA会長、欧州選手権に日本を含む他地域からの参加も視野か?

<積極的な改革を進めるプラティニ会長>

 6日付の英紙『インディペンデント』によると、UEFA(欧州サッカー連盟)のミシェル・プラティニ会長は、4年ごとに同連盟が主催するサッカーのユーロ(欧州選手権)に、将来的にブラジル、アルゼンチン、メキシコ、日本など他の地域からも代表チームを招待したいとの構想を持っていることを明かした。
 これは、CONMOBEL(南米サッカー連盟)がここ20年にわたり同連盟主催のコパ・アメリカ(南米選手権)でアメリカ、メキシコ、コスタ・リカなど南米以外のチームを招待している(日本も過去に招待されているが参加は辞退している)ことに習ったものだという。
 同紙によるとプラティニ会長は、「この構想はまだ初期の段階であるが、実現性は高いと考えている。現に南米ではここ何十年もコパ・アメリカに他地域のチームを招待している。なぜヨーロッパはダメなのだ?」と語り、実現に向けて前向きな姿勢を見せている。これに先立ってUEFAは、2016年のユーロ本選出場国を現状の16から24チームに拡大することを決定しているほか、2020年の大会では従来の国別開催ではなく、欧州13都市による共催案を打ち上げるなど、プラティニ会長の指揮の元、大幅な改革に向けて舵を切っている。
 とはいえ欧州以外への拡大路線は、世界のサッカーを統括するFIFA(国際サッカー連盟)からは、歓迎されるどころかむしろ目の敵にされるだろう。なぜなら、UEFAが主催する欧州の大会に他の地域から有力チームを招待するということは、オリンピックと並び世界最大のスポーツイベントであるFIFAワールドカップの存在意義を脅かすことになると考えられるからだ。プラティニ会長とFIFAのジョセフ・ブラッター会長の関係が良好でないことは以前から周知の事実だが、それに加え先日、ブラッター会長が2022年のカタールW杯では夏季実施が困難として冬季の実施をほのめかしたことで、リーグのスケジュールを動かすことに強固に反対するイングランドのプレミアリーグから批判を浴びるなど、欧州勢力はFIFAとの対立を深めている。プラティニ会長は次のように語り、欧州選手権に他地域のチームを招待するもうひとつの理由がFIFAの欧州軽視の政策に警鐘を鳴らすためであることを認めている。「FIFAの内部では今、ワールドカップにおける欧州勢の出場枠や(2014年ブラジル大会は32か国中13か国)、同連盟での欧州理事(現在24か国中8か国)の数を削減しようとしており、欧州勢の発言力を低下させようとする動きがある」。

 ここ数年、欧州チャンピオンズリーグなど独自の大会運営で大きな成功を収めているUEFAはFIFAに対する発言力を高めているが、これに伴い、両者の利害が対立するケースも増加している。将来的にはFIFA会長の座を狙っているとも噂されるプラティニ会長の欧州改革路線は、近い将来、世界のサッカー界を変えるきっかけになるだろうか。
(Eurosuports.comの記事より抜粋)



野球: アジアシリーズに欧州代表が参加

<ボローニャがアジアで欧州旋風を起こせるか>

 ラグビー界、サッカー界では、従来の欧州の枠を超えて他の地域からチームを招く拡大路線の動きが出ているが、野球界では、アジアの大会に欧州のチームが招待されるという逆の現象が起こっている。
 今年の11月15日から20日まで台湾の台中で行われるプロ野球のアジアシリーズに、ヨーロッパ・カップの王者フォルティトゥード・ボローニャ(イタリア)が欧州代表として初めて出場することになったのだ。
 今大会には本来、台湾、日本、韓国、中国、オーストラリアのリーグ優勝チームと台湾からもう1チームを加えた計6チームが出場する予定だったが、中国が日程の関係で辞退しため、初の試みとして欧州からチームが招待されることになった。
イタリアリーグに所属するボローニャは、チェコ、フランス、ドイツ、イタリア、オランダ、サンマリノ、スペインのチームが参加して行われた今年のヨーロッパ・カップの優勝チームで、2012年には今年からロッテに復帰したGG佐藤も所属していた。

 2020年の東京オリンピックでの野球・ソフトボールの正式種目復帰は果たせなかったBSC(世界野球・ソフトボール連盟)だが、今回の欧州チームのアジアシリーズ参戦を歓迎しており、野球のグローバル化、将来的な構想でもある世界シリーズ実現の追い風になることを期待している。


男子ハンド: 世界最高峰のブンデスリーガでスペイン人旋風

<今季からフクセの主将を務めるロメロ>

 ハンドボール世界最高峰のリーグと言われるドイツのブンデスリーガでスペイン人選手が旋風を起こしている。
 6日には、現在2位につけるラインネッカー・レーベンと3位のフクセ・ベルリンが対戦。試合は21-21で引き分けに終わったが、ラインネッカーには、スペイン人のゲデオンとイサイアスのグアルディオラ兄弟が、フクセでも元スペイン代表のイケル・ロメロがコートに立った。フクセが次戦で対戦するハノーバーにもスペイン代表のフアン・アンドレウがプレーしており、今季はブンデスリーガで6人のスペイン人選手がプレーしている。数年前までスペインのプロリーグASOBALはブンデスリーガと肩を並べる世界最高峰だったが、国の経済危機のあおりでクラブ運営が厳しくなり、今季は名門シウダー・レアル(アトレティコ・マドリーが引き継ぐも今季撤退)が消滅するなど国内に優秀な選手を引き留めることができなくなっており、次々とフランス、ハンガリーなど欧州の他のリーグへと人材が引き抜かれている。昨シーズンまでアトレティコ・マドリードでプレーしていたユーロ2013優勝メンバー、ジョアン・カニェージャス、ハビエル・オンブラードスも、スペインから離れるつもりは全くなかったというが、突然のチームの消滅によりドイツへの移籍を余儀なくされた。
 もともとブンデスリーガは外国人選手の割合が全体の44%を占める”多国籍リーグ”であるが、世界王者のスペインからやって来た助っ人たちはそれぞれビッグクラブで存在感を見せている。前述のゲオデン・グアルディオラは29歳のベテランだが、ラインネッカーは同選手との契約を2016年まで延焼したばかりだ。また、元バルセロナの中心選手イケル・ロメロも今季からはキャプテンを任されるなど、チーム内で重要視されている。

女子ハンド: EHFチャンピオンズリーグ開幕

 

 男子に遅れること約1か月、女子のEHFチャンピオンズリーグ・グループラウンドが先週開幕した。
 初戦では昨シーズンの女王ジェール(ハンガリー)がホームでヒポ・ニーダーエスターライヒ(オーストリア)を41-22で下した他、同じく準優勝のラルヴィク(ノルウェー)、ブドゥチノスト(モンテネグロ)、RKクリム・メルカトル(スロベニア)といった強豪勢がいずれも危なげない快勝で白星スタートを切った。


ラグビー: ラグビー・チャンピオンシップはオールブラックスが全勝で連覇

<連覇を果たしたオールブラックス>

 南半球4か国が総当たりで争うラグビー・チャンピオンシップは5日に最終戦が行われ、オールブラックスが南アフリカを接戦の末破り、無傷の6連勝で優勝した。
 ここまで5戦全勝のオールブラックスに1敗でこれを追う南アフリカが挑む実質的な決勝戦となったこの一戦、オールブラックスが5トライ、南アフリカが4トライをあげる激しいトライの応酬となった。
 南アフリカはポゼッションではオールブラックスを上回ったが、トライ数とコンバージョンで相手を上回ったオールブラックスが最後は38ー27で勝ち、昨年アルゼンチンが加わり4か国になってから続く大会連勝記録を12に伸ばした。
 一方、オーストラリアは最終戦でアルゼンチンを破り2勝4敗で3位となり、敗れたアルゼンチンは全敗で4位に終わった。