ヨーロッパニュース一覧

2013-10-15

ヨーロッパ・ニュース Vol.221

2013/10/15


ラグビー: ハイネケンカップ開幕、レスター、クレモン、マンスターが黒星発進

<エジンバラがマンスターから金星>

 ラグビーのハイネケンカップ2013-2014シーズンが開幕した。イングランド、フランスのクラブによる新欧州リーグ設立表明により来季以降の継続が危ぶまれている同大会だが、今シーズンは予定通り行われる。
 11日に行われたプール5の試合では、いきなりセルティックリーグ準優勝のアルスター(アイルランド)対イングランド・プレミアシップ王者レスター・タイガースという好カードが行われ、アルスターが22-16で勝利している。また、12日に行われたプール6の試合ではエジンバラ(スコットランド)がアイルランドの強豪マンスターを29-23で破る金星を挙げた。その他の試合では、プール3に入った昨季の覇者トゥールーズ(フランス)はゼブレ(イタリア)に38-5で快勝したが、僅差で準優勝に終わったクレモン(フランス)はプール4でラシン・メトロ(フランス)に9-13で敗れ、黒星スタートとなった。一方、プール1のフランス王者カストルはイングランドのノーサンプトンを19-13で下し、幸先の良いスタートを切っている。


ラグビー: 来季のハイネケンカップ決勝はミラノのサンシーロ・スタジアムで開催

<サンシーロでの決勝で起死回生なるか?>

 来季より大会システムの大きな変更もしくは存続の危機に立たされているラグビーのハイネケンカップだが、ERC(欧州ラグビーカップ機構)は7日、来季2014-2015シーズンの同大会の決勝をミラノのサッカークラブ(ACミランとインテル・ミラン)が本拠地としているジョゼッペ・メアッツェ(通称サンシーロ)スタジアムで行うことで合意したことを発表した。一方、多くの強豪チームを持つイングランドとフランスのクラブチームは先日、来季以降はERCが主催するいかなる大会への出場も辞退するとの声明を発表し、両国を中心とした新リーグ設立に動いている。これに対して、アイルランド、スコットランド、ウェールズにイタリアを加えたプロ12(セルティックリーグ)の参加クラブは、この動きに同調せずERCを全面的に支持することを表明。事態は欧州のラグビー界を真っ二つに割るお家騒動に発展している。こうした中、和解が困難と見たERCは、イングランド、フランスが抜けることを前提に来季のハイネケンカップ開催を検討し始めており、イタリアの名門サッカースタジアムで同大会の決勝戦を行うことを決めたのも、ERC支持国の一つであるイタリアをより重視していく路線を表明するとともに、分裂によるイメージ回復を狙ったものとみられる。


女子サッカー: 女子CL決勝トーナメント1回戦、ヴォルフスブルグが14-0で快勝

 女子サッカーのUEFA女子チャンピオンズリーグは、10月9日、10日にかけて決勝トーナメント1回戦ファーストレグが行われ、昨季の覇者ヴォルフスブルク(ドイツ)がホームでエストニアのパルヌを14-0の大差で破り、順調なスタートを切った。一方、王者奪回を目指す強豪リヨン(フランス)もアウエーでトゥエンテ(オランダ)に4-0で快勝したほか、アーセナル(イングランド)もカザフスタンのカイラト相手に7-1で危なげなく勝利を収めた。一方、スペイン王者FCバルセロナはデンマークのブロンビーと0-0で引き分け、初出場のPSG(フランス)はティレソ(スウェーデン)に1-2で敗れた。セカンドレグは16日と17日に行われる。

アメリカンフットボール: NFLが2014年にロンドンで公式戦3試合を予定

<ウェンブリーで本場のアメフトを観戦>

 NFL(全米ナショナル・フットボール・リーグ)は、2014年シーズンにNFLのジャクソンビル・ジャガース、オークランド・ライダーズ、アトランタ・ファルコンズの公式戦3試合をロンドンのウェンブリースタジアムで開催することを発表した。NFLはインターナショナルシリーズとして2007年にもロンドンでニューヨーク・ジャイアンツとマイアミ・ドルフィンズの試合を開催しており、今年も2試合が行われるが、先月行われたミネソタ・バイキングスとピッツバーク・スティーラーズの試合では、ウェンブリースタジアムを8万3千人のファンが埋める大盛況だった。なお、10月27日には同スタジアムでサンフランシスコ・フォーティナイナーズ対ジャクソンビルの試合が行われる。

男子ホッケー: ユーロホッケーリーグ、KO16ラウンド進出8チームが決定

 

 男子ホッケーのEHLユーロリーグ予選ラウンド1.1が10月11〜13日にかけてスペインのバルセロナで行われた。バルセロナラウンドでは全プールの半分にあたるプールD、プールE、プールF、プールGの4つのグループで総当たり戦が行われ、それぞれの上位2チームがKO16ラウンド進出を決めた。
 プールDでは、ユーロホッケーリーグ初出場となるハーベステフーダーTHC(ドイツ)が2連勝で首位通過したほか、プールEでもレアル・クルブ・デ・ポロ(スペイン)が2連勝でKO16進出を決めた。一方、クルブ・デ・カンポ・マドリード(スペイン)、KHCドラゴンズ(ベルギー)、ディナモ・カザン(ロシア)が入ったグループFはいずれも接戦となったが、1勝1分けのクルブ・デ・カンポが首位、1勝1敗のKHCドラゴンズが2位でKO16ラウンドへ進んだ。グループGは3シーズンぶりにユーロホッケーリーグに復帰したオランダのオランジェ・ズワルトが2連勝している。予選ラウンド1.2は10月25〜27日にかけてフランスのリールで行われる。

男子ハンド: EHFチャンピオンズリーグ・グループリーグ第3節、5チームが3連勝

<フランス王者PSGは苦戦>

 男子ハンドボールのEHLチャンピオンズリーグはグループリーグ第3節が行われ、グループAのベスプレム(ハンガリー)、グループBのヴィヴェ・ターギ・キェルツェ(ポーランド)、THWキール(ドイツ)、グループDのハンブルク、フレンスブルク・ハンデビット(ドイツ)の5チームがいずれも勝利して開幕からの連勝を3に伸ばした。また、本来の調子を取り戻しつつあるバルセロナがHCメタルルグを35-17と圧倒し2連勝でグループ首位に立った一方で、初出場のフランス王者PSG(フランス)はバルダール・スコピエ(マケドニア)と引き分け4位に甘んじており、ここまで思わぬ苦戦を強いられている。また、今シーズンは2チームしか出場していないスペインのもう1チーム、ナチュールハウス・ラ・リオハはハルムスタッド(スウェーデン)と35-35で引き分け今大会初の勝ち点を獲得したが、依然としてグループ最下位のまま低迷している。

ハンドボール: 元スペイン代表GKが韓国代表のテクニカルコーチに就任

<フォルト氏(左)とカン・ジェオン監督(右)>

 韓国ハンドボール協会は同国代表チームのテクニカルコーチとして、アトランタオリンピックで銅メダルを獲得した元スペイン代表GKジャウメ・フォルト氏と契約した。
 フォルト氏は20シーズンにわたり現役を続け、スペインリーグASOBAL、ドイツ・ブンデスリーガのトップクラスのクラブでプレーした。
 フォルト氏は現役引退後はスペイン国内の指導者育成講座の講師などに従事し、昨年行われた世界選手権では男子スペイン代表チームのスポーツディレクターを務めた。

 両者の関係は1998年のソウルオリンピックにさかのぼる。フォルト氏がゴールを守るスペイン代表は、銀メダルを獲得した韓国代表と対戦し激しい戦いを演じた。当時の韓国代表には世界最優秀選手にも選ばれたカン・ジェオン氏(現韓国女子代表監督)がおり、両者はライバルチームの敵と味方として同じコートで戦い、互いに敬意を深めあったという。その縁で今回のフォルト氏との交渉はカン・ジェオン氏が務めたという。韓国ハンドボール協会はGK養成のためのテクニカルプログラムを作成中で、ハイレベルの欧州ハンドボールの技術を導入するべく豊富な経験を持つフォルト氏に白羽の矢が立った。

<海外で活躍するスペイン人コーチは12人に>
 フォルト氏の韓国代表コーチ就任により、スペイン国外で活躍するハンドボール監督・コーチは12人となり、うち7人が代表チームの監督(ブラジル男子、イラン男子、カタール男子、アメリカ女子、コスタリカ女子、UAE男子、チリ男子)を務めている。