ヨーロッパニュース一覧

2013-11-5

ヨーロッパ・ニュース Vol.224

2013/11/5


ハンドボール: 熊本が2019年女子世界選手権の開催地に、東京での試合も視野

 

 28日にカタールのドーハで開催されたIFH(国際ハンドボール連盟)理事会で、2019年の女子世界選手権を熊本で開催することが決定した。熊本では1997年にも男子のハンドボール世界選手権が行われており、今回が2度目の世界選手権開催となる。
 2019年女子世界選手権開催地招致レースではノルウェーと日本が最終候補に残ったが、翌年に東京でオリンピックが開催されることに加え、熊本県と熊本市が全面的なバックアップを約束し官民一体となった招致活動を行ったことで、その熱意が認められた形となった。
 一方、今回の大会誘致に尽力したひとりである日本トップリーグ連携機構(JTL)専務理事で日本ハンドボール協会の副会長を務める市原則之氏は、2020年の東京オリンピック開催が同大会の日本開催を後押ししたことを考慮し、東京でも試合を行うことを視野に入れているとの考えを示した。
 2019年には日本でラグビーのワールドカップが行われることも決定しており、世界的なスポーツイベントラッシュとなりそうだ。

<男子大会はドイツ&デンマークの共催>
 一方、男子大会はドイツとデンマークの共催で行われることが決まった。2019年の男子大会候補地には両国の他、スウェーデン、ノルウェー、ポーランド、スロバキア&ハンガリーが最終選考に残った。デンマークにとっては1978年以来、ドイツにとっては2007年以来となる世界選手権開催となる。



女子バスケ: 日本が43年ぶりにアジア選手権優勝、世界選手権出場へ

 

 タイのバンコクで行われていた女子バスケットのアジア選手権は3日に決勝戦が行われ、日本が韓国を65-43で下し43年ぶりにアジアの頂点にたった。
 予選ラウンドで韓国、中国、台湾と同じ厳しい組に入った日本だが、全勝で予選勝ち抜きを決めると、準決勝の台湾戦に勝って世界選手権出場権を獲得、この日の決勝でも、予選で延長の末に勝利したライバル韓国相手に快勝し、負けなしの全勝で優勝に花を添えた。

<日本の団体ボールスポーツにおける女高男低傾向が顕著に>
 女子のバスケットボール日本代表が43年ぶりの優勝で2014年の世界選手権出場を決めたのに対し、男子代表は8月に行われたアジア選手権で9位と惨敗し、世界選手権出場を逃している。バレーボールでも、昨年のロンドンオリンピックで全日本女子が銅メダルを獲得したのに対し、男子は予選で敗れ出場できなかった。ここ数年、サッカー、ハンドボール、ホッケー、アイスホッケーといった団体ボールスポーツでは、国際大会での戦績、世界ランキングともに女子が男子を上回っており、女高男低の傾向が顕著になっている。

<日本の競技別世界ランキング比較> (※国際連盟公式サイトの最新ランキングより)
         男子  女子
サッカー    44位  3位
バレー     17位  3位
バスケ     35位 18位
ハンド     20位 13位
ホッケー    16位  9位
アイスホッケー 21位 10位


男子バスケ: ユーロリーグ第3節、バルサとCSKAが敗れる波乱

<バルサから大金星のナンティエール>

 男子バスケットボールのユーロリーグは第3節が行われ、グループAで優勝候補の一角FCバルセロナ(スペイン)とCSKAモスクワ(ロシア)が揃って敗れる波乱があった。
 前節、早くも黒星を喫したバルセロナは、開幕2連敗とまだ未勝利のフランス王者JSFナンティエールとホームで対戦し、67-71で敗れた。バルセロナがホームでフランスのチームに敗れたのは1996年以来17年ぶりとなる。一方、CSKAはアウエーで開幕2連勝と好調のフェネルバフチェ(トルコ)に60-86で敗れた。この結果、フェネルバフチェは3連勝でグループAの首位にたち、敗れたCSKAは2位に転落。1勝2敗のバルセロナは4位に沈み、グループAは混戦模様を呈してきた。またグループCでは、ここまでともに無敗の昨シーズン覇者オリンピアコス(ギリシャ)と新星バイエル・ミュンヘン(ドイツ)の直接対決が行われ、88-83の僅差でオリンピアコスに軍配が上がった。ユーロリーグは3節を終えたところで、フェネルバフチェ、オリンピアコスにグループBのレアル・マドリード(スペイン)を加えた3チームが3連勝で無敗をキープしている。

女子ハンド: 欧州チャンピオンズリーグ、3チームがメインラウンド進出決定

<ラルビクら3チームがメインラウンドへ>

 女子ハンドボールのEHF欧州チャンピオンズリーグはグル―プウラウンド第4節が行われ、昨シーズンの覇者ジェールETO(ハンガリー)、準優勝のラルビク(ノルウェー)、マケドニ王者バルダール・スコピエの3チームが2節を残してメインラウンド進出を決めた。
 グループAのジュールはドイツのチューリンゲンHCを29-22で下し、無傷の4連勝で余裕のメインラウンド行きを決めた。グループDではバルダール・スコピエ、ラルビクがともに勝利して3勝目を挙げ、3位のポドラヴカ・ヴェゲタ(クロアチア)との勝ち点差が5に開いたため残り2試合での逆転が不可能となり、両チームのメインラウンド進出が確定した。
 一方、グループBは上位3チームがしのぎを削る混戦となっている。ここまで3連勝で首位に立っていたFCミッティランド(デンマーク)がメインラウンド進出に王手をかけた試合でブドゥチノスト(モンテネグロ)に15-22で敗れ、1敗で2位につけていたFTCレールカーゴ・ハンガリア(ハンガリー)がセルグロス・ルブリン(ポーランド)に26-24で競り勝ったため両者の首位が入れ替わった。勝ち点6を挙げているレールカーゴ、ミッティランドが依然有利とはいえ、勝ち点4でこれを追うブドゥチノストも実力的には互角で、このグループは最後までもつれそうだ。

アイスホッケー: 欧州カップ復活に向けIIHF会長がKHL首脳と会談へ

<IIHFのファゼル会長>

 IIHF(国際アイスホッケー連盟)のルネ・ファゼル会長は29日、かつて行われていた全欧州規模のクラブ選手権”欧州カップ”復活の提言を行うため、ロシアのサンクト・ペテルブルク入りした。
 アイスホッケーの欧州ナンバーワンクラブチームを決定する欧州カップは、1965年から1997年までの32年間にわたり続いた伝統ある大会だが、その後、欧州ホッケーリーグ(1996-2000)、欧州チャンピオンズカップ(2005-2008)と変遷を経たのち、2009年に新たに設立されたチャンピオンズホッケーリーグはわずか1シーズンで中止に追い込まれ、それから現在にいたるまでIIHF主催の欧州クラブ王者決定戦は行われていない。一方、IIHFは、欧州ホッケーリーグ、チャンピオンズカップの補完的な大会として1997年からコンチネンタルカップを主催しているが、この大会はサッカーでいうヨーロッパリーグにあたるひとつ下のレベルの大会と位置付けられており、コンセプトが異なる。この間、実質的な欧州ナンバーワンクラブを決める大会として認知されたのが、ロシアスーパーリーグ(RSL)をベースに2008年から始まったコンチネンタルホッケーリーグ(KHL)だ。当初は近隣諸国を加えた24か国でスタートしたが、その後エリアを拡大し、現在ではロシアの21チームを筆頭に、ベラルーシ、カザフスタン、ラトビア、ウクライナ、チェコ、スロバキア、クロアチアのチャンピオンクラブを含む計28チームが参加している。今シーズンはウェスタンディビジョンとイースタンディビジョンの2リーグ制を採用しており、それぞれ14チームがリーグ戦を行い、その後に行われるプレーオフで総合優勝を決める形になった。
 ファゼル会長は今回のロシア訪問で、KHLのアレクサンダー・メデヴェフ会長、SKAサンクト・ペテルブルクの会長で同連盟の実質的な最高実力者であるジェナディ・チィモチェンコ氏と会談を持ち、スカンジナビアや西欧強豪国を加えた”欧州カップ復活”を提言する考えだ。一方、メデヴェフ会長は、KHLの参加国をただちに全欧州レベルに広げることには消極的な姿勢を見せており、ファゼル会長の提言がすんなりと受けいれられる可能性は少ないと見られている。

男子バスケ: 2014年世界選手権のワイルドカードに15か国が名乗り

 2014年にスペインで開催される男子バスケット世界選手権の大陸別予選が終了し、各地域代表20チームが決まったが、残る4つの出場枠となるワイルドカード(FIBA=国際バスケットボール連盟の推薦による出場権)をめぐり15か国が名乗りを上げている。
 現在、FIBAにワイルドカードを申請している国は、アフリカからナイジェリア、北中米からブラジル、ベネズエラとカナダ、アジアから中国とカタール、欧州からボスニア・ヘレツェゴビナ、ドイツ、フィンランド、イタリア、ギリシャ、イスラエル、トルコ、ポーランド、ロシアとなっている。ワイルドカードの4か国が決まるのは来年2月1、2日に行われるFIBA理事会になるが、11月23、24日にブエノスアイレスで行われるFIBA理事会で候補国の数を削減する可能性もあるという。ワイルドカードの選考基準は、代表チームのレベルや成績に加え、その国でのバスケットボールの人気なども考慮されるという。

<2014年スペイン世界選手権出場国>
スペイン、アメリカ、アンゴラ、エジプト、セネガル、メキシコ、アルゼンチン、プエルトリコ、ドミニカ共和国、イラン、フィリピン、韓国、フランス、リトアニア、クロアチア、スロベニア、ウクライナ、セルビア、オーストラリア、ニュージーランド

男子ハンド: バスケから転身のスペイン人選手がカタール代表入りへ

 

 現在、カタールリーグのアル・キヤーダでプレーするスペイン人選手ボルハ・フェルナンデス(31)が、カタール代表入りするため国籍の取得を申請していることがわかった。カタール国籍が取得でき次第、代表に合流することになる。
 2015年の男子世界選手権の開催地に決まっているカタールは、2012年にスペインを世界一にしたバレロ・リベラ監督を代表監督に抜擢するなど強化に努めており、そのリベラ監督の下でかつてプレーしたこともあるフェルナンデスのカタール代表入りは、同監督の強い意向を受けてのものだ。
 フェルナンデスは206cmの長身ポストプレーヤーで、もともとはプロバスケット選手だった。しかし、プロバスケット選手としてプレーしていたスペイン2部リーグのCAIアラゴン時代に同じクラブでハンドボールチームを率いていたリベラ監督から転身をすすめられ、ハンドボール選手になった経歴を持つ。同選手にとってカタール代表入りは、リベラ監督に背中を押された2度目の大きな転身となりそうだ。