ヨーロッパニュース一覧

2014-1-14

ヨーロッパ・ニュース Vol.230


2014/01/14


男子ハンドボール: 欧州選手権開幕、スペイン、デンマークが白星発進成

<スペイン代表サルミエントのシュート>

 男子ハンドボールの欧州選手権(ユーロ2014)が13日にデンマークで開幕し、グループBでは世界選手権優勝のスペインがハンガリーに34-27で勝ち、王者の貫録を見せた。一方、グループAでは前回のユーロ覇者でもあるデンマークが地元の声援を受け29-21でマケドニアに快勝。ともに幸先良いスタートを切った。
 一方、グループAのもう1試合オーストリア対チェコ戦では、チェコが格下とみられていたオーストリアに20-30と10点差をつけられて敗れる波乱があった。オーストリアは次戦でデンマークと対戦する。

世界選手権開催に向けた強化が実を結びつつあるカタールハンドボール

 男子ハンドボール世界選手権開催を1年後に控えたカタールだが、チーム強化計画は順調に進んでいるようだ。カタール代表は、2013年の世界選手権でスペイン代表を優勝に導いたバレロ・リベラ監督を同国代表監督に引き抜くと、同監督の下で、国内の選手と外国からの帰化選手との融合によるチーム作りに着手しはじめた。近い将来、外国人選手を帰化させて代表チームに入れることを視野に入れ、カタールのクラブチームは海外(とりわけ欧州)のプロ選手獲得に動き、現在、カタールリーグでは、フランス人レフトバック、ベルトラン・ロアンヌ、スペイン人ポスト、ボルハ・フェルナンデス、モンテネグロ人キーパー、ゴラン・ストヤノビッチ、キューバ人レフトバック、カポーテといったトップ選手がプレーしている。こうして海外から積極的に選手を獲得したことにより国内リーグのレベルアップがはかられ、カタール人選手は日頃からワールドクラスの選手たちとプレーできる機会を得た。これまでもカタールのクラブがスーパーグローブ、アジアカップなどの大会に向け、大会期間中のみの短期契約で海外の一流選手と契約することはあったが、今ではシーズンを通しての完全移籍で選手を獲得するようになった。もちろん、カタールにやって来る選手とて単なる金目当てだけで移籍してきた者ばかりではない。現在のIHF(国際ハンドボール連盟)の規定では、最後に自国の代表選手として国際試合でプレーしてから3年以上を経ていれば他国の代表選手としてプレーすることができるため、来年行われる世界選手権、翌年のリオ五輪の大舞台にカタール代表として出場することを目指す選手たちも多い。こうしたリーグの底上げと並行して、代表チームは、海外に幅広いネットワークを持つバレロ監督のツテを活かしてスペインや欧州のクラブチームなどと多くの強化試合をこなし、着実に力をつけてきた。
 カタール代表の強化が進んでいることを証明し世界中を驚かせたのが、今年1月の4日から7日まで欧州選手権の前哨戦として行われたゴールデンリーグだ。初戦のフランス戦は前半こそ互角の戦いを見せたものの23-29で敗れたカタールだが、次戦のノルウェー戦で大方の予想を覆して34-27で歴史的勝利を挙げると、第3戦でも世界選手権準優勝のデンマーク相手に23-23と引き分ける大善戦を演じた。1年前の世界選手権でデンマークに27-41と14点差をつけられて完敗したことを考えれば、世界との差は確実に縮まっていると言えるだろう。とはいえ、このカタール代表の躍進は1年で成し遂げられたものではない。昨年の世界選手権ではチリに1勝しただけで予選敗退を喫し最終的に20位に終わったが、それでも、欧州強豪のマケドニアに30-34と4点差まで迫り、ロシア相手に22-29と善戦するなど、当時からすでにチーム強化のきざしは見えていた。
 2015年の自国開催の世界選手権では、2003年大会で成し遂げたベスト16以上を狙うカタールだが、このまま順調に強化が進めば、昨年末の女子世界選手権で初優勝を果たしたブラジルのように欧州勢を倒して世界の頂点に立つサプライズを起こすことも夢ではない。
 2019年の女子世界選手権、2020年のオリンピック開催国として結果が求められる日本ハンドボール界にとっても、同じアジアのチームであるカタール代表の躍進は決して他人事ではないし、彼らから学べることがあるはずだ。


男子バスケット: ユーロリーグトップ16ラウンド、バルサ、レアルらが2連勝

<勝利に貢献したウエルタ>

 男子バスケットボールのユーロリーグは、レギュラーシーズンを勝ち抜いたチームによるトップ16ラウンドがスタートした。
 先週行われた第2ラウンドでは、グループEのパナシナイコス(ギリシャ)、FCバルセロナ(スペイン)、グループFのバイエルン・ミュンヘン(ドイツ)、CSKAモスクワ、レアル・マドリード(スペイン)、マッカビ・テルアビブ(イスラエル)が勝利し、同ステージ2連勝を飾った。
 アウエーでトルコのフェネルバフチェと対戦したFCバルセロナは、ブラジル人マルセリーニョ・ウエルタスの活躍もあり、苦しみながらも76-73で勝利。レアル・マドリードはガラタサライ(トルコ)に89-84で勝ち、レギュラーシーズンを通じて今季のユーロリーグで負けなしの12連勝を飾った。一方、レギュラーシーズンを全勝で終え、同じくここまで全勝できたパナシナイコス(ギリシャ)がエンポリオ・アルマーニ(イタリア)に51-81という大差で敗れ、今季ユーロリーグ初黒星を喫する波乱があった。

男子バレー: 世界選手権欧州予選、フィンランドが32年ぶりの本大会出場

 


 3日から5日にかけて欧州各地で男子バレーボールの世界選手権欧州最終予選が行われ、今年9月にポーランドで行われる本大会に出場する6か国が決まった。
 欧州からはすでに、昨年の欧州選手権優勝のロシア、準優勝のイタリア、開催国ポーランドの出場が決まっているが、今回あらたにブルガリア、セルビア、ドイツ、ベルギー、フィンランド、フランスが名乗りを上げた。
 パリで行われたプールLでは、最終日にともにここまで2連勝のベルギーとフランスが対戦。昨年の欧州選手権でセンセーションを起こしたベルギーが地元のフランスを3-2のフルセットで破り、本大会出場を決めた。一方、グループ2位となったフランスだが、全グループの2位チームの中でトップとなり、ベルギーと共に本大会の権出場権を手にした。一方、グループMでは最終日にフィンランドがスロヴァキアを3-2のタイブレークで下してグループ首位を確定し、32年ぶりの世界選手権出場を果たした。

女子バレー: 世界選手権欧州予選、アゼルバイジャンが本大会へ

<世界選手権出場を決めたアゼルバイジャン>

 3日から5日にかけて行われた女子バレーボールの世界選手権欧州最終予選で、9月から10月にかけてイタリアで行われる世界選手権の本大会に出場する7チームが決まった。
 5つのグループに分かれて行われた最終予選では、各グループの首位チームに加え、全グループの中で成績上位の2チームにも出場権が与えられる。
 最終予選では、プールIのトルコ、プールKのベルギー、プールMのブルガリアが3連勝で勝ち点9を獲得して堂々の本大会出場を決めたのに対し、プールJではともに2連勝のセルビアとアゼルバイジャンが最終日に激突。両者は互いに譲らず2-2のままタイブレークに突入したが、最終セットは接戦の末18-16でアゼルバイジャンが勝ち、グループ首位となった。一方、敗れたセルビアは、タイブレークの敗者に与えられる勝ち点1を得たことで2位チームの中で最上位の成績となり、本大会への切符を手にした。また、グループLでも2連勝同士のクロアチアとオランダが最終日にタイブレークを演じ、勝ったクロアチアと敗れたオランダがどちらも本大会出場を決めている。この他、欧州からは、主催国のイタリア、欧州選手権優勝のロシア、準優勝のドイツの出場がすでに決まっている。