ヨーロッパニュース一覧

2014-1-28

ヨーロッパ・ニュース Vol.232


2014/01/28


男子ハンド欧州選手権: フランスが地元デンマークを大差で下し3度目の栄冠

<3度目の欧州制覇に喜ぶフランス代表の選手たち>

 デンマークで行われていた男子ハンドボールの欧州選手権(ユーロ2014)は26日に決勝戦が行われ、フランスが地元のデンマークを41-32の大差で破り、欧州選手権3度目の優勝を果たした。
 準決勝で優勝候補のスペインを破り勢いに乗るフランスは序盤から試合の主導権を握ると、攻守でデンマークを圧倒。23-16と大量7点リードで前半を折り返す。後半に入りデンマークもハンセンを中心に反撃に転じるが、前半に背負ったハンデを取り戻すことはできず、最後は力尽きた。なお、大会MVPにはフランス代表のニコラ・カラバティッチが選ばれた。
 また、この試合の前に行われた3位決定戦ではスペインが接戦の末クロアチアを29-28で下している。次回の欧州選手権は2016年にポーランドで開催される。

<欧州選手権ファイナルラウンド結果>
準決勝
1/24 デンマーク 29-27 クロアチア
1/24  フランス 30-27 スペイン

5位決定戦
1/24  アイスランド 28-27 ポーランド

3位決定戦
1/26  スペイン 29-28 クロアチア

優勝決定戦
1/26  フランス 41-32 デンマーク

最終順位: 1.フランス 2.デンマーク 3.スペイン 4.クロアチア 5.アイスランド 6.ポーランド 7.スウェーデン 8.ハンガリー 9.ロシア 10.マケドニア 11.オーストリア 12.ベラルーシ 13.セルビア 14.ノルウェー 15.チェコ 16.モンテネグロ

男子バスケ: レアル・マドリードの開幕以来の連勝が31でストップ

<チームメイトの祝福を受けるプラニニッチ=中央>

 男子バスケットのユーロリーグはトップ16ラウンドの第4節が行われ、グループFでは、ここまでユーロリーグ、国内リーグ戦、スーパーカップを含め31連勝中のレアル・マドリード(スペイン)がCSKAモスクワ(ロシア)に71-85で敗れ、今季初黒星を喫した。
 一方、グループEではエンポリオ・アルマーニ・ミラン(イタリア)と対戦 したアナドル・エフェス・イスタンブール(トルコ)が、2点差を追う残り1秒にプラニニッチの自陣からの超ロングスローで61-60と逆転し、土壇場で劇的な勝利を収めた。

<欧州一の予算を誇るCSKAモスクワ>
 レアル・マドリードの連勝記録をストップしたCSKAモスクワのバスケットボールチームは現在、欧州で最も豊富な資金を有している。チームの年間予算は4500万ユーロ(約68億円)で、スペインの名門クラブであるレアル・、マドリードよりも2000万ユーロ(約28億円)、バルセロナより3400万ユーロ(約48億円)も上回っている。この膨大な資金は、チームのメインスポンサーであるロシア石油精製会社ノリックス・ニッケルからの投資に負うところが大きい。
 今季予算のうち2700万ユーロ(約38億円)が選手、コーチングスタッフの年俸にあてられているが、昨シーズンは、2006年、2008年のユーロリーグを制したイタリア人の名将メッシーナ氏を監督に迎えたが、チームには欧州最高年俸300万ユーロ(約4億2000万円)のクラスティチを筆頭に、テオドシッチ、ハラパと年俸200万ユーロ(約2億8000万円)を超える選手が3人もいる。だが、潤沢な資金を有しながらCSKAは2007-2008シーズンを最後に欧州一のタイトルから遠ざかっている。昨シーズンは、NBAでロックアウト(施設封鎖)が行われた時期にキリレンコを獲得し話題をさらったがファイナル4では3位に終わり、悲願のユーロリーグ優勝を果たすことはできなかった。今季こそ欧州王者を奪回し、資金力だけでなく実力でも欧州ナンバーワンの座を手に入れたいところだ。


ラグビー: 6か国対抗(シックスネーションズ)が開幕、ウェールズの3連覇なるか

 ラグビーの欧州6か国対抗戦(シックスネーションズ)が2月1日に開幕する。
 現在2連覇中のウェールズは、ウォーレン・ゲートランドHCの下、チームの結束も固く、今大会も優勝候補の筆頭とみられている。2年ぶりのグランドスラム達成にも期待がかかる。このウェールズの3連覇阻止を狙う一番手がイングランドだ。昨年は勝率で及ばず2位に終わったものの、来年自国で開催されるワールドカップに向けてはずみをつけるためにも、このタイトルはぜひとりたいところ。昨年末のテストマッチでオーストラリアに勝ち、オールブラックスには敗れたものの善戦した。2月1日に敵地スタッド・ド・フランスで行われる初戦でフランスに勝てば、勢いに乗れるだろう。一方、昨年の大会では優勝候補と言われながら最下位に甘んじたフランス、同じく5位と期待を裏切ったアイルランドも雪辱を期す。フランスはここまで好調とは言えないが、初戦のイングランド戦を含め今大会は3試合をホームで戦えるアドバンテージがあり、これを生かしたいところだ。アイルランドは昨年秋の対抗戦でオーストラリアに大敗したものの、次の試合で王者オールブラックスを22-24まで追いつめる善戦を見せ、立ち直った。一方、最下位が定位置だったイタリアは昨年、フランス、アイルランドを破る躍進を見せ史上初の4位という好成績を収めたが、今年は同様の活躍を期待するのは難しいだろう。
 シックスネーションズ第1戦の組み合わせは以下の通り。

2/1 ウェールズ 対 イタリア (ミレニアムスタジアム=ウェールズ)
2/1 フランス 対 イングランド (スタッド・ド・フランス=フランス)
2/2 アイルランド 対 スコットランド (アヴィヴァ・スタジアム=アイルランド)




バスケット: イタリア代表、世界選手権ワイルドカード枠申請を辞退

 イタリアバスケットボール協会(FIP)は25日、イタリア男子代表チームが、今年夏に行われる世界選手権でFIBA(国際バスケットボール連盟)から与えられるワイルドカード(推薦枠)申請を辞退することを決め、イタリアオリンピック委員会(CONI)に伝えた。FIPのジオバンニ・ペトルッチ会長はCONIに対し、ワイルドカードに選ばれる条件として100万スイスフラン(約83万ユーロ=約1億1600万円)の費用を提示する必要があることを知り、「倫理的に支払える額ではない」として辞退を決めたという。また、イタリア代表のシモーネ・ピアニジャーニ監督も「ワイルドカードの選抜はもはや経済条件のみが重視される入札であり、スポーツ面での大会の実績や評価は無視されている」と述べ、FIPの決断に理解を示した。
 8月31日にからスペインで行われる男子世界選手権には、欧州から開催国スペインの他、昨年の欧州選手権で上位に入賞した6か国(フランス、クロアチア、リトアニア、スロバニア、ウクライナ、セルビア)の出場が決まっているが、イタリアはこの大会で次点の8位だった。各大陸の代表が決まった後、FIBAは予選で敗退した国の中から希望国を募り、うち4か国にワイルドカードとして出場権を与えることを決めている。ワイルドカード枠を申請している国はイタリアを含めて世界15か国で、欧州からはボスニア・ヘレツェゴビナ、フィンランド、ドイツ、ギリシャ、イスラエル、ポーランド、ロシア、トルコが申請している。