ヨーロッパ・ニュース Vol.234
2014/02/11
● 女子アイスホッケー: ソチ冬季五輪、スマイルジャパンは強豪スウェーデンに惜敗
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ソチ冬季五輪に出場しているアイスホッケー女子日本代表が開会式から一夜明けた9日に登場した。初戦でスウェーデンと対戦した女子日本代表『スマイルジャパン』は、2006年トリノ五輪銀メダルで世界ランキング6位の強豪を最小失点に抑える健闘を見せるも0-1で敗れた。
試合前、飯塚祐司監督が「試合開始直後から集中すること」と序盤戦の重要性を強調してきた日本だが、12分にスウェーデンのパワープレーから失点し、第1ピリオドで早くも先制を許す苦しい展開を強いられる。その後、徐々に本来の素早いパスワークが出始めた日本は、第3ピリオドでは2度のパワープレーを迎え、シュート数でもスウェーデンを上回る8本を放つなど必死にゴールを狙ったものの、最後まで相手の堅守を崩せず、無念のタイムアップとなった。
開催国枠として初出場を果たしたものの世界の強豪を前に5戦全敗で最下位に終わった1998年長野五輪から16年、スマイルジャパンは初めて予選を勝ち抜き、実力で辿り着いたソチの舞台で初勝利を目指し、11日に地元ロシアと対戦する。
なお、4連覇を目指すカナダはスイスに5-0、2010年バンクーバー五輪で銀メダルの米国はフィンランドに3-1でそれぞれ勝利し、幸先の良いスタートを切っている。今回のソチ五輪女子アイスホッケーには、A組の米国、カナダ、スイス、フィンランド、B組の日本、スウェーデン、ロシア、ドイツの8ヶ国が参加しており、世界ランキング上位を占めているA組4カ国は全チーム、B組は上位2チームがそれぞれ決勝トーナメントに進出する。
一方、男子アイスホッケーは12日、チェコ対スウェーデン、ラトビア対スイスのカードで幕を開ける。出場チームは、A組のロシア、スロベニア、スロバキア、米国、B組のフィンランド、オーストリア、カナダ、ノルウェー、C組のチェコ、スウェーデン、ラトビア、スイスの12ヶ国。
● 男子フットサル: 欧州選手権2014、イタリアが11年振り2度目のタイトル獲得
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ベルギーで開催されている男子フットサルの欧州選手権(ユーロ2014)は8日に決勝が行われ、イタリアがロシアを3-1で下し、自国開催で初優勝を飾った2003年大会に続き11年振り2度目の栄冠を手にした。
準決勝で優勝候補スペインを延長戦の末に4-3で下し勢いに乗るロシアを相手にイタリアは前半7分、コーナーキックからガブリエル・リマが決め幸先良く先制する。その直後、今大会8ゴールを決め得点王に輝いたエデル・リマに同点とされるものの、13分と18分に追加点を決め、イタリアが前半で2点のリードを奪うことに成功する。一方でロシアは、後半に入っても守備的にならず高い位置から果敢にプレスをかけ続けるイタリアに手を焼き、どうしても良い攻めの形を作ることができない。結局、後半は両チーム無得点のまま、イタリアが3-1で逃げ切った。なお、ロシアのシリロは、スペインと対戦した2012年大会の決勝と同じく、この試合でも2度の警告を受け退場処分となり、不本意な形での幕切れとなった。
一方、準決勝でロシアに敗れ5連覇の夢が絶たれたスペインだが、ポルトガルとの対戦となった3位決定戦では序盤から試合を支配し、異なる選手が次々に得点を重ね終わってみれば8-4で快勝し、あらためて個々のレベルの高さを証明した。
● ラグビー: シックスネーションズ、現王者ウェールズがアイルランドに大敗
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ラグビーのシックスネイションズ(欧州6か国対抗戦)の第2戦が8日と9日に行われ、大会3連覇を目指すウェールズがアイルランドに26-3の大差で敗れるサプライズが起こった。
ホームのアビバ・スタジアム(ダブリン)にウェールズを迎えたアイルランドは、アグレッシブな守備とフライハーフのジョニー・セクストンを中心とした攻撃で序盤から試合を押し気味に進めると、クリス・ヘンリーのトライなどで13-0とリードを奪って前半を折り返す。後半に入っても勢いの衰えないアイルランドは、1トライと2度のPGで更に13点を追加し、守ってはウェールズの反撃をPGの3点に抑え、26-3で快勝し、22日にアウエーで行われるイングランド戦に向けて弾みを付けた。
一方、第1戦でフランスに僅差で敗れていたイングランドは、アウエーでスコットランドに20-0で完勝し戦績を1勝1敗とし、フランスもホームでイタリアを30-10で下し、アイルランド同様に2連勝を飾っている。
● 男子バスケット: スペイン国王杯決勝でレアル・マドリードとバルセロナが激突
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9日に行われた男子バスケットのスペイン国王杯決勝で、レアル・マドリード対バルセロナの『エル・クラシコ(伝統の一戦)』が実現した。『エル・クラシコ』と言えば、世界中の関心を集めるサッカーのイベントとして有名だが、両クラブの対決はバスケットでもヨーロッパの強豪同士として高い注目度を誇っている。
今シーズンのレアル・マドリードは、国内リーグでここまで18戦全勝の単独首位に立っているだけでなく、ユーロリーグでも1月23日に行われたトップ16ラウンド第4節のCSKAモスクワで黒星を喫するまで連勝を維持するなど、圧倒的な強さを誇っている。その一方、バルセロナはユーロリーグのレギュラーシーズンで初出場のJSFナンテール(フランス)に不覚を取るなど、安定感に欠ける苦しい前半戦を過ごしたものの年明けから始まったトップ16ラウンドでは第3節で昨シーズンの覇者オリンピアコス(ギリシャ)を下し、ここまで5戦全勝でグループEで首位に立つなど、本来の勝負強さを取り戻しつつある。
そんな中で行われたスペイン国王杯の決勝は、バルセロナが第1ピリオド(17-16)と第2ピリオド(42-38)でリードを奪えば、第3ピリオド(59-60)でレアル・マドリードが逆転する期待通りの緊迫した展開となる。一進一退の攻防で迎えた第4ピリオドでは、試合終了寸前に追加点を奪ったレアル・マドリードが76-77の僅差でバルセロナを下し、24度目の国王杯優勝を達成すると共に、昨年10月5日に行われたスーペルコパ(2012-13シーズンの国王杯で優勝したバルセロナ対同シーズンの国内リーグ戦を制したレアル・マドリード)に続く今シーズン2個目のタイトル獲得となった。
● 男子ハンドポール: アジア男子ハンドボール選手権、スペイン人指揮官率いるカタールが初優勝
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海外のプロ選手を積極的に獲得し、国内クラブチームのレベルアップを図ると同時に、代表でも2013年の世界選手権でスペイン代表を優勝に導いたバレロ・リベラ監督を招聘するなど、来年に控える自国開催での世界選手権に向け、数年前から地道な強化プランを推し進めているカタールが、1月25日から2月6日にバーレーンで行われたアジア男子ハンドボール選手権で見事に初優勝を飾った。
今年1月に行われたゴールデンリーグで、ヨーロッパの強豪ノルウェーに勝利し、デンマークに引き分けるなど、既にその高いポテンシャルの片鱗を覗かせていたカタールは、今回のアジア選手権でも予選リーグを5戦全勝の首位で決勝トーナメントに進出すると、準決勝でイランを23-22、決勝では地元バーレーンを27-26で下し、悲願のタイトルを手に入れた。なお、2勝3敗の5位で予選グループを終えた日本は、12カ国中9位の成績を残している。
また、カタールに限らず、今大会で3位に入ったイランではラファエル・ギホサ氏、4位のアラブ首長国連邦ではフリアン・ルイス氏と、いずれもスペイン出身の監督が指揮を取り好成績をしている。その一方で、本国スペインでは長引く不況により多くのハンドボールクラブが深刻な財政難に苦しんでおり、有力選手が次々と海外へ移籍するケースが増加し、国内リーグのレベル低下を危惧する声が上がっている。