ヨーロッパ・ニュース Vol.238
2014/03/11
● ラグビー・シックスネイションズ: イングランドがウェールズの3連覇を阻止
|
||||
ラグビーのシックスネイションズ第4節が8日と9日に行われ、イングランドが”敵地”カーディフでウェールズを29-18で下した。
イングランドは初戦でフランスに敗れたものの、その後はアイルランド、スコットランド、ウェールズに勝利して2003年以来のトリプルクラウン(シックスネイションズで英国に属する3チームに勝利すること)を達成した。敗れたウェールズは2敗目となり優勝争いから脱落、大会3連覇を逃した。その他の試合ではアイルランドが46-7の大差でイタリアを破り、フランスも19-17でスコットランドに勝ったため、イングランドを含む3チームがともに3勝1敗で並び、優勝争いは最終節に持ち越された。現時点では得失点差81点で首位に立つアイルランドが2位のイングランドに得失点差で49点上回っており、最終戦のフランス戦で勝利すればアイルランドの優勝がほぼ決まる。一方、2位のイングランドと3位のフランスの得失点差も29点差と大きく、フランスがアイルランドに勝ってもイングランドがイタリアに勝てば、両者は勝率で並ぶもののイングランドが優勝する可能性が極めて高い。フランスが優勝するためには、自らがアイルランドを破り、かつイングランドがイタリアに敗れる波乱に期待するしかない。こう考えると、優勝争いはアイルランドとイングランドの2チームに絞られたと見てよいだろう。
● 女子サッカー・アルガルベカップ: 日本は決勝進出、アメリカは1勝もできず敗退
女子サッカーの国際大会アルガルベカップが5日に開幕し、オープニングマッチでいきなり対戦したFIFA世界ランキング1位のアメリカと3位の日本が明暗を分けた。グループBの初戦でアメリカと対戦した日本は押され気味ながらも1-1で引き分けると、第2戦でデンマークに1-0で勝利し1勝1分けとする。10日の第3戦で準決勝進出をかけて2連勝中のスウェーデンと対戦した日本は、この試合で2-1で逆転勝利を収め、勝ち点でスウェーデンを上回りグループBの首位となり、グループAですでに1位が確定しているドイツとの決勝戦に進んだ。
一方、ロンドンオリンピックから選手を大幅に入れて替えこの大会に臨んだアメリカは初戦で日本と引き分けた後、第2戦ではスウェーデンに0-1で敗れ、10日の最終戦でもデンマークに3-5で敗れ2連敗を喫し、予選ラウンドで1勝もできずに順位決定戦にまわった。同大会でアメリカが2連敗したのは2001年以来のことで、公式戦で5点を奪われたのはチーム史上初となる。
● 男子ハンドボール: イラン代表のスペイン人監督が協会の人事に反発
|
||||
先月行われた男子ハンドボールのアジア選手権は、本大会に出場する上位4チームを中東勢が占めるという結果に終わったが、そのうちの3チーム(カタール、イラン、UAE)を率いたのがスペイン人監督だったこともあり、アジアにおけるスペイン人監督の評価がさらに高まることになった。優勝したカタールは、前回の世界選手権で優勝したスペイン代表監督だったバレロ・リベラ氏を破格の待遇で引き抜いたが、リべラ氏は別格として、3位となったイランの監督ラファエル・ギジョーサ氏、4位ながら世界選手権出場の切符を勝ちとったUAEの監督ジュリアン・ルイス氏は、いずれも過去に代表監督の経験はなく、欧州トップクラブでの優勝といった実績もない国際的には無名の監督だ。彼らは異文化のチームを率いることを決め、結果を出すことで自らの知名度を高めることに成功したと言えるだろう。
とはいえ、すべてが上手く進んでいるというわけではないようだ。イラン代表のギジョーサ監督は現在、同国協会への不信感を募らせていると言う。その発端は、アジア選手権後に同監督の知らないところでイラン協会が代表のテクニカルディレクターとしてイラン人のボルト・マセック氏を任命したことによる。マセック氏は2010年にイラン代表監督を務めていた人物だが、ギジョーサ氏はこの人事への不快感を隠さず、スペインメディアに対し「協会がテクニカルディレクターを任命したのであれば、それは自分への背信行為だ」「私は、自分が信頼する(スペイン人)コーチとともに新たな一歩を踏み出すつもりでいたし、それが(自身が続投するための)協会との約束だったはずだ。私としては、世界選手権に向けてよりよい環境で仕事をしたい」とコメントし、公に協会への不信感を露わにした。ギジョーサ監督は、第2監督を含めたコーチングスタッフのほとんどを腹心のスペイン人で固めているカタールのリベラ監督を引合いにだし、スタッフがイラン人のみという自身の境遇を比較。より大きなステップアップのためには状況の改善(スペイン人スタッフの補強)が必要と訴えている。イラン協会との契約により、世界選手権出場を果たした場合、ギジョーサ監督の代表監督としての継続は自動的に更新されることになっているが、「世界選手権出場は魅力的だし自分のキャリアップにもなるが、いかなる値段、いかなる条件でも引き受けるわけではない」と述べており、続投するか否かは協会の条件次第であるとの立場をとっている。ギジョーサ氏は、イランの代表監督とともに同国のクラブチームSamen Al-Hojajの監督も兼任しているため、リーグ戦終了後にイラン協会との交渉を行う考えだ。
● 男子バスケット: バルサのピューレンが1試合12スリーポイントのリーグ新記録
|
||||
スペインの男子プロバスケットリーグACBの試合でバルセロナのアメリカ人のポイントガード、ヤコブ・ピューレンが12回のスリーポイントを決める快挙を達成した。8日に行われたバルセロナ対バジャドリード戦に第2クオォーターから出場したピューレンは、15回放ったスリーポイントシュートのうち12回を成功させ、20年前にブラジル人のオスカル・シュミットが作った1試合最多スリーポイント(11回)の記録を塗り替えた。ピューレンはスリーポイントシュートによる36ポイントを含む42ポイントをひとりでたたき出し、バルセロナの圧勝(111-66)に貢献した。現在24歳のピューレンは2011年にカンザス州立大を卒業した後イタリアのアンジェリコ・ビエラと契約。その後、イスラエルのハポエル・エルサレム、イタリアのビルトゥス・ボローニアを経て今季からバルセロナでプレーしている。アメリカ出身だが、グルジア代表チームでプレーするため同国籍も取得している。