ヨーロッパニュース一覧

2014-3-18

ヨーロッパ・ニュース Vol.239


2014/03/18


ラグビーシックスネイションズ: フランスとの接戦を制したアイルランドが優勝

<接戦の末、優勝を決めたアイルランド>

 ラグビーのシックスネイションズは15日に最終節が行われ、アイルランドがフランスを22-20の僅差で下し、2009年大会以来5年ぶりの優勝を果たした。
 ここまでアイルランド、イングランド、フランスが3勝1敗で並ぶ三つ巴の展開で迎えた最終戦、最初に行われた試合でイングランドが52-11と大差をつけてイタリアに快勝し、先に優勝に王手をかける。一方、イングランドを押さえて優勝するためにはアウエーでのフランス戦に勝利するしかないアイルランドは、この試合が最後のシックスネイションズとなるベテランCTBオドリスコルがスタメン出場する。ホームの大歓声に後押しされたフランスは、開始早々2分にPGを決めて先制すると、16分にもPGから6-0とリードを広げる。だがその後、アイルランドも立て続けにトライを決めて試合をひっくり返す。それでも、優勝の望みがほぼ潰えたとはいえ意地を見せたいフランスは32分にトライとCGを決め13-12と再度逆転に成功し、フランスリードのまま前半が終了する。後半に入るとアイルランドはセクストンがトライとCGを決めてまたもや逆転。直後に得たPGも決めて22-13と一気にフランスを引き離しにかかる。ところが、ここからフランスが怒涛の反撃に転じ、ゲームはエキサイトする。63分にザルゼウスキのトライとCGで20-22まで追い上げたフランスは、終了直前にもショーリーがコーナーギリギリにトライを決めたかに思われたが、主審はビデオ判定を要求。この結果、トライ前のプレーでフランスにスローフォワードの反則があったとしてノーゴールに。結局、試合はこのまま終了し、逆転に次ぐ逆転の乱戦を制したアイルランドが、4勝1敗で並ぶイングランドをポイント差で上回り優勝を決め、英雄オドリスコルのラストゲームに花を添えた。

<シックスネイションズ2014最終順位>
1.アイルランド(4勝1敗) 2.イングランド(4勝1敗) 3.ウェールズ(3勝1敗) 4.フランス(3勝1敗) 5.スコットランド(1勝4敗) 6.イタリア(6敗)

<世界最多キャップを誇るアイルランドの英雄オドリスコル、最後の国際試合で栄冠>

 

 優勝したアイルランドの国民的英雄CTBブライアン・オドリスコルの最後の代表戦となったこの日は、多くのラグビーファン、とりわけアイルランドの人たちにとって忘れられない一戦となるだろう。も14年前の第1回シックスネイションズで(※それまではイタリアを除くファイブネイションズであった)、オドリスコルはこの日と同じスタッド・デ・フランスの舞台に立っていた。この試合でハットトリック(3トライ)を決めたオドリスコルは、アイルランドのフランスでの28年ぶりの勝利に貢献し、一躍ラグビー界のスターダムに躍り出た。
 その後、オドリスコルはアイルランドの主将として長らくチームを引っ張ってきたが、35歳になり、今季限りでの現役引退を表明した。オドリスコルは代表で世界最多の141キャップ(アイルランド代表133、ブリティッシュ&アイリッシュライオンズ8)を獲得、アイルランド代表の歴代最多トライ記録(46)も打ち立てるなど、まさに伝説的存在となった。2006、2007、2009年のシックスネイションズでは大会最優秀選手に選ばれるなど、アイルランドを代表する、そしてラグビー界に大きな功績を残した偉大な選手だ。ナショナルチームでの試合はこれが最後となるが、所属クラブのレンスターは現在リーグ戦(プロ12)で首位に立っており、ハイネケンカップでも準々決勝に勝ち上がっているだけに、今季さらなるタイトルを獲得し、有終の美を飾りたいところだ。

女子バレー: ガモアのディナモ・カザンが欧州チャンピオンズリーグ制覇

<優勝を喜ぶディナモ・カザンの選手たち>

 女子バレーボールの欧州チャンピオンズリーグは15、16日にアゼルバイジャンのバクーでファイナル4が行われ、16日の決勝戦では、ロシアのエース、エカテリーナ・ガモアを擁するディナモ・カザン(ロシア)と昨季のCL女王ワクフバンク(トルコ)が対戦した。
 準決勝で地元のラビタ・バクーをストレートで破り勢いに乗るディナモ・カザンは、エジザージュバッシュとのイスタンブールダービーを3-1で制し決勝進出を決めた昨季のCL王者ワクフバンク相手に堂々たる戦いを見せた。今季公式戦無敗のワクフバンクは終始安定したバレーでゲームの主導権を握るが、カザンは202cmのガモアの高さを生かした高さとパワーのバレーで対抗すると、 要所で着実にポイントをものにして競り合いを制すと、終わってみれば3-0(25-23、25-11、25-23)のストレート勝ちで優勝した。なお、この試合で最多21ポイントを決めたカザンのガモアがMVPに選ばれた。
 なお、3位決定戦ではエジザーシュバッシュがラビタ・バクーを3-0で下している。

<ガモアがMVP、アジア人初のCLベストセッターにタイのトムコム>
 今季の女子チャンピオンズリーグは全日程を終了し、優勝セレモニーに続き大会ベストプレーヤーが発表された。MVPはディナモ・カザンのロシア人エース、ガモアが受賞したが、ベストセッターにラビタ・バクーのタイ人セッターノゥートサラ・トムコムがアジア人のセッターとしては初めて選ばれた。



女子バスケ: 世界選手権組み合わせ抽選、日本はスペイン、チェコ、ブラジルと同組

 

 9月27日からトルコで行われる女子バスケットボール世界選手権の組み合わせ抽選が15日にトルコの首都イスタンブールで行われ、アジア王者として出場する世界ランキング17位の日本は、ブラジル(世界ランキング7位)、スペイン(世界ランキング6位)、チェコ(世界ランキング5位)と同じグループAに入った。
 決勝トーナメントに進むにはグループ3位までに入らなければならないが、チェコは前回の世界選手権で準優勝、スペインは3位入るなど、いずれもかなりの強豪だ。また、リオ五輪に向けて着実に強化が進んでいるブラジルも手ごわい相手になる。日本は9月27日にスペインと初戦を戦う。

<世界選手権予選ラウンド組み合わせ>
グループA: ブラジル、日本、スペイン、チェコ
グループB: モザンビーク、トルコ、フランス、カナダ
グループC: 韓国、キューバ、オーストラリア、ベラルーシ
グループD: セルビア、中国、アメリカ、アンゴラ




女子サッカー: アルガルベカップはドイツが3度目の優勝、なでしこは準優勝

<ドイツがなでしこを破り優勝>

 ポルトガルのアルガルベ地方で行われていた女子サッカーの国際トーナメント、アルガルベカップは12日に決勝戦が行われ、ドイツが3-0で日本に快勝し、同大会通算3度目の優勝を果たした。2012年の決勝戦(4-3でドイツが勝利)と同じ顔合わせとなったが、なでしこジャパンは前回に続いて敗れ、初優勝を逃した。FIFAの世界ランキングでは日本が3位、ドイツが2位だが、これまでの両者の対戦成績は日本の1勝1分11敗と大きく負け越している。
 なお、同じ日に行われた3位決定戦ではアイスランドが2-1でスウェーデンを破っている。

<アルガルベカップ最終順位>
1.ドイツ 2.日本 3.アイスランド 4.スウェーデン 5.中国 6.デンマーク 7.アメリカ 8.北朝鮮 9.ロシア 10.ノルウェー 11.オーストリア 12.ポルトガル

バレー: ブラジル連盟会長が収賄スキャンダルで辞任、FIVB会長は継続の意向

 

 ブラジルバレーボール連盟(CBV)会長で国際バレーボール連盟の会長(FIVB)も務めるアリイ・グラサ氏が14日付でCBVの会長職を辞任することが明らかになった。CBVのメインスポンサーであるブラジル銀行との契約に際し、同会長が仲介手数料として1000万レアル(約4億3000万円)を受け取っていたことが発覚し、スキャンダルに発展したことの責任を問われての辞任となった模様。CBVは正式に同氏の辞任を認め、これを発表した。なお、同氏はFIVBの会長職については引き続き続ける意向だと言う。

フットサル: スペインカップはインテル・モービスターが優勝、リカルジーニョMVP

 

 フットサルのスペインカップは16日に決勝戦が行われ、インテル・モービスターが終了間際の決勝点でエル・ポソを4-3で下し、2009年以来、通算8度目となる優勝を果たした。
 かつて2003年から2009年までの間、両者はスペインで黄金時代を築き、幾多の大会で決勝戦を戦ってきたが、ここ数シーズンはバルセロナに主要タイトル独占を許してきた。だが、2010-11、2012-13シーズンに名古屋オーシャンズでプレーしたポルトガル人スター、リカルジーニョを擁するインテルは、準決勝でそのバルセロナを6-1で撃破し、決勝進出を果たす。一方のエル・ポソも準決勝でサンティアゴを5-0で退け、両者とも好調を維持して決勝に臨んだ。決勝は互いに譲らないシーソーゲームとなったが、3-3の同点で迎えた試合終了0.16秒前にブラジル人バテリアのゴールが決まりインテルが土壇場で劇的な勝利を収めた。なお、MVPにはリカルジーニョが選ばれた。