ヨーロッパ・ニュース Vol.241
2014/04/01
● 男子バスケット: ユーロリーグ、トップ16ラウンド第12節、バルセロナが無傷の12連勝
|
||||
男子バスケットのユーロリーグは、27日と28日にトップ16ラウンドの第12節が行われた。レギュラーシーズンでの苦戦から一転、ここまで順調に勝ち星を重ねているグループFのバルセロナ(スペイン)は、今節もホームでパナシナイコス(ギリシャ)を84-62で下し連勝を12に伸ばすとともに、2節を残して早くもグループ首位通過を確実のものとした。またグループEでは、CSKAモスクワ(ロシア)とレアル・マドリード(スペイン)が共に10勝2敗で熾烈な首位争いを続けており、7勝5敗で3位に付けているマッカビ・エレクトラ(イスラエル)を大きく引き離している。
それとは対照的に、バルセロナやCSKAモスクワの強豪と同組になりながらもグループを首位で通過するなどレギュラーシーズンで好成績をおさめていたフェネルバフチェ(トルコ)が、トップ16ラウンドで予想以上に厳しい戦いを強いられている。初めの3試合で連敗しスタートダッシュに失敗すると、その後も復調の兆しは見えず、現在グループFで5勝7敗の5位と、ベスト8進出圏外に沈んでいる。さらに、チームの不調を象徴するかのように28日のエンポリオ・アルマーニ・ミラン(イタリア)戦では、審判団に執拗に抗議したジェリコ・オブラドビッチ監督が退場処分となり、指揮官を失ったチームも73-82で敗れ、ホームで手痛い7敗目を喫するなど状況は悪化の一途を辿っている。
● 男子バスケット: 深刻な財政難に苦しむビルバオ・バスケット、クラブ再建を目指し経営陣トップを更迭
|
||||
2004-05シーズンよりスペインのトップリーグに在籍し、2シーズン前にはユーロカップで準優勝を果たしたビルバオ・バスケットが深刻な財政難に陥っている。同クラブは現在、600万ユーロ(約8億5000万円)の負債を抱えており、所属選手を含めクラブ関係者への給与も1年以上に渡って滞納された状態が続いているという。クラブの無責任な経営に怒りと失望を隠せない選手たちは、状況の改善を強く求め、ついにストライキを決行。30日に予定されていた国内リーグ第25節のバルセロナ戦の開催が危ぶまれていただけでなく、最悪の場合には降格処分が下される可能性も指摘されていた。
最終的にクラブは最高責任者ゴリカ・アリンダ氏を更迭し、新たな体制の下で再建を目指すことでひとまず選手たちの合意を取り付けることに成功した。選手たちもバルセロナ戦の2日前にようやくストライキを解除し、予定通り30日の試合に臨んだものの、当然準備不足は否めず、ヨーロッパ屈指の強豪の前に75-104の大差で敗れる結果となった。
なおクラブは新しいスポンサーの獲得など、新たな収入源の一日も早い確立を迫られており、緊迫した状況はもうしばらく続くと見られている。
● 男子バレーボール: CBV元会長、スポンサー契約延長に関する不透明な金銭の支払い報道に言及
国際バレーボール連盟(FIVB)のアンディ・グラサ会長は25日、自身がブラジルバレーボール協会(CBV)の会長を務めていた1997年から2012年の期間中、スポンサー契約延長の交渉を担当した数企業に対し合計600万レアル(約2億7000万円)の手数料が支払われていた事実を同国スポーツ新聞『ランス』とのインタビューで認めた。
過去23年間に渡ってブラジル代表を支援してきた同国最大の商業銀行であるブラジル銀行との契約延長にかかわったのは主にS4G社や、当時CBVの役員だったマルコス・ピナ氏が所有するSMP社などで、技術協力という名目で両社に200万レアル(約9100万円)ずつが配分されていたようだ。
しかしながらグラサ会長は、この事実が発覚した時点で協会の利益を第一に考え、関係企業との提携の見直しを行ったことを強調すると同時に、この手数料の支払いを理由に協会内で強い発言力を求めるグループから8ヶ月間に渡り脅迫を受けた過去も明らかにした。なおCBVがブラジル銀行と新たに結んだスポンサー契約は、2012年から2017年までの5年間で3億5000万レアル(約160億円)と、同国スポーツ界の歴史の中で最大の支出額であったと見られている。
グラサ会長の発言を受け、CBVはスポンサー契約延長の交渉は第三者を介さずブラジル銀行と直接行われたことを言明しており、一方のブラジル銀行も、協会に対し詳しい状況の説明を求めると共に、場合によってはすべてのスポンサー契約を白紙に戻す可能性さえも示唆している。
またスポーツ専門チャンネル『ESPN』の報道によれば、CBVが手数料として提携企業に支払った金額の合計は、グラサ会長の明かした数字よりも多い1000万レアル(約4億6000万円)であったと見られている。
● 男子ハンドボール: EHL、汚れた手で審判団に握手を求めた選手を規律処分
欧州ハンドボール連盟(EHF)の規律委員会は、試合後に”汚れた手”で審判団に握手を求めたとして、レアレ・アデマル(スペイン)でピボットを務めるブラジル人レオ・ドメネク・アルメイダに1試合の出場停止処分、そして所属クラブにも500ユーロ(約7万円)の罰金を科すことを決定した。
EHFの報告書によれば、ドメネク・アルメイダは今月16日に行われたEHFカップのグループリーグ第7節、ハノーファー・ブルグドルフ(ドイツ)戦の終了直後、滑り止めとして使用される松やにが意図的に多く塗られた手で審判団に握手を求めたと見られている。
クラブはEHFの下した処分を全面的に受け入れる意向を示しているものの、ドメネク・アルメイダ本人は、この事実を一貫して否定しており、同選手の直後に審判団と握手を交わしたマリオ・カリージョも特に不審な点は感じられなかったと同僚を擁護するコメントを残している。なお試合は、27-26でホームのハノーファー・ブルグドルフが勝利している。
● 女子サッカー: 永里のポツダムが準決勝に進出、近賀のアーセナルはベスト8止まり
|
||||
サッカーの女子欧州チャンピオンズリーグは、ベスト8ラウンドのセカンドレグが行われ、永里亜紗乃が所属するポツダム(ドイツ)は、ホームでトレス(イタリア)を4-1で下し、危なげなく準決勝進出を決めた。永里は8-0で大勝したファーストレグに続き、この日もFWとして先発でピッチに姿を現すと、38分には先制ゴールをマーク。前半だけでベンチに退いたものの、積極的なプレーでチームの勝利に大きく貢献した。
一方、バーミンガムとのセカンドレグをホームで戦ったアーセナルは、0-2で敗れ、ファーストレグとの合計スコアを0-3とされ、惜しくもベスト8での敗退が決定した。今年2月にINAC神戸からアーセナルへ移籍した近賀ゆかりは、ファーストレグに続き、この日もDFとしてフル出場を果たしたもののチームは敗れ、欧州の舞台から姿を消す残念な結果となった。
一方、ブラジル代表マルタを擁するティルソ(スウェーデン)はノイレンバッハ(オーストリア)、昨シーズンの覇者ヴォルフスブルク(ドイツ)はバルセロナ(スペイン)をそれぞれ下し準決勝に駒を進めている。