「女子バレー世界選手権」「バスケット」「男子ハンド」 「女子サッカー」「女子バスケット」
●女子バレー世界選手権:アメリカが初優勝、中国は準優勝
●バスケット:ユーロリーグ開幕戦でバルサがバイエルンとの対決を制する
欧州のクラブ王者を決めるユーロリーグのレギュラーシーズンが開幕した。
開幕カードで注目の一戦となったのは、グループCのFCバルセロナ(スペイン)対FCバイエルン(ドイツ)だ。サッカーファンには垂涎の一戦である名門クラブ同士の対戦だが、バスケの世界ではやや趣が異なる。 サッカー同様に欧州のトップクラブであるバルセロナに対し、昨シーズン、初めてユーロリーグ参戦を果たしたバイエルンは、いわば挑戦者の立場ともいえる。そのバイエルンを率いるのが、2003年にバルセロナでユーロリーグ初制覇を達成したセルビア人の名将スベティスラブ・ペシッチヘッドコーチだ。バルセロナを知り尽くすペシッチコーチの下、敵地に乗り込んだバイエルンは積極的に攻撃をしかけ序盤からバルセロナと互角の戦いを見せ、試合はシーソーゲームとなる。しかし、最後はリードを守り続けたバルセロナが83-81の2ポイント差で接戦を制した。
一方、グループBでは昨シーズンの王者マッカビ・テル・アビブ(イスラエル)がリモージュ(フランス)を92-76の大差で下し、幸先良いスタートを切った。
●男子ハンド:欧州CL第4節、PSGが破竹の4連勝
男子ハンドボールの欧州チャンピオンズリーグはグループラウンド第4節が終了し、グル―プAのPSG(フランス)、グループCのベスプレム(ハンガリー)、グループDのタウロン・キルツェ(ポーランド)の3チームが勝ち、開幕4連勝を飾った。
グループA首位のPSGは、アウエーでマシュコフ・ブレスト(ブルガリア)に苦戦したものの、28-29の1点差で逃げ切り、無敗を守った。そのPSGとグループ首位争いを演じるキールは、第2節では不覚の黒星を喫したものの今節はメタルルグ(マケドニア)を27-42と粉砕し調子を取り戻している。次節ではいよいよ両者の直接対決が見られる。
一方、グループBでここまで首位に立つコリング(デンマーク)はホームでバルセロナと対戦し、27-27で引き分けた。
●男子ハンド:ハンガリー代表の新監督にドイシェバエフ氏
ハンガリーハンドボール協会(MKSZ)は、旧ソビエト連邦キリギス共和国出身で、その後スペインに帰化したタラント・ドイシェバエフ氏が、来年1月より同国男子代表チームの監督に就任することを発表した。
ドイシェバエフ監督は、現役時代はハンドボールのスペイン代表メンバーとしてオリンピック、世界選手権で金メダルを獲得するなど活躍し、引退後もスペインリーグのシウダー・レアル(現在は消滅)を率いてリーグ戦4連覇、欧州チャンピオンズリーグ3連覇を達成するなど実績を残した。
2013年にシウダー・レアルを引き継いだアトレティコ・マドリードのハンドボール部門閉鎖に伴い、ポーランドの1部リーグに所属するターギ・ケルツェの監督に就任したが、ここでもリーグ優勝を果たしている
男子のハンガリー代表チームは2012年のロンドン五輪で5位、2013年のスペイン世界選手権でも8位に入賞している欧州強豪国のひとつだが、来年行われるカタール世界選手権の欧州予選で敗退し、出場を逃している。この結果を受け、2016年のリオ五輪出場を目標に掲げるMKSZは、クラブチームで実績を挙げているドイシュバエフ氏に白羽の矢を立てた。
●女子サッカー:欧州WCL開幕、初出場のリバプールはファーストラウンド敗退
●女子バスケット:イギリスに女子の新リーグが誕生、プロ化を目指す
バスケットボールが盛んな欧州においてイギリスは男女ともにスペイン、フランス、ドイツといった“バスケットエリート”から大きく後れをとっている。2012年のロンドン五輪では、主催国枠で出場した男女GB(英国代表)チームはわずか1勝しかできず、五輪のための強化費として投資された800万ポンド(13億円)は無駄になってしまった。その後も、男子チームが来年行われる欧州選手権の出場権を逃すなど低迷が続いている。
その一方で、女子については明るいきざしが見られる。今季、男子のプロリーグBBL(イギリス・バスケットボールリーグ)の傘下に、新たにWBBL(女子イギリス・バスケットボールリーグ)が設立され、今後の5年間でプロ化を目指すことになった。
現状、イギリスの女子トッププレーヤーはアメリカのWNBA(米女子プロバスケットボールリーグ)もしくは欧州他国のクラブチームでプレーしているが、WBBLでは、こうしたイギリス出身の一流選手を地元に呼び戻すための受け皿となるプロチームを生み出すことを目標としている。また、イギリスはトップレベルだけでなく草の根レベルでの普及活動にも力を入れている。自国開催の五輪に向けたエリートプログラムは失敗したが、スポート・イングランド(全英スポーツ議会)は、今後の国内でのバスケット普及活動のために、2013年から2017年にかけて900万ポンド(約15億5000万円)の補助金を拠出することを決めている。イギリスは、エリート育成に特化した強化方針を捨て、草の根レベルでの競技普及と国内リーグ強化を進めることにより、ナショナルチームを欧州のエリート国へ育てる方向へ舵を切りつつある。