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最強のコーチング


 選手として、また指導者としても日本ラグビーの先頭を走り続ける名将・清宮克幸。2001年から5シーズンに渡って母校・早稲田大学ラグビー蹴球部の監督を務めた清宮が手がけた5年間の改革の集大成を10のコーチング哲学に分類したのが本書。
 「『場』の活用法」「目的の明確化」「目標の数値化」「朝令暮改のすすめ」といった項目が、早大ラグビー蹴球部での事例を元に、ビジネスの現場に照らし合わせて分かりやすく解説されている。選手時代はサントリーの営業との二足の草鞋を履いていた清宮が、「いかに時間をかけずに仕事をし、しかも結果を出すか」を念頭に置き、実際にラグビーと仕事の両方で結果を残してきたノウハウが事細かに記されている。
 本書で、清宮は「会社組織全体を強くするためには、その組織を構成するグループやチームを強化する以外に方法はない」と結論づけているが、これは早稲田の監督として「いかにチームを強くするか」という目標に通ずるものだ。
 ラグビーファンには、当時の名選手の知られざるエピソードを知る楽しみが、ビジネスマンには、仕事におけるより効果的な立ち回り方がみえてくる。=敬称略