エスキモーに氷を売る 魅力のない商品を、いかにセールスするか
「観客動員数最下位の全米プロバスケットボールチームを、最弱のまま高収益チームへと変貌させた、奇跡のマーケティング。どんな分野の、どの商品にも、どの企業にも適用できる、目からウロコが落ちる驚くべき手法」 本書の紹介として帯には上記のように紹介されている。著者のジョン・スポールストラは、NBAのポートランド・トレイルブレイザーズ副社長、デンバーナゲッツ社長兼CEOを歴任した後、1991年当時NBAで観客動員数最下位だったニュージャージー・ネッツの社長兼CEOになり、独自のマーケティング理論を適用して、NBA27球団中、一位のチケット収入伸び率を達成している。本書は、著者がいかにして観客動員数最下位だったニュージャージー・ネッツを高収益チームに導いたのか、そのエッセンスを惜しむことなく公開している。 「自社の商品が我々を救うことはない」という考えのもと、魅力のない商品をいかに売るかを具体的に述べている。スポーツチームの集客を考えるにあたって、スター選手の存在やチームの成績は重要な要素の一つに思われるが、本書ではそのことには触れていない。 “顧客の購入頻度を高める方法”“自社の商品に関心を持ってくれる人をターゲットにする” “誠意ある販売の方法”“経営が厳しくなったらセールススタッフを増やすべきだ”等、チームの成績に左右されない経営手法を述べている。 スポーツチームの経営に携わる人々には必携の書であり、その他ビジネスにも応用可能な良書と言えるだろう。
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