イチオシ!スポーツ Book Review一覧

イチローの流儀




 まだ記憶に新しいWBC(ワールドベースボールクラシック)決勝でのイチローの決勝打。日本全国民が、歓喜・涙し感動した場面ではなかっただろうか。WBC2連覇は日本野球の質の高さを少なからず世界に示せたものであるだろうし、そのハイライトを持っていくあたりがスーパースターといわれる由縁であろう。
 本書は、常に天才と称されアメリカ大リーグでも不動の地位を築いているイチローを、共同通信社のマリナーズ担当記者である著者が膨大な量の取材を通して詳細に分析している。「イチローは、何を考えているのか?」この疑問を常に念頭に置きながら行われている取材は、大記録達成の裏側・スランプ脱出法・試合前の準備・オフの日の過ごし方などあらゆる角度から行われており、非常に興味深い内容となっている。イチローに関する書籍は多く出版されているが、年間平均200試合以上の試合取材を行っているなど、誰よりも多くイチローの取材を行っている著者の話には説得力があり、リアルなイチローを見ることができるだろう。
 フィールドは違っても日々様々な競争に挑んでいかなければならない現代人にとって、イチローの成績面や技術面だけでなく、それを生み出す秘訣、つまり「考え方」を公私にわたって分析している本書は、大変参考になる一冊と言えるであろう。