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オシム@愛と勇気


 TwitterやFacebookなど、ソーシャルネットワーキングシステムを利用した呼びかけで、チュニジアやエジプトで革命が起きた。2011.3.11に発生した東日本大震災でも、Twitterが連絡手段として存在感を示し、多くの著名人が世界中で日本復興への祈り、協力を呼びかけた。この新しいメディアをスポーツ界もどんどん利用していくべきではないか。そんな中、南アフリカワールドカップ杯期間中、スカパー!がTwitterを利用し、元日本代表監督であるオシムのつぶやきを発信。「ツイートをフォローしながら試合を見る」という、新しいスポーツ観戦方法が日増しに浸透していった。オシムの通訳をしていた千田善氏による解説とともに、つぶやきを綴っている。

 「本来ならもう一回監督としてワールドカップに出場する予定だった」オシム。我々、日本国民もそれを期待し、ワールドカップが終わった今でも「オシムが監督だったらどこまで行けただろう」と、考えることがある。オシムのつぶやきをTwitterに反映させることは、そんな期待にも少なからず応えていた。交代のタイミング、誰をピッチサイドで鼓舞するのかなど、オシム監督の姿が自然とイメージされる。

 日本が2014年のブラジルワールドカップで更なる上位を狙うならば、我々も変わる必要がある。オシムの視点、言葉の深みに触れ、もっとサッカーを知るべきだ。海外のクラブで活躍する選手が増え、Jリーグよりも海外の選手に目が向きがちになるが、メディアの扱いの大きさだけで選手を判断するようなことがあってはならない。カメルーン戦翌日の新聞は、本田ばかり持ち上げるような記事になってはいけなかった。オシムが吐露したように、結果だけでなく、試合全体も見ることができるような目を持つ必要がある。

 ソーシャルネットワーキングシステムの進化には、メリット・デメリットが相反する。迂闊なツイートが大きな情報の漏れに繋がる。デマの拡大に注意し、個人情報の扱いも大切にしなければならない。いかにうまく新しいメディアを使っていくかは、今後、スポーツ界が更なる発展を目指していくための重要な要素なのである。