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アスリートたちの英語トレーニング術



 本書は、水泳の鈴木大地さん、マラソンの増田明美さん、ラグビーの箕内拓郎さん、マラソンの瀬古利彦さん、レスリングの太田章さんといった、世界で活躍した5人のアスリートたちが、実際に実践していた英語の勉強法を紹介したもの。
その中でも、箕内さんは、福岡県出身で関東学院大学の4年生のときに主将として大学選手権初優勝に貢献した選手で、卒業後は、英国の名門であるオックスフォード大学に留学した経験をもつ。帰国後は、トップリーグのNECグリーンロケッツに入り、2003年と2007年のワールドカップでは、主将を務めたトップアスリートだ。箕内さんは、ラグビーと英語を本場のイギリスで学んだ。しかし、日本で中学生や高校生のときに一生懸命勉強した英単語や文法がとても役に立ったと話している。本当に英語が必要になったときに、「やっておけばよかった」と思うのではなく、将来を見越して、少しでも早く英語の勉強をしておくことが、人生のチャンスをつかむことにもつながる。
本書の最後には、5人の学習ポイントがまとめられているが、筆者は、5人の共通点として、「積極的なコミュニケーションを心がけること」が大切である解説している。勉強のやり方は、個々人で違うものの、積極的に話しかける、自分を発信しようとする、そういった能動的な気持ちの持ち方が、英語上達に大きな役割を果たすと読者にメッセージを送っている。他にも、オリンピックの歴史やマラソンの始まり、野球用語の日米比較といったコラムも楽しむことができる。これから、英語を身につけたいと思う人も、スポーツの世界をもっと楽しみたい人も共感できる自分にあった勉強法が見つかるのではないだろうか。