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復活 all for victory 全日本男子バレーボールチームの挑戦


 2008年6月7日。あの日、日本を感動させた全日本男子バレーボールチーム。
フルセットでデュースの末に、16年ぶりの五輪出場(2008年北京五輪)を決めた。その瞬間、コートに倒れこむ植田監督、目に涙を浮かべながら喜びあう選手。今でも記憶に新しい出来事であるのではないだろうか。

 2008年当時の植田ジャパンは、世界を経験しているベテランの選手もいれば新しい風を吹き込む次世代の選手もいる、「敗れた世代と栄光を知らない世代が混在するチーム」であった。しかし、経験やそれまでの過程は違えども、見ているところ・目指すところは皆一緒だった。ただ一心に”北京へ”。

“ バレーボール”と聞くと、比較的に男子よりも女子のスポーツというイメージが強い人も多いのではないだろうか。歴史の教科書にも1964年の東京五輪で「東洋の魔女」が金メダルを獲得したことは載っていても、男子が同大会で5位に入賞したこと、1972年ミュンヘン五輪で金メダルを獲得したこと、1992年バルセロナ五輪で6位に入賞したことは載せられていない。この成績を現代の、特に若者がどれだけ知っているだろうか。現在、競技人口も女子の半分以下と、男子の中ではマイナーなスポーツだと思われがちだが、そんな中で誰よりも熱く、バレーボールに人生を捧げる人間が今も昔も確かにそこにいたことをこの本は教えてくれる。普段のメディアでは知ることのできない、選手たちそれぞれの葛藤・決意・成長・想いが溢れんばかりに詰まっている。

 この本を読んでから、北京オリンピックを決めたアルゼンチン戦の映像を見ると、当時の感動が蘇るばかりか、感動が更に何倍にもなって押し寄せてくる。スポーツの感動というものは何年経っても色あせない。

 そして今年も「龍神ニッポン」として新生全日本男子バレーボールチームが始動。4年後のリオデジャネイロ五輪を目指し、バレーボールに全てをかける選手たちに、これからも目が離せない!