ヨーロッパニュース一覧

2014-6-3

「男子ハンドボール:欧州チャンピオンズリーグ、フレンスブルクが初優勝」など

男子ハンドボール: 欧州チャンピオンズリーグ、フレンスブルクが初優勝

<キールを下し、クラブ史上初のヨーロッパ王者になったフレンスブルク> 男子ハンドボールの欧州チャンピオンズリーグは1日にドイツのケルンで決勝が行われ、フレンスブルク(ドイツ)がキール(ドイツ)を30-28で下し、初の欧州王座に輝いた。

 前日に行われた準決勝では、まずキールがベスプレム(ハンガリー)を29-26、続いてフレンスブルクもバルセロナ(スペイン)を41-39で下すサプライズをみせ、それぞれ決勝の舞台まで登りつめた。

 06-07シーズン決勝の再現となったカードは、破壊力抜群のカウンターを中心に得点を重ねるキールが序盤から有利に試合を進めていく。わずか18分で6-12までリードを広げられたフレンスブルクだが、ここから前日のバルセロナ戦でも見せた驚くべき底力で14-16まで追い上げ前半を終了する。後半に入り疲れの色が見え始めたキールを攻め立てるフレンスブルクは39分、ついに20-19と逆転に成功。その勢いのままリードを守りきり30-28で勝利し、みごとに7年前のリベンジを果たした。なお3位決定戦では、バルセロナがベスプレムを26-25で下している。

<ファイナル4に進出した4クラブ、国内リーグでの一人勝ち状態がマイナス要因に>

 前半を13-13で折り返し、後半序盤までリードを奪うなど最後までキールを苦しめるも終盤の失速で勝利を逃したベスプレム、そして多数のスター選手を擁し優勝候補とみられていたバルセロナも、一時は6点まで開いたリードを守りきれずスローコンテストの末フレンスブルクに敗れ去った。この2チームには、決勝まで勝ち進んだドイツ勢とは対極の共通する背景が存在していた。

 財政難からサンアントニオ、アトレティコ・マドリード(旧シウダ・レアル)といった名門クラブが相次いで消滅したスペインのプロリーグASOBALでは、一人勝ち状態となったバルセロナが開幕から無敗の25連勝を記録し、4月11日に5節を残して早々とタイトルを手に入れた。しかしリーグ最速優勝はヨーロッパ制覇を目指すバルセロナに思わぬ弊害をもたらすことになる。直後の20日と26日、チャンピオンズリーグの準々決勝でライン・ネッカー・ルーベン(ドイツ)と対戦したのを最後に、欧州トップレベルで直面するような厳しい戦いからは1ヶ月以上も遠ざかる結果になってしまったのだ。更にポーランドのベスプレムに至っては、3週間前に国内リーグのタイトルを獲得して以来、ファイナル4の行われる5月31日まで1試合の公式戦すら組まれてない日々を送っていた。

 これとは対照的に、ライン・ネッカー・ルーベンを僅差で上回り3シーズン連続19度目のタイトルを獲得したキールと、来シーズンのチャンピオンズリーグ出場権をかけて予断の許さない状況にあったフレンスブルクは、国内リーグ最終節までフルパワーでの戦いを続け、その余韻も冷めやらぬうちにファイナル4に乗り込んできた。

 実戦からは遠ざかるも十分休養を取り、フレッシュな状態で準決勝にのぞんだベスプレムとバルセロナだったが、結局は国内リーグでの疲労を抱えながらもすでにアドレナリンが沸点に達しているキールとフレンスブルグを相手に本来の力を発揮することはできなかった。奇しくも、自国リーグでの圧倒的な強さが、結果として欧州舞台での競争力低下を招いてしまったのかもしれない。

ラグビー: 欧州の主要リーグが終了、ウィルキンソンのトゥーロンが2冠を達成

<サラセンズを下し、プレミアシップ初優勝を成し遂げたノーサンプトン> 欧州ラグビーの主要3リーグは31日に各地で決勝が行われ、イングランド・プレミアシップではノーサンプトン、プロ12ではレンスター(アイルランド)、フランス・トップ14ではトゥーロンがそれぞれ王者となった。

 2013-14シーズンのプレミアシップ決勝は例年通りトゥイッケナム・スタジアム(ロンドン)で行われ、サラセンズ対ノーサンプトンのカードとなった。17-17で延長までもつれ込んだ試合は、一度はリードを許したノーサンプトンが終了間際の99分に劇的な逆転トライを決め、24-20で悲願のプレミアシップ初優勝を成し遂げた。一方、先週のハイネケンカップ決勝でもトゥーロンに敗れていたサラセンズにとっては、あと一歩の所で無冠となる悪夢の1週間となった。

 スコットランド、ウェールズ、アイルランド、イタリアのクラブが参加するプロ12では、同リーグで3度の優勝を誇るレンスターが、初めて決勝まで進出したグラスゴー・ウォリアーズ(スコットランド)を34-12の大差で下し、2年連続4度目の栄冠を手にした。

 昨シーズンの再現となるトゥーロン対カストル・オリンピクの対戦となったフランス・トップ14のファイナルでは、トゥーロンが前半リードを許すも後半2回のPGで18-10と逆転。カストル・オリンピクの2連覇を阻止し、92年に続き4度目のタイトルを獲得した。

<ジョニー・ウィルキンソン、ラストゲームで栄冠>

<31日のトップ14決勝がラストゲームとなったウィルキンソン> 31日に行われたフランス・トップ14の決勝戦では、トゥーロンの元イングランド代表フライハーフ(スタンドオフ)で、今シーズン限りでの引退を表明しているジョニー・ウィルキンソンの現役最後の雄姿を見届けようと、会場となるサン・ドニ(パリ)には8万人を超える観衆が駆けつけた。この日、ユニフォームに『メルシー・ジョニー(ありがとうジョニー)』のメッセージを入れピッチに立ったトゥーロンは、カストル・オリンピクを18-10で下し、先週のハイネケンカップに続き2つ目となるタイトルを主将にプレゼントすると、ウィルキンソン自身も3PGと1DGを決める活躍を見せラストゲームで有終の美を飾った。6日前に35歳の誕生日を迎えていたウィルキンソンにとって、この日の勝利は最高のプレゼントとなったはずだ。

 2度のハイネケンカップと1度のフランス・トップ14のタイトルをトゥーロンにもたらしたウィルキンソンは、イングランド代表としても2000年から2011年まで主力として活躍し、4度のシックスネイションズと1度のワールドカップで優勝を経験している。そして2003年のワールドカップ決勝で地元オーストラリアを相手に延長残り30秒で決めたDGはチームを初優勝に導き、当時世界最高のフライハーフの地位をウィルキンソンにもたらすこととなった。2011年に代表チームからの引退を発表するまで合計91試合に出場し、1試合平均13ゴールに相当する1179ゴールという驚異的な数字を記録している。

 プレスキックをける前に両手を組み合わせて精神を集中させるウィルキンソンの姿は永遠にラグビーファンの記憶に残り続けることだろう。

男子水球: 欧州チャンピオンズリーグ、アスレチック・バルセロナが初優勝

 男子水球の欧州チャンピオンズリーグは31日にバルセロナ(スペイン)で決勝が行われ、地元のアスレチック・バルセロナがセルビアの強豪ラドニチュキを7-6で下し、初のヨーロッパチャンピオンの座についた。これにより、アスレチック・バルセロナは、1982年のバルセロナ、1995年のカタルーニャに次いでチャンピオンズリーグを制した3つめのスペインクラブとなった。

 準決勝でクロアチアリーグの王者プリモリェを10-8で下して決勝に進出したアスレチック・バルセロナに対し、ラドニチュキはチャンピオンズリーグ7回の優勝を誇る同国のライバル、パルチザンを9-4で下して決勝まで駒を進めた。決勝では、初優勝を目指す両チームの意地がぶつかり合う拮抗した展開のまま試合は終盤に突入する。3-3で迎えた第3ピリオド、地元の声援を受けるバルセロナは一気に3点を追加し6-4とリードを奪う。最終ピリオドに2点を返され、残り時間5分で7-6まで詰め寄られたアスレチック・バルセロナだが、最後までこの1点差を守りきりラドニチュキを退けた。

男子・女子ホッケー: 2014ワールドカップ開幕、さくらジャパンは黒星発進

<世界ランキング1位のオランダに敗れ、初戦を落としたさくらジャパン> 4年に一度の祭典、2014ホッケー・ワールドカップが31日、男女ともにハーグ(オランダ)で開幕した。

 まず男子では、スペインと1-1で引き分けたイングランドを除き、グループAではオーストラリア、ベルギー、そしてグループBではドイツとオランダの世界ランキング上位国が順当に勝利し初戦を白星で飾った。

 一方、女子では2002年から4大会連続で出場している日本代表が地元オランダと対戦。開始7分で先制点を奪われると、21分と23分にも連続ゴールを許し前半だけで3点のリードをつけられる厳しい展開となる。後半も圧倒的に試合を支配された日本はさらに3点を追加され、終了間際に1点を返したものの1-6の大差で敗れ、世界ランキング1位との力の差をまざまざと見せつけられる結果となった。黒星発進となったさくらジャパンは、2日に世界ランキング5位のオーストラリアと対戦する。

<男子と女子の初日の結果>

男子グループA

オーストラリア(世界ランキング1位)-マレーシア(同13位): 4-0

ベルギー(世界ランキング5位)-インド(同8位): 3-2

イングランド(世界ランキング4位)-スペイン(同10位): 1-1

男子グループB

ドイツ(世界ランキング2位)-南アフリカ(同12位): 4-0

オランダ(世界ランキング3位)-アルゼンチン(同11位): 3-1

ニュージーランド(世界ランキング6位)-韓国(同7位): 2-1

女子グループA

ニュージーランド(世界ランキング5位)-ベルギー(同12位): 4-3

オーストラリア(世界ランキング4位)-韓国(同8位): 3-2

オランダ(世界ランキング1位)-日本(同9位): 6-1

女子グループB

米国(世界ランキング10位)-イングランド(同3位): 2-1

ドイツ(世界ランキング6位)-中国(同7位): 1-1

アルゼンチン(世界ランキング2位)-南アフリカ(同11位): 4-1