「男子ハンドボール:2015年世界選手権、ヨーロッパ予選プレーオフラウンドがスタート」など
● 男子ハンドボール:2015年世界選手権、ヨーロッパ予選プレーオフラウンドがスタート
ヨーロッパの主要スポーツは5月いっぱいで2013-14シーズンが終了し、クラブは束の間の休息に入った。するとクラブチームのシーズンオフ突入を待っていたかのように、今度は代表チームの活動が休む暇もなくスタートしている。今月12日にブラジルで開幕する男子サッカーのワールドカップをはじめ、8月下旬にスペインで開催される男子バスケットの世界選手権など、2012年のロンドン・オリンピックに続き今夏も多数の代表戦が行われる予定となっている。
そして男子ハンドボールでも、2015年にカタールで開かれる世界選手権に向けたヨーロッパ予選がいよいよ大詰めを迎えている。最終予選となるプレーオフラウンドは、各グループステージを首位で通過した5ヶ国、今年1月のヨーロッパ選手権に出場した12ヶ国、それにドイツを加えた18ヶ国によるホームアンドアウェー方式にて行われ、その勝者となった9ヶ国がカタールでの本戦へ進むこととなる。なおヨーロッパからは、この9ヶ国にスペイン(前回の世界選手権優勝国)、フランス、デンマーク、クロアチア(2014年ヨーロッパ選手権上位国)を合わせた合計13ヶ国が参加する予定となっている。
7日と8日行われた試合では、グループリーグを首位で通過した5ヶ国のうち強豪アイスランドに競り勝ったボスニア・ヘルツェゴビナを除く4ヶ国がいずれも敗れ、第1戦を落としている。第2戦は14日と15日に行われる。
<ヨーロッパ予選プレーオフ第1戦の結果>
ポーランド(2014年ヨーロッパ選手権6位)-ドイツ(特別枠): 25-24
ルーマニア(グループ2首位)-スウェーデン(2014年ヨーロッパ選手権7位): 24-25
ロシア(2014年ヨーロッパ選手権9位)-リトアニア(グループ1首位): 30-22
ギリシャ(グループ4首位)-マケドニア(2014年ヨーロッパ選手権10位): 25-27
オーストリア(2014年ヨーロッパ選手権11位)-ノルウェー(2014年ヨーロッパ選手権14位): 28-26
ボスニア・ヘルツェゴビナ(グループ5首位)-アイスランド(2014年ヨーロッパ選手権5位): 33-32
セルビア(2014年ヨーロッパ選手権13位)-チェコ(2014年ヨーロッパ選手権15位): 23-15
ハンガリー(2014年ヨーロッパ選手権8位)-スロベニア(グループ3首位): 25-22
モンテネグロ(2014年ヨーロッパ選手権16位)-ベラルーシ(2014年ヨーロッパ選手権12位): 28-27
● 男子ハンドボール:名門バリャドリッドが財政難により消滅の危機
ここ数年、経済危機の影響が暗い影を落としているスペインのプロリーグASOBALでは、今またひとつの名門クラブが消滅の危機に直面している。
1975年に設立されてから約40年間に渡ってトップリーグに在籍してきたバリャドリッドは現在159万ユーロ(約2億2000万円)の負債を抱えており、先月末に破産手続きが正式に開始されたことで、いよいよ消滅の時が迫りつつあると言われている。これまでに国王杯を2度、ASOBALカップでも1度の優勝を経験しているバリャドリッドは、昨シーズンまでバルセロナやグラノリェースと共に1990年から始まったASOBALリーグにおいて一度も降格の憂き目にあっていない数少ないクラブのひとつとしてスペイン国内で揺るぎない地位を築いていた。しかし給与滞納などの問題が表面化した今年は選手のモチベーションも著しく低下し、最終的に8勝16敗6分の15位でシーズンを終え、2部リーグへの降格が決定した。
スペインでは、サンアントニオやアトレティコ・マドリード(旧シウダ・レアル)といった名門クラブがすでに財政難により消滅しており、今回バリャドリッドがその後を追うことになれば、かつてヨーロッパ屈指のレベルを謳歌していたプロリーグASOBALの落日にさらに拍車がかかることは間違いないだろう。それとは対照的に、今シーズンに開幕から25連勝を記録し最速優勝を達成したバルセロナは先日、ドイツの強豪THWキールからアイスランド代表レフトバックで2006年にはブンデスリーガ得点王と最優秀選手賞を獲得した経歴を持つグジョン・シグルズソンの獲得を発表するなど、早くも来シーズンに向けた補強に動き始めており、他クラブとの格差は今後さらに広がりそうだ。
● ラグビー:国際テストマッチ、イングランドがニュージーランドに惜敗
2015年にイングランドで開催されるワールドカップに向け、ヨーロッパの強豪国が南半球へと強化遠征に出発した。7日に行われた国際テストマッチの中でもひときわ注目の一戦となったニュージーランド対イングランドの第1戦は、20-15でニュージーランドが終盤に決めたトライで勝利をおさめた。
これまでアウェーでは2回(1973年と2003年)しかニュージーランドに勝利していないイングランドだが、この日は開始3分にフレディ・バーンズのPGで幸先良く先制する。しかし10分にアーロン・クルーデンのPGでニュージーランドが同点に追いつくと、その後両チームともそれぞれ2PGを追加し9-9の同点で前半を終了する。後半に入っても一進一退の攻防が続いた試合は、15-15のまま終盤を迎える。すると終了間際の78分にコンラッド・スミスが待望のトライを決める。これが決勝点となりニュージーランドが20-15でイングランドを退けた。この他、オーストラリアと対戦したフランスは前半だけで4トライを奪われ、23-50の大差で初戦を落としている。なお、ニュージーランドとイングランド、そしてオーストラリアとフランスは、14日と21日にそれぞれ第2戦と第3戦を行う。
また3月に行われたシックスネイションズで優勝したアイルランドは、アウェーでアルゼンチンと対戦。シックスネイションズを最後に代表から引退したブライアン・オドリスコルを欠きながらも、アルゼンチンに29-17で勝利している。
● 男子バレーボール:ワールドリーグ、プール1ではイタリアが単独首位。日本は6連敗
男子バレーボールのワールドリーグは6日から8日にかけて第3週目が行われ、世界ランキング上位が入るグループ1では、イタリアがプールA、セルビアと米国がプールBでそれぞれ全勝し首位に立っている。
プールAでは、イタリアがポーランドとのホーム2連戦を制し6戦全勝で単独首位を守る一方で、昨シーズンのワールドリーグで準優勝し、これまでに最多となる9度の優勝を誇るブラジルは、ホームで行われたイランとの2連戦を1勝1敗で終え、戦績を2勝4敗としている。依然としてプールAで2位につけているブラジルだが、首位のイタリアに大きく水をあけられる結果となった。
また米国とセルビアが負けなしの4連勝で同率首位に立っているプールBでは、昨シーズンの覇者ロシアがここまで4戦全敗と予想以上の苦戦をしいられている。次の第4週目には同じく全敗中のブルガリアとホームで対戦する予定となっており、ロシアとしてはこれを機に上昇気流に乗りたいところだろう。
なおグループBのプールDに入っている日本は、ブエノスアイレスでアルゼンチンとの2連戦にのぞむも、1-3と0-3で連敗し、ここまで6戦全敗で最下位に沈んでいる。
● 男子・女子ホッケー:2014年ワールドカップのグループリーグ終了、さくらジャパンは5位
オランダのハーグで行われているホッケー・ワールドカップは9日、グループAの最終戦となる第5節が行われ、男女共に世界ランキング1位のオーストラリアとオランダが5戦全勝で首位通過を決めた。
女子では、今回で7度目のワールドカップ出場となる日本が最終戦でベルギーと対戦。前半に得た絶好のチャンスを逃した日本は後半序盤に先制点を奪われるものの、その後44分と63分に連続ゴールを決め2-1と逆転に成功する。しかしその直後の66分に失点し2-2で引き分け、今大会初勝利は14日に行われる9位・10位決定戦に持ち越しとなった。初戦で世界ランキング1位のオランダに1-6で敗れ実力の差を見せつけられた日本は、その後オーストラリアに2-3に敗れ、韓国に1-1で引き分けた後、ニュージーランドにも1-4で競り負け、戦績を3敗1分とし今回のベルギー戦を迎えていた。なお、男女グループBの最終戦は10日に行われる。
<男子と女子のグループA最終戦の結果と順位>
男子グループA
オーストラリア(世界ランキング1位)-インド(同8位): 4-0
スペイン(世界ランキング10位)-マレーシア(同13位): 5-2
ベルギー(世界ランキング5位)-イングランド(同4位): 2-3
男子グループA 順位
1.オーストリア 5勝
2.イングランド 3勝1敗1分
3.ベルギー 3勝2敗
4.スペイン 1勝2敗2分
5.インド 1勝3敗1分
6.マレーシア 5敗
女子グループA
ニュージーランド(世界ランキング5位)-オーストラリア(同4位): 0-0
オランダ(世界ランキング1位)-韓国(同8位): 3-0
日本(世界ランキング9位)-ベルギー(同12位): 2-2
女子グループA 順位
1.オランダ 5勝
2.オーストラリア 3勝1敗1分
3.ニュージーランド 2勝2敗1分
4.韓国 2勝2敗1分
5.日本 3敗2分
6.ベルギー 4敗1分