「男子バスケット:ユーロリーグ・ファイナル4は、マッカビ・エレクトラが優勝」など
2014/05/20
● 男子バスケット: ユーロリーグ・ファイナル4は、マッカビ・エレクトラが優勝。レアル・マドリードは昨シーズンに続き決勝で力尽きる
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大詰めを迎えた2013-2014シーズンのユーロリーグは、イタリアのミラノでファイナル4が行われ、18日の決勝ではマッカビ・エレクトラ(イスラエル)が、レアル・マドリード(スペイン)を延長戦の末に86-98で下し、9シーズン振りの欧州王者に輝いた。
ファイナル4の幕開けとなる準決勝第1試合では、これまで異なるクラブで4度目の欧州タイトルを誇るメッシーナ監督率いるCSKAモスクワ(ロシア)とマッカビ・エレクトラが激突した。序盤からリードを奪われる苦しい展開となったマッカビ・エレクトラだが、最終クウォーターで驚異的な追い上げを見せると、ついに土壇場で67-68と試合をひっくり返し、残り6秒の逆転劇で決勝の切符を手にいれた。またスペイン対決となったバルセロナ対レアル・マドリードの第2試合は、当初の予想に反して一方的な展開となる。終止試合の主導権を握ったレアル・マドリードが終わってみれば62-100の大差でバルセロナを退け、2シーズン連続で決勝へと駒を進めた。
12万の大観衆に包まれる中での決勝は、両チーム一歩も譲らず73-73の同点で延長ピリオドに突入する。すると、準決勝のCSKAモスクワ戦を再現するかのように、選手の疲労も最高潮に達する終盤からマッカビ・エレクトラが驚異的なラストスパートを仕掛ける。この試合でMVPに輝く活躍を見せたタイリース・ライスの連続8ポイントを含めた12ポイントでマッカビ・エレクトラがスコアーを79-85とし、レアル・マドリードを引き離すとその後も着実にリードを広げ、最後は86-98で悲願の優勝を手繰り寄せた。
イスラエルで唯一ユーロリーグ制覇の経験を持つマッカビ・エレクトラは、ヨーロッパの強豪として常に名を連ねてきたものの、2004-2005シーズンでのタイトルを最後に、2006年、2008年、2011年と3度にわたって決勝で敗れるなど、近年はパナシナイコスやオリンピアコスのギリシャ勢、そしてCSKAモスクワの後塵を配してきた。今回で6度目の優勝を果たしたマッカビ・エレクトラは、ついにタイトル数でCSKAモスクワとパナシナイコスに並ぶこととなった。一方、シーズン開幕から好調を維持し、ヨーロッパの強豪を前にしても常に魅力的なバスケットを展開してきたレアル・マドリードだが、昨シーズンのオリンピアコス戦に続き、またしても決勝で涙を呑む結果となった。とは言え、残り2試合となった国内リーグでは単独首位を維持しており、今シーズンすでに獲得しているスーペルコパとスペイン国王杯のタイトルと合わせ3冠を達成できる可能性は大いに残されている。
また、昨シーズンの再現となった3位決定戦は、大差で敗れた準決勝の汚名を返上するパフォーマンスを見せたバルセロナがCSKAモスクワを93-78で下し3位に入っている。
<来シーズンのファイナル4開催地がマドリードに決定>
ユーロリーグのジョルディ・ベルトメウ会長は17日、来シーズンのファイナル4の開催地がスペインの首都マドリードに決定したことを正式に発表した。レアル・マドリードの本拠地であるパラシオ・デ・デポルテでファイナル4が行われるのは、2007-2008シーズンに次いで2度目となる。
● 男子バスケット: ウクライナの不安定な情勢を考慮し、U18欧州選手権の会場がドネツクからブルガリアの首都ソフィアに変更
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今年7月24日から8月3日の10日間に渡って行われる男子バスケットのU18欧州選手権(ユーロバスケ)のディビジョンBの開催地が、当初決定していたウクライナのドネツクから、ブルガリアのソフィアに変更されることがほぼ確実となった。
欧州バスケット連盟は昨年11月の定期総会で、今夏行われるU18欧州選手権のディビジョンBをドネツクで開催することを発表していた。しかしながら、クリミア半島問題など今年に入ってウクライナとロシアの間に生じた政治的軋轢は悪化の一途を辿っており、ロシア語が主流として使われるウクライナ東部に位置するドネツクでの開催を不安視する声が、参加国の選手だけでなく、彼らの家族からもあがっていた。この状況を受け、同連盟は数ヶ月前からドネツクの代替案を模索し始め、ブルガリアのソフィアを開催することで一先ず目処をたてたようだ。ウクライナバスケットボール連盟の要請により最終的な決定は6月上旬まで持ち越されることになったものの、開催地の変更はほぼ確実と見られている。事実、欧州バスケット連盟のホームページに掲載されている同大会のロゴは、すでにドネツクからソフィアに変更されている。なお、ディビジョンBに入っているのは以下の22ヶ国。
ブルガリア、アイルランド、ポルトガル、ウクライナ、デンマーク、スコットランド、ルーマニア、ルクセンブルグ、ハンガリー、スウェーデン、オランダ、スイス、ノルウェー、マケドニア、スロベニア、フィンランド、エストニア、オーストリア、イスラエル、ドイツ、グルジア、アイスランドの22ヶ国。
● 男子アイスホッケー: 世界選手権トップディビジョン、グループAの上位対決はカナダがスウェーデンを制す
現在ベラルーシのミンスクで開催されているアイスホッケーの世界選手権トップディビジョンは、18日に各グループ1試合ずつを残し第6節の全試合が終了した。グループAでは、初戦でシュートアウトの末にフランスに敗れ早くも黒星を喫したものの、その後連勝で息を吹き返したカナダと、ここまで全勝(そのうちの1勝はシュートアウト)を続けるワールドランキング1位のスウェーデンが対決。接戦の末に2-2のままシュートアウトまでもつれ込んだ試合を最後はカナダが制し、両チームの戦績はいずれも5勝1敗で並んだ。一方でグループBは、ロシアが6戦全勝で単独首位に立っている他、ワールドランキング2位のフィンランドを3-1で下した米国が4勝2敗とし2位に浮上している。
● ラグビー: ERC、ミレニアム・スタジアムの屋根を閉じることで最高のハイネケンカップ決勝を演出
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ERC(欧州ラグビーカップ)は、5月24日に行われるハイネケンカップ決勝の舞台となるミレニアム・スタジアムの屋根を試合当日は閉めた状態にすることを発表した。この背景には、変りやすいカーディフ(ウェールズ)の天候に左右されることなく常に最良のピッチコンディションを保てるだけでなく、屋根を閉じることでスタジアムに独特の緊張感を生み出し、欧州最強を決める一戦にふさわしい緊迫した雰囲気に包み込む狙いがあるという。事実、ミレニアム・スタジアムは、これまで2002年、2006年、2008年、2011年の4回に渡りハイネケンカップ決勝の舞台に選ばれており、いずれも年も天候に関係なくスタジアムの屋根は常に閉じられてきた。これまで、レスター・タイガース(イングランド)、マンスター・ラグビー(アイルランド)、レンスター・ラグビー(アイルランド)が名勝負を繰り広げ、優勝カップを掲げてきたこのスタジアムで、今年は2連覇を目指すトゥーロン(フランス)と初優勝を狙うサラセンズ(イングランド)が対戦する。
● 男子サッカー: シンガポールの大富豪ピーター・リン氏がバレンシアの新オーナーに就任
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バレンシア財団のアマデオ・サルボ会長は17日、同財団が保有するバレンシアFCの株72%の内、大部分となる70%をシンガポールの実業家ピーター・リム氏に売却することを発表した。今回の取引はここ数日中に完了する見込みで、新たにバレンシアFCの筆頭株主となったリム氏が、同クラブの新オーナーとしてメディアの前に姿を現すのも時間の問題だと見られている。
2013年12月、2億2000万ユーロ(約306億円)まで膨れ上がった負債の返済を理由にクラブの売却を決めたバレンシア財団のもとには、シンガポールのリム氏を初め、コスタリカのマリオ・アルバラード氏、そしてロシアのゾロトヤ・ズベズダ氏など、合計7つのオファーが届いていたと言われている。最終的にリム氏が勝利を掴んだ一方で、これまで初期投資として6億1600万ユーロ(約857億円)を用意していることを強調し、クラブの購入に意欲を見せてズベズダ氏は19日、同財団が採用した選考過程が公平性を著しく欠いていることを指摘し、今回の決定に対し不満を露にしている。
いずれにしても米国の経済誌『フォーブス』の発表する世界長者番付にも名を連ねるリム氏にとっては、今月27日に迫った期限日にすべての負債を返済することが最初の大仕事となる。そして、その後に行われるクラブの再建計画について同氏は、4億4500万ユーロ(約619億円)の投資を用意していること、その内6000万ユーロ(約83億4000万円)がチーム補強費に当てられる予定であることを明らかにしている。また、新スタジアムの建設については、同クラブの創立100周年となる2019年を目処に完成させる考えを示している。