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2014-5-13

「男子サッカーのフランス2部リーグに初の女性監督が誕生」など


2014/05/13


男子サッカーのフランス2部リーグに初の女性監督が誕生

<来季からフランス2部リーグで指揮を執るコスタ監督>

 男子サッカーのフランス・リーグドゥ(二部)で来季、欧州のトップリーグでは初の女性監督が誕生することになった。
 リーグ・ドゥのクレモン・フット63は7日、来季の新監督に 36歳のポルトガル人エレナ・コスタ氏が就任することを発表した。2部とはいえ、これまで男子サッカーのプロリーグで女性監督が指揮を執るのはフランスのみならず欧州5大リーグ(イングランド、スペイン、イタリア、フランス、ドイツ)でも例がなく、初めてのこととなる。
 コスタ新監督はこれまでカタール、イランの女子代表チームを率いたほか、男子サッカーでもポルトガルの名門ベンフィカでU9からU17までの育成チームの監督を務めた経験があり、同じポルトガル人の名将ジョゼ・モウリーニョ監督と比較され”女性版モウリーニョ”と呼ばれていた。また、スコットランドの名門セルティックでもスカウトをしていたことがあり、実績は十分だ。女子サッカーが盛んで多くのコーチも輩出しているアメリカでも、いまだ男子トップリーグMLSで監督を務めた女性はいない。
 常に男子チームを率いることを目標にしてきたコスタ監督だが、2010年には「男子のトップリーグで女性監督が誕生するまでにはあと60年はかかる」と悲観的な考えもあったようだ。クレモン・フット63のクロード・ミシィ会長はすでにチームの主力選手を呼び、コスタ新監督を敬い従うよう話をしたと言うが、同チームのDFジャッケ・サルゼは、「(女性監督の就任は)チームにとって特別に大きな革命ではないと思う。なぜなら、チームにはすでに女性のフィジオセラピスト(トレーナー)がおり、彼女に下着姿を見られるのは慣れているからね」と述べている。多くのサッカー関係者が注目する中、アーセナルのアーセン・ベンゲル監督はコスタ監督について次のように述べている。「女子チームの監督を務める男子監督もいるのだから、女性が男子チームを率いてはいけない理由などない。コスタ監督のプロフィールを見たが、彼女には監督しての経験がやや少ないということだけが懸念材料だろう。とはいえ、彼女はおそらく監督として高いクオリティを備えており、それを見せてくれることだろう」
 FIFAは、サッカー界でより多くの女性が活躍する場を広げることを目標のひとつに掲げているが、男性上位のスポーツ界で女性指導者が男子チームを率いることは並大抵のことではなく、まだまだハードルが高いというのが現状だ。コスタ監督がその扉を開く第一人者になるかどうか、世界中の女性指導者の期待を背負う彼女のチャンレンジが大いに注目される。



世界クラブ選手権、男女ともにロシアチームが優勝、久光は予選突破ならず

 バレーボールの世界クラブ選手権は男女ともに決勝戦が行われ、男子はロシアのベルゴルエ・ベルゴルドが、女子は同じくロシアのディナモ・カザンが優勝し、男女ともにロシアのチームが世界一に輝いた。
 ブラジルのベロリゾンチで行われた男子大会は、女子よりも一足早い10日に決勝戦が行われた。ベルゴルドと決勝で対戦したのは、予選ラウンドで強豪トレンティーノ(イタリア)を破るなど戦前の下馬評を覆して勝ち上がったカタールのアル・ライヤンだった。アル・ライヤンは世界一の長身センター、ムゼルスキーを擁す欧州王者に対し第1セットを奪う健闘を見せたが、ベルゴルドのエースのグローゼル、MVPに選ばれたムゼルスキーらの活躍などでその後の3セットを奪い返され、アジア勢初の優勝はならなかった。
 なお、3位決定戦ではアルゼンチンのUPCNが地元ブラジルのサダ・クルゼイロをフルセットの末破り、アルゼンチン勢として初のメダルを獲得した。

 一方、スイスのチューリッヒで行われていた女子大会は11日にディナモ・カザンとブラジルのモリコ/オサスコの間で決勝戦が行われ、ディナモ・カザンが3-0のストレートで勝ち、男子に続いて女子でもロシア勢が頂点に立った。ナショナルチームのみならずクラブチームでも男女優勝を果たしたロシアのバレーボールは、まさに黄金時代を迎えたといえるだろう。
なお、3位には地元ボレロ・チューリッヒ(スイス)を下したSESIサンパウロ(ブラジルが)入った。

<久光製薬は予選敗退も健闘光る>
 アジアクラブ選手権を制して2度目の世界クラブ選手権大会出場を果たした日本の久光製薬スプリングスは、予選ラウンドで決勝戦を戦ったディナモ・カザンとモリコ/オサスコと同じ厳しいグループに入り、2連敗で決勝ラウンド進出は果たせなかった。それでも、久光製薬は両チームから1セットずつを奪うなど健闘を見せ、世界と戦える力があることを証明した。

アイスホッケー: 世界選手権トップディビジョン開幕、フランスがいきなり金星

 アイスホッケーの世界選手権トップディビジョンがベラルーシの首都ミンスクで開幕したが、オープニングゲームとなった9日のグループBフランス対カナダ戦でいきなりサプライズがあった。優勝候補の世界ランキング3位カナダに対して同12位のフランスは一歩も譲らず、延長を終えて2-2のまま勝負はシュートアウトに持ち込まれたが、フランスがこれを制し、金星を挙げた。一方、グループA初戦ではロシアがスイスに5-0で快勝したが、ロシアは第2試合でも世界ランキング1位のスウェーデンを4-2で下し、好調なスタートを切った。

ラグビーセブンズ: イングランド大会を制したニュージーランドが総合V

<優勝を祝うオールブラックス>

 ロンドンで行われたラグビーセブンズ・ワールドシリーズは今季のシリーズ最終戦となるイングランド大会が行われた。前週のスコットランド大会で優勝し、総合順位で2位の南アフリカに大差をつけて首位に立っていたニュージーランドは、この大会でも安定した強さを見せ勝ち上がると、決勝ではオーストラリアを52-33で下し、3連続大会の優勝を果たすと同時にシリーズ総合優勝を決めた。               

<日本は1勝5敗>
 前回スコットランド大会に続き招待チームとして出場した日本はプールCでオーストラリア、フィジー、スペインと同組となったが、初戦でオーストラリアに0-28で敗れると、次戦でもフィジーに7-43で大敗。続くスペインにも14-34で敗れ、予選3連敗で順位決定戦にまわった。順位決定ラウンド初戦ではカナダ相手に19-21で惜敗した日本だが、スコットランドには26-19で勝ち、今大会初白星を挙げた。最終戦ではアメリカに12-36で敗れたものの、前回大会に続き2ポイントを獲得。これでシリーズ総合ポイントは9点となり、総合順位16位で今季を終えた。 

<2013-14ワールドセブンズ総合順位>
1.ニュージーランド 2.南アフリカ 3.フィジー 4.イングランド 5.オーストラリア  6.カナダ 7.ケニア 8.サモア 9.アルゼンチン 10.フランス 11.ウェールズ   12.スコットランド 13.アメリカ 14.ポルトガル 15.スペイン 16.日本 17.トンガ 18.ロシア

女子ハンド: 欧州CLはジェールが2連覇

 

 ハンガリーのブダペストで行われた女子ハンドボールの欧州チャンピオンズリーグファイナル4は4日に決勝戦が行われ、地元ハンガリーのジェール・アウディがモンテネグロのブドゥクノーストを27-21で下し、2年連続優勝を果たした。
 前日の準決勝でデンマークのミッディランドを29-26で破り決勝進出を決めたジェールは、決勝戦でも大会得点王に輝いたゴルビクスらの活躍で終始優位に試合を運び、同大会史上3チーム目となる連覇を達成した。なお、3位決定戦ではマケドニアのWHCバルダールがミッディランドに34-31で勝利した。