スポーツビジョン〜アスリートは眼が命〜一覧

2014-6-3

スポーツビジョン まとめ

2013年度 JTL審判研修会における測定の様子 これまで、各回にわたりスポーツビジョンについて話してきた。

一般にスポーツビジョンの測定を行っていて感じることは視覚に対する興味・関心が非常に少ないことだ。

一流の選手は視覚に対しても非常に敏感であり、天候や競技状況によっては使用するコンタクトの度数を変え、環境によって使い分けをして常に視覚の良いコンディションでプレーをして実際に活躍をしている。

何度も言うように、スポーツをする上で最も重要な機能は視機能である。

最新のトレーニング機器で体を鍛えて、どんなに良い道具を使っても、視力が悪いのでは結果は出ない。まさしく本末転倒である。

第2回でもお話したように、矯正視力が悪ければ競技に対する技術力も低下する。また適切な矯正をすることでも競技能力が上がる可能性もある。また、今まで見えなかったものが見えることにより怪我や事故の予防にもつながる。

スポーツするときはもちろんのことだが、日常生活においても視覚は非常に大切であり常に良好な状態を保っていただきたい。普段から眼の見え方や状態については気をつけていただき、定期的な眼科受診をしていくことが望ましい。

IMG_4471 スポーツビジョンは スポーツにおける技術面、肉体面のいわゆるフィジカルとメンタルに並ぶ3つ目の要素である。

スポーツビジョンは鍛えることができる。より高いパフォーマンスでのプレーへとつながる。プロの世界においてはスポーツビジョンを取り入れているチームも多くある。

スポーツビジョンは大人だけでなく、特に発育途中の子供たちにとっては重要な能力であり、ゴールデンエイジと呼ばれる4~12歳の発達段階においてはスポーツビジョンが向上する大切な時期でもある。

この時期に子供たちのスポーツビジョンを向上させることにより、子供の潜在能力を引き出すことも可能になる。

2020年には東京オリンピックが開催されるが、皆様もスポーツビジョンを鍛えてオリンピック選手を目指して頂きたい。

「スポーツ選手は目が命!」

スポーツビジョンはこれから益々発展していく分野であり、スポーツ選手や指導者、審判は勿論、スポーツに興味のある皆様に広く認知されることを望んでいる。

adachi足立和孝(あだちかずたか)先生

プロフィール

1958年生まれ 院長 医学博士

順天堂大学医学部眼科非常勤講師

「名医たらずとも良医たれ」という順天堂大学の精神を信条とし、これまで順天堂大学病院での臨床・教育・研究を行う一方で、聖路加国際大学病院、山梨県立中央病院、焼津市立病院の眼科部長として、数多くの患者様と接し、多くの手術を経験。

 現在、心の通う眼のホームドクターとして最高水準の医療を提供することをモットーに地域の医療・福祉の向上に貢献するほか、スポーツ選手の視機能管理にも力を注いでおります。

日本眼科学会認定専門医

日本緑内障学会員

日本弱視斜視学会員

日本眼科手術学会員

日本白内障学会員