「ハンドボール」「水球」 「ラグビー」「サッカー」「バスケットボール」
●ハンドボール:男子欧州選手権、スペインがドイツを下す。クロアチアはノルウェーに敗戦
ポーランドで開催されている男子ハンドボール欧州選手権(ユーロ2016)の予選ラウンドは連日好ゲームが続いている。グループCの初戦では早くもスペインとドイツというファン垂涎のカードが実現した。
17人の平均身長が2m近いパワフルな長身選手を揃えたドイツに対し、欧州初制覇を狙うスペインは戦術とスピードで対抗。
序盤は互角の展開となるが、徐々にスペインがリードを奪い、前半を18-15で終える。スペインは、ライトバックのマケダが前半終了直前にレッドカードで退場となり戦力ダウンを余儀なくされるも、後半に入ってもリードを保ったまま試合は進む。意地を見せたいドイツは45分過ぎに3連続ゴールで26-25と1点差まで差を詰めるが、反撃もここまで。最後は32-29でスペインが逃げ切った。
一方、17日に行われたグループBの試合では今大会最初のアップセットがあった。優勝候補の一角に挙げられているクロアチアがノルウェーに31-34で敗れたのだ。もう1試合でもベラルーシがアイスランドを39-38で下すサプライズがあり、グループBは2試合を終えてクロアチア、ノルウェー、アイスランド、ベラルーシがともに1勝1敗で並ぶ混戦となっている。また、フランス、ポーランド、マケドニア、セルビアと強豪が揃うグループAでは、前回王者フランスがマケドニア、セルビアに貫録の2連勝。地元ポーランドもセルビア、マケドニアとの接戦を1点差で制し、フランスとの全勝対決に臨む。
●ハンドボール:スウェーデン主将、ユーロで同性愛の象徴であるレインボーカラーのキャプテンマーク使用を認められず
ポーランドで開催中の男子ハンドボールのユーロ2016に出場しているスウェーデン代表の主将トビアス・カールソンは、この大会が始まる前に、キャプテンマークとして同性愛の象徴であるレインボーカラーのブレスレットを腕につける意向を示していたが、EHF(欧州ハンドボール協会)はこれを禁止する新たなルールを制定し、実現しなかった。
開催国のポーランドが同性愛者に対して保守的な国であるのに対し、スウェーデンは同性愛者に寛容なお国柄で、「同性愛者への平等な人権を静かに訴える」との趣旨を込めて、このキャプテンマークを使用することを決めたという。この動きを受けたアイスランドやノルウェーもレインボーカラーのキャプテンマーク使用を検討していたが、EHFは「キャプテンマークはチームの一部を象徴するべきもので、当該国のカラーに準じなければならない」とのルールを新たに制定し、この動きにストップをかけた。
●水球:世界選手権(男子):スペイン、セルビア、イタリア、ハンガリーらがベスト8進出
男子水球の世界選手権はグループ別総当たりでの予選ラウンドが終了し、ノックアウト形式の決勝ラウンドに入り、16、17日に行われたベスト16ラウンドで8強が出そろった。
グループランドから好調を維持しているイタリアはトルコ相手に16-2で快勝。優勝候補のスペインもマルタを寄せ付けず14-3で大勝した。そのほかベスト8にはギリシャ、セルビア、ロシア、モンテネグロ、ハンガリー、クロアチアが順当に勝ち上がっており、ここから強豪同士が激突する真の勝負となる。
●水球:世界選手権(女子):オランダが首位で決勝トーナメントへ
女子水球の世界選手権は予選のグループラウンドが行われているが、グループAでは4連勝で勝ち点を12に伸ばしたオランダが1試合を残して早々と決勝ラウンドへの首位通過を決めた。一方、グループBではスペインとイタリアが4連勝で並び、総得失点差でスペインが首位に立っている。両者は19日の最終戦でグループ首位の座をかけて対戦する。
●ラグビー:欧州ラグビーチャンピオンズカップ、王者トゥーロンがWASPSにリベンジ
欧州ラグビーチャンピオンズカップは先週、第5節が行われた。プール5では昨年、アウエーでの初戦でWASPS(イングランド)に敗れている昨季の覇者トゥーロン(フランス)が15-11で勝利、リベンジを果たしてグループ首位を奪回した。プール4ではレスター(イングランド)がトレビソ(イタリア)に47-7で快勝。レスターはグループラウンド5連勝で首位を独走しており、同じくプール1で5連勝中のサラセンズ(イングランド)、プール3のラシン(フランス)とともにすでにベスト8進出を決めている。一方、混戦となっているプール2ではオスプレイズ(アイルランド)がクレモン(フランス)を21-13で破り首位に立ったが、最下位ボルドーまでの勝ち点差は5ポイントと僅差で、まだすべてのチームに決勝トーナメント進出の可能性が残されている。
●サッカー:チャイナマネー、サッカーのユーロ2016にも進出
先ごろ、GE(ゼネラルエレクトリック)の家電部門買収を発表した中国最大の家電メーカーであるハイセンスが、今年6月に行われるサッカーのユーロ(欧州選手権)2016フランス大会で中国企業としては史上初となるグローバルパートナーシップ契約を結んだ。ユーロ2016のグローバルパートナーにはアディダス、ヒュンダイ、マクドナルド、オレンジ(フランスの携帯大手)といった大手企業が名を連ねているが、ハイセンスもこれらの企業の仲間入りを果すことで欧州での知名度アップを狙う。同社はこのほかにも欧州で行われるサッカーの国際大会への積極的な投資を行っていく方針で、2018年のワールドカップ・ロシア大会欧州予選、2016年のフットサル欧州選手権、2017年のU21欧州選手権、2017年女子欧州選手権でもオフィシャルスポンサーになることが確定している。
●サッカー:イタリアの女子フットサルチーム、マフィアの強迫に立ち向かう
イタリアの女子フットサルトップリーグ、セリエAに所属するスポルティング・ロカリは昨年末、地元マフィア“エンドランゲッタ・シンジケート”から会長と彼の幼少の娘に対する「クラブを閉鎖しろ」との強迫を受け、チーム解散の危機にあった。しかし、10日に行われたリーグ戦でピッチに現れたロカリの選手たちは、スタンドに詰めかけたファンに向かい「私はプレーし続ける」とのチャンとを呼びかけ、マフィアの脅しに屈することなくチーム存続に向けてプレーし続けることを訴えた。
ロカリのフェルディナンド・アルメ二会長は、家族への強迫のプレッシャーに勝てず昨年12月に辞任を表明したが、イタリアの世論は「マフィアの脅しに屈した」としてこれに猛反発。イタリアサッカー協会も「チームは存続すべきだ」との立場を表明している。現在は、辞任した会長に代わり町長が暫定的にクラブを統括。この一連の騒動はイタリア全土の注目を浴びることになり、この日の試合は女子フットサルとしては異例の全国ネットで生中継された。
イタリアの検察当局は、実際にマフィアから前会長に強迫があったのか、どのような背景があるのか調査中だが、詳細はまだ明らかになっていない。アルメ二前会長はメディアとのインタビューで「全く身に覚えがないこと」と語っている。しかし一部では、前会長がクラブ閉鎖を決めたのはマフィアからの強迫が原因ではなく、クラブの財政悪化によるものではないかとの声も出ている。長年、マフィア根絶を訴えて戦ってきた二コラ・グラテッリ検事によると、「エンドラゲッタは金のあるところ、権力のあるところに姿を現すが、このクラブには金も権力もない」と述べ、今回の騒動の背景にマフィアがいるとの見方に否定的な考えを示した。
とはいえ、イタリアでは何世紀にもわたりサッカー界にマフィアの影響が蔓延しているのが現状だ。昨年5月にはマフィアがらみの八百長問題で50人が逮捕されたが、30にものぼるイタリアのサッカークラブのオーナー、選手、コーチが関与していたとされる。
●バスケットボール:ユーロリーグ、バルサがCSKAに敗れ早くも2敗目
男子バスケットのユーロリーグはトップ16ラウンドの第3戦が行われた。グループEではフェネルバフチェ(トルコ)がロコモティフ・クバン(ロシア)を85-79で下し、このラウンド唯一の3連勝チームとなった。一方、グループFではCSKAモスクワ(ロシア)が93-82でFCバルセロナを下して2勝目を挙げた。バルセロナはこのラウンドに入り早くも2敗目を喫している。また、ブローゼ・バスケッツ(ドイツ)はアウエーでオリンピアコス(ギリシャ)を72-77で下し、暫定ながら首位に立っている。
●バスケットボール:イタリアリーグの名門シエナ、不正会計の調査終了へ
イタリアのガゼッタ・デッロ・スポルト紙によると、2012年から不正会計の疑いで検察が調べていたイタリア・プロバスケットボールリーグの名門メンズ・サーナ1871(旧モンテパスキ・シエナ)の捜査が近日中に終了する見込みだという。
メンズ・サーナはモンテパスキ・シエナ時代の2007シーズンから2013シーズンまでイタリア・セリエAで前人未到の7連覇を達成し一世を風靡したが、母体のモンテパスキ銀行の倒産を受けて2014年に経営破たんし、これによって2014-2015シーズンはセリエB(3部)への降格処分を言い渡された。今季はセリエA2(2部)に降格し、近い将来のセリエA復帰も期待されているが、これまでの調査でクラブの経営に粉飾決済、違法な支出、債務超過など不正会計があったことが発覚しており、当時の会長は当局の監視下におかれている。