ヨーロッパニュース一覧

2015-11-11

「ハンドボール」「バスケット」「バレーボール」

ハンドボール:女子チャンピオンズリーグ、ロシアのロストフ・ドンが唯一の全勝

 女子チャンピオンズリーグのグループラウンドは第4節が行われ、グループAのロストフ・ドン(ロシア)がバイア・マレ(ルーマニア)に27-26で辛くも競り勝ち、開幕から唯一の4連勝チームとなった。また、昨シーズンの準優勝チームであるラルビク(ノルウェー)もクリム・メルカトル(スロベニア)を32-28で下し、3勝1敗の2位でロストフ・ドンを追っている。一方、グループCではハンガリーの強豪ジェールがヒポ・ニーダーエスタライヒ(オーストリア)を37-16の大差で下し、同じくミッティラン(デンマーク)に快勝したバルダール(マケドニア)と3勝1敗で並んだが、得失点差で同グループの首位に立った。
 グループDでは、ここまで3連勝だった昨シーズンの王者ブドゥチノーストがCSMブカレスティ(ルーマニア)と23-23で引き分け、連勝は3でストップした。

ハンドボール:欧州に挑戦するキューバ人選手たち

europe292_01キンタナ(上)とクニ(下) (C)EHL Champions League ハンドボール界では無名ともいえる存在のキューバだが、今季のチャンピオンズリーグに出場しているポルトガル王者FCポルトには4人のキューバ人選手が所属しているが、そのうちの2人、GKのアルフレド・キンタナとライトバックのヨエル・クニは主力選手として活躍している。
 2011年に母国を後にし、文化も習慣も全く異なるヨーロッパにやってきた。キューバと違っていたのは文化、習慣だけではなかった。ハンドボール自体も全く異なっていたのだ。2人はキューバ時代には毎日6~7時間トレーニングをしていたというが、そのスタイルは前時代的でスローな「80年代のハンドボール」で、欧州のスピーディで近代的なハンドボールスタイルに「最初は大きなギャップを感じた」と言う。キンタナはこうも言っている。「キューバにはナショナルチームしかないので、クラブチームでリーグ戦などを行う機会はなかった」。そのキンタナは昨年ポルトガル国籍を取得し、今後はポルトガル代表としてプレーできる。代表チームでの違いについては、「キューバでは日々のトレーニングがハードで体力を回復する時間が十分に与えられていなかったが、ここでの環境には満足している」と語り、練習スタイルの違いにも言及している。
 2人は口を揃える。「キューバ人がハンドボール選手としてもっとレベルアップしたいのなら欧州に来るべきだ」

ハンドボール:2021年、2023年の男子世界選手権開催地が決定

 IHF(国際ハンドボール連盟)は6日にロシアのソチで理事会を行い、2021年の男子ハンドボール世界選手権をエジプトで、2023年の同大会をスウェーデンとポーランドで開催とすることを正式に決定した。
 エジプトがハンドポールの世界選手権を開催するのは1999年に次ぐ2度目となる。一方スウェーデンは、2011年をはじめ過去に何度か世界選手権を開催している。また、ポーランドは来年の男子欧州選手権の開催地でもある。世界選手権で2か国による共同開催となるのは、2019年のドイツ、デンマーク大会に続き2度目となる。

バスケット:ユーロリーグ、ロシア勢が絶好調

 男子バスケットのユーロリーグは、グループリーグで行われるレギュラーシーズンの第4節が終了したが、ロシアから出場している3チームが揃って絶好調だ。

 グループAでは、昨シーズンのロシアリーグ準優勝のヒムキがストラスブルグ(フランス)88-62で下し3勝1敗で首位に立ったが、グル―プCでもロシアリーグ3位のロコモティフ・クバンがピナール・イズミール(トルコ)に72-53で快勝し、グループDでダルサファカ・イスタンブール(トルコ)に80-75で勝利したロシア王者CSKAモスクワとともに開幕からの連勝を4に伸ばし、それぞれ首位に立っている。

 ロシア勢と対象的なのがユーロリーグ過去6回優勝を誇るギリシャの名門パナシナイコスだ。今節もポーランドのジェロナ・グラに68-71で競り負けて早くも3敗目を喫し、グループ最下位に転落。また、昨シーズンのイタリア王者で、日本代表の富樫勇樹との契約が取りざたされていたディナモ・サッサーリもグループDでまだ勝利がなく、今節もウニカハ・マラガ(スペイン)に62-80で敗れて開幕4連敗となった。

バスケット:FIBA、ユーロリーグの代替大会としてチャンピオンズリーグ設立へ

 現行の欧州クラブ選手権であるユーロリーグに代る大会として、FIBA(国際バスケットボール連盟)が、2016-2017シーズンよりバスケットボール・チャンピオンズリーグという名称の新たな国際トーナメントの設立に動いている。

 FIBAの代理人はユーロリーグ事務局と欧州の主要クラブに対し、数か月前から新トーナメントへの参加を促すべくアプローチしてきたが、欧州クラブは7月にユーロリーグを通じてFIBAからの接触を拒否する声明を発表していた。しかし、ここへ来て各クラブがFIBAからのコンタクトを再び受け入れることを決め、3日にスイスのジュネーブで行われた両者の代表者による会談で、FIBA側がユーロリーグ、主要クラブに対して正式な提案を行った。この提案によると、FIBAはこの新トーナメントに参加するクラブに対し、現行のユーロリーグをはるかに上回る年間3000万ユーロ(約40億円)の収入を保証すると同時に、同大会運営の権利の50%をFIBA側とクラブ側が折半することも織り込まれている。

 欧州では、1958年から2000年までFIBA運営の下、欧州チャンピオンズカップ、FIBAユーロリーグという名称で欧州クラブナンバーワンを決める大会が開催されていたが、2000年にFIBAから独立した組織であるユーロリーグ・バスケットボールカンパニーが設立され、2000-2001シーズンにユーロリーグがスタート。一方のFIBAもこれに対抗して新大会FIBAスープロリーグを立ち上げ、当初は欧州の主要クラブがどちらの大会に参加するかで半分に分かれ、このシーズンは2つの欧州クラブ王者が生まれた。しかし、2001年のシーズンオフにFIBAスープロリーグのユーロリーグへの統合が決まり、以降15シーズンにわたりFIBAの管轄から離れた独立運営の国際大会として継続してきた。この結果、FIBAヨーロッパは現在、欧州の代表戦(ユーロ欧州選手権、ワールドカップ、オリンピック)および女子の欧州クラブ大会、男子クラブの第3大会に位置するFIBAヨーロッパカップを管轄し、ユーロリーグが男子クラブの欧州トップ大会(ユーロリーグ)、第2大会(ユーロカップ)を管轄するという状況が続いている。
 FIBAにとって、ユーロリーグに奪われた欧州クラブ選手権の運営を再び自らの手に取り戻すことは長年の悲願であり、ようやくその体制が整ったということだろう。15年間にわたり定着してきたユーロリーグが幕を閉じFIBA直轄の大会に差し換わることになるのか、今後の主要のクラブの動向に注目される。

バレーボール:男子欧州チャンピオンズリーグ開幕、ゼニト、ジェシェフらが順当に勝利

(C) CEV Official Site 2週間前に開幕した女子に続き、先週、男子の欧州チャンピオンズリーグが開幕した。昨シーズンの大会で3位になったベルリン(ドイツ)がイズミール(トルコ)にフルセットの末敗れるという波乱はあったものの、イタリアのトレンティーノ、モデナ、ロシアのカザン、ベロゴロド、ポーランドのスクラ・ベルハトゥフ、ジェシェフの強豪勢は危なげない戦いでいずれも初戦をストレート勝ちで飾り、順当なスタートを切った。    

バレーボール:女子オリンピック欧州予選、男女ともに激戦必至

(C) FIVB Official Site 来年のリオ・オリンピック出場権をかけた欧州予選が来年1月に行われるが、世界で最も激戦区である欧州だけに、男女ともにハイレベルなチームが揃い、熾烈な戦いが繰り広げられることは間違いない。

 とりわけ激戦となりそうなのが女子だ。1月4日からトルコのアンカラで始まる女子の欧州予選は、今年の欧州選手権優勝のロシア、2位のオランダ、開催国トルコに加え、イタリア、ポーランド、ドイツ、クロアチア、ベルギーといずれも強豪揃いで、どこが勝ってもおかしくない。この8チームが2つのグループに分かれて総当たり戦を行い、上位2チームが準決勝に進み、優勝チームが欧州代表としてオリンピックへの出場権を獲得すると同時に、2位と3位チームは6月に行われる世界最終予選への出場権を獲得する。

(C) FIVB Official Site 一方、1月5日からベルリンで行われる男子の欧州予選は、古豪にフレッシュな顔ぶれが混ざった8チームが揃い、波乱の予感もある。
 9月に行われたワールドカップで3位となり惜しくも出場権を逃したポーランド、ロンドン五輪金メダルでワールドカップ4位のロシアが優勝の筆頭だが、この両雄に割って入るダークホースが、今年の欧州選手権とワールドリーグで優勝し一躍世界のトップに仲間入りしたフランスだ。さらにセルビア、ブルガリアといった強豪に加え、開催国ドイツ、フィンランド、ベルギーらも虎視眈々と出場権を狙う。