ヨーロッパニュース一覧

2015-11-25

「バスケット」「ラグビー」「バレーボール」 「ハンドボール」「女子サッカー」

バスケット:ユーロリーグ第6節、現王者レアル・マドリードが早くも4敗目

(C) Euroleague Official Site 男子バスケのユーロリーグ・レギュラーシーズンでは第6節が行われ、昨シーズンの覇者レアル・マドリード(スペイン)がキムヒ(ロシア)に敗れ早くも4敗目を喫した。
 昨シーズンのユーロカップを制したキムヒをホームに迎えたレアル・マドリードは、序盤からローテーションを巧みに利用するライバルに主導権を奪われ苦しめられる。前半を42-44とわずか2点差で折り返したレアル・マドリードだが、後半に入っても守備の乱れとスリーポイントが30本中わずか9本と低い決定力は改善される兆しを見せず、結局82-85で競り負けた。前節のストラスブール(フランス)戦に続き痛恨の2連敗となったレアル・マドリードは戦績を2勝4敗としグループAで4位に後退。残り4試合を残しTOP16進出にまさかの黄色信号が点灯しはじめた。レアル・マドリードはここまでの6試合でグループ最多となる合計503ポイントをたたき出す高いオフェンス力を依然として維持しているものの、その一方で失点も509ポイントと多く、同グループ内で最低の数字を記録しているディフェンスを今度どこまで修正できるかが挽回の鍵となるだろう。なお、今回の白星で4勝2敗としたキムヒは、5勝1敗で首位に立つフェネルバフチェ(ドイツ)に続く2位をキープしている。
 また、ここまで出場クラブの中で唯一全勝を続けてきたグループDのウニカハ・マラガ(スペイン)がアウェーでブローゼ・バスケット(ドイツ)に73-53で敗れたことで全勝チームはゼロとなった。グループBではオリンピアコス(ギリシャ)、グループCではバルセロナ(スペイン)、グループDではCSKAモスクワ(ロシア)がそれぞれ5勝1敗で1位に立っている。昨シーズンにベスト8まで進出したパナシナイコス(ギリシャ)もホームでロコモティフ・カザンに71-78で敗れ4敗目を喫し、レアル・マドリード同様にグループCで4位に低迷する苦しい展開を続けている。

ラグビー:ヨーロッパ・チャンピオンズカップ、昨シーズン覇者トゥーロンがいきなり黒星

 13日にパリで起こった同時多発テロによりフランス国内で開催予定だった4試合が延期となっていたヨーロッパ・チャンピオンズカップは各地で第2節が行われ、パリを本拠地とするスタッド・フランス(フランス)対マンスター(アイルランド)戦が安全を考慮し引き続き順延となった他はすべて予定通り開催された。なお、チャンピオンズカップを主催するEPCR(欧州プロラグビー協会)は、現在順延扱いとなっている5試合の開催日について正式な発表はまだ控えているものの、第3節が開催される12月の第2週(11、12、13日)前に消化できる可能性については否定的な見解を示している。
(C)European Rugby Champions Cup Official site 昨シーズンのイングランド・プレミアシップでプレーオフを制したサラセンズとレギュラーシーズンの覇者ノーザンプトンのイングランド勢は、それぞれアウェーでアルスター(アイルランド)を9-27、グラスゴー・ウォーリアーズ(スコットランド)を15-26で退け、前節に続く2連勝でプール1とプール3で着実に首位を固めている。プール2では、オスプリーズ(ウェールズ)とエクセター・チーフス(イングランド)が1勝1敗で並んでいるものの、前節の順延により今節が初戦となった昨シーズン準優勝のクレルモン(フランス)もオスプリーズを24-29で白星スタートをきるなど、早くも混戦の様相を呈している。
 そして『死のグループ』として注目を集めるプール5では、前節バース戦がパリ同時多発テロの影響で中止となっていた昨シーズンのチャンピオンズカップ王者トゥーロンがアウェーでロンドン・ワスプス(イングランド)と対決。昨シーズンの準決勝の再現となった試合は、ワスプスが前半開始直後の8分と10分に連続トライを決め、わずか2分間で14ポイントを獲得し試合を有利に進める。この後もペナルティキックで着実に得点を追加したワスプスは後半にも更に2つのトライを決め、32-6の大差でトゥーロンを下すと同時に、現王者を相手に4トライ以上で与えられるボーナスポイントも獲得するこれ以上ない理想的なシナリオとなった。

ラグビー:オールブラックスで活躍したジョナ・ロムーが突然の死去

 ラグビー・ニュージーランド代表の英雄として活躍したジョナ・ロムーが18日、オークランドの実家にて40歳の若さで急逝した。1994年に史上最年少となる19歳でオールブラックス(ニュージーランド代表の愛称)に選ばれて以来、13年の短い現役生活ながらその豪快なプレーで多くのラグビーファンを魅了したスーパースターの突然の訃報にニュージーランドだけでなく世界中が悲しみに包まれた。
(C)European Rugby Champions Cup Official site ワールドラグビー(旧国際ラグビー評議会)のベルナール・ラパセ会長は、「ラグビー界は、このスポーツが生んだはじめての世界的スターを失ってしまった。選手としてだけでなく、一人の人間として偉大な人物であり、わたしたちにとって常に模範となる存在だった。彼のスタイルは当時とても革新的なものだった。」と、ロムーに最大限の賛辞を送れば、ニュージーランドのジョン・ケイ首相も、「ラグビーの普及だけでなく、我が国の親善大使として絶えず貢献してくれた。」と、慈善活動にも積極的に取り組んだロムーに感謝の意を表した。 また21日にロンドンのトゥイッケナム・スタジアムで行われたバーバリアンズ(オールスターチーム)対アルゼンチン代表の試合では、両チームの全選手がロムーの背番号11を付けてウォーミングアップを行った他、ロムーが幼いころに通学てていたウェスレイ・カレッジ(オークランド)では生徒たちがニュージーランドの伝統舞踊ハカを踊ってロムーの死を悼む様子がネット上にアップされ、世界のメディアに取り上げられている。
 ラパセ会長の言葉通り、身長2メートル近く、体重120キロという巨大な体躯にもかかわらず100メートルを10秒台で走る脅威的なスピードを武器にしていたロムーの存在は当時のラグビー界にとってはまさに革新的で、ピッチを疾走するその鮮烈な姿はその後のウィングのスタンダードとなった。1995年のワールドカップで、そのパワフルでありながら軽快なロムーに4度のトライを決められ準決勝で敗退したイングランドの主将ウィル・カーリングは試合後、「彼とは二度と対戦したくない。まさに怪物だ。」と、その異次元の強さを素直な言葉で表現している。決勝では開催国の南アフリカに敗れるものの同大会で7度のトライを決めトライ王に輝く大活躍を演じ、その存在を世界に強く印象付けたロムーだが、その後はネフローゼ症候群に悩まされ、次第にパフォーマンスが低下していく。2004年に肝臓移植を行い一時は現役復帰を果たすも全盛期の輝きを取り戻せず、2007年に現役引退を発表するに至った。引退後も精力的にラグビーの普及に励み、日本ラグビー協会より2019年に同国で開催される第9回ワールドカップの親善大使にも任命されていた。

ラグビー:ニュージーランド代表のリッチー・マコウが引退を発表

 先月幕を閉じた英国ワールドカップで主将としてオールブラックス(ニュージーランド代表の愛称)を2大会連続3度目の優勝に導いた34歳のリッチー・マコウが19日、現役引退を発表した。ニュージーランド・ラグビー協会の本部で記者会見を開いたマコウは、「オールブラックスの英国ワールドカップ優勝に少しでも貢献できたことはわたしにとって何よりの誇りだ。すべては、これまで僕を支えてくれた人たちのおかげだ。」と、家族、監督、チームメイト、そしてファンに感謝の意を述べると同時に、今後は商用ヘリコプターパイロットのライセンス取得など自身の携わるビジネスや慈善運動に活動の場所を移していく考えを明らかにした。
 20歳でオールブラックスの一員として初出場したアイルランド戦でいきなり最優秀選手に選ばれるなど鮮烈な代表デビューを飾ったマコウは、それから5年後の2006年より主将としてチームをけん引し、2011年と2015年のワールドカップで2連覇を達成。代表キャップ数はラグビーユニオン史上最多となる148回を記録している。またクラブレベルでもニュージーランド、オーストラリア、南アフリカの合計15クラブが参加するスーパーラグビーに所属する名門クルセイダーズで長年活躍し、ワールドラグビー(旧国際ラグビー評議会)より2006年、2009年、2010年の3回に渡って年間最優秀選手に選ばれている。

バレーボール:男子CEVチャンピオンズリーグ、昨シーズン王者ゼニト・カザンが2連勝

 男子バレーのCEVチャンピオンズリーグはリーグラウンドの第2節が行われ、昨シーズンの覇者ゼニト・カザン(ロシア)と準優勝のジェシェフ(ポーランド)は、それぞれブドゥバ(モンテネグロ)とコンスタンツァ(ルーマニア)を3-0で下し、前節に続きストレート勝ちの2連勝としプールDとプールGで首位をキープしている。ゼニト・カザンは、先週行われたディナモ・モスクワとのロシア・スーパーリーグでも活躍したキューバ代表のウィルフィルド・レオンを温存する余裕を見せながらも、依然としてリーグラウンドでは圧倒的な強さを誇り、ブドゥバに付け入る隙を与えさせない1時間弱の圧勝劇で層の厚さをまざまざと見せ付けた。その他、プールAのベルゴリエ(ロシア)、また12年振りにヨーロッパ最高峰の大会に戻ってきたプールFのモデナ(イタリア)の2クラブも無傷の2連勝で理想的なスタートを切っている。

ハンドボール:男子欧州チャンピオンズリーグ第6節、バルサがバルダールを下して首位奪還

(C) EHF Champions League Official site 男子ハンドの欧州チャンピオンズリーグはグループラウンドの折り返し地点となる第7節が行われた。グループAではPSG(フランス)がホームでTHWキール(ドイツ)と対戦。今オフにバルセロナから移籍したニコラ・カラバティッチが8ゴールを決める活躍を見せたPSGが37-30で競り勝ち、単独首位をキープしている。開幕戦でフレンスブルグ(ドイツ)に敗れ黒星スタートをきるものの、それ以降はヴェスプレム(ハンガリー)やプウォツク(ポーランド)、そしてブンデスリーガ王者のTHWキールを次々と退け、現在破竹の6連勝を記録している。
 またグループBでは、バルセロナ(スペイン)がバルダール(マケドニア)と対戦。ホームのバルダールが序盤リードを奪うも、バルセロナも負けじと応戦する一進一退の展開となった一戦は、両チームのGKが高い存在感を示す。バルダールのGKステルビックが3度にわたって7mスローを止めピンチを救えば、バルセロナのペレス・バルガスも試合時間残り16分間で5度のファインプレーを披露する。結局、バルガスのビッグセーブの後押しを受けて逆転に成功したバルセロナが25-27で勝利し、バルダールとの2連戦をいずれも白星で飾った。一方、ホームで初の黒星となったバルダールは3敗目を喫し、5勝2敗1分のラインネッカー・レーヴェンに抜かれ3位に後退する結果となった。

女子サッカー:UEFA女子チャンピンズリーグ、フランクフルトとPSGが辛うじてベスト8進出

 女子サッカーの欧州チャンピオンズリーグでは、ベスト16のセカンドレグが行われた。ヴォルフスブルグ(ドイツ)やリヨン(フランス)、ブラジル代表MFマルタを擁するローセンゴード(スウェーデン)が順調に勝ち進む一方、昨シーズンの覇者フランクフルト(ドイツ)と準優勝のPSG(フランス)の2チームは、それぞれリレストロム(スウェーデン)とチェルシー(イングランド)に予想以上の苦戦を強いられる。アウェーゴールの差でチェルシー(イングランド)を辛くも下したPSGに対し、フランクフルトはPKまでもつれ込み、接戦の末にPK5-4でリレストロム(スウェーデン)を退け何とかベスト8に滑り込んだ。この他イタリアではまだ2人の女性にしか与えられていない欧州のトップライセンス、UEFAプロを保持するミレナ・ベルトリーニ監督が率いるブレシア(イタリア)や昨シーズンに準決勝まで進んだデンマークのブレンビーをベスト32で下したスラビア・プラハ(チェコ)も初のベスト8進出を果たしている。なお、今シーズンからフランクフルトでプレーする大儀見優季はリレストロム戦で83分から出場、リヨンの熊谷紗希はチェルシー戦でフル出場を果たし3点目となるPKを決めている。ベスト8の組み合わせ抽選会は11月27日に行われる。