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●バスケット:男子ユーロリーグ、レギュラーシーズンが終了 マッカビ・テルアビブは敗退
男子ユーロリーグはレギュラーシーズンの10試合が終了しTOP16が出揃った。昨シーズンにファイナル4に進出したCSKAモスクワ(ロシア)、オリンピアコス(ギリシャ)、フェネルバフチェ(トルコ)が順調に各グループを首位で通過する一方、現王者レアル・マドリード(スペイン)はクラブ史上初の5冠(国内リーグ、国王杯、スペイン・スーパーカップ、ユーロリーグ、インターコンチネンタルカップ)を達成した昨シーズンから一転、今シーズンのユーロリーグでは序盤から黒星が先行する厳しい展開をしいられる。一時はグループ内で最下位に沈むなど予選敗退の危機に瀕するものの、最後の3試合を連勝で飾るなど意地を見せグループAを4位で終え、辛くもTOP16入りを果たした。一方、2シーズン前にユーロリーグを制するなど現在Aライセンスを保有するイスラエルの強豪マッカビ・テルアビブはグループDを4勝6敗の5位で終え、ユーロリーグ初出場となった2001-02シーズンより欠かすことのなかったTOP16入りがついに途絶えることとなった。昨シーズン終了後に米国NBAのクリーブランド・キャバリアーズへ移ったデビット・ブラッドHC(ヘッドコーチ)の後任としてそれまでアシスタントを務めていたガイ・グズが代わってチームをけん引するものの、第1節のCSKAモスクワ戦に大差で敗れ黒星スタートを切るとその後も低調なパフォーマンスに終始してしまう。国内リーグでの不振もあり、11月9日にクラブはグズHCの解任を決定するとそれまでフエンラブラダ(スペイン)を率いていたクロアチア出身のザン・タバックの招聘を発表する。TOP16進出の可能性を残して迎えたグループリーグ最終節では、4位のダルサファカ・イスタンブール(トルコ)との直接対決を66-70で競り勝ち、両チームが4勝6敗で並ぶものの得失点差で下回り、惜しくも逆転には至らなかった。
またストラスブールとリモージュのフランス勢、EA7ミラノとディナモ・サッサリのイタリア勢は、共にレギュラーシーズンでの敗退が決まった。中でも昨シーズンの国内リーグで初の優勝を達成したディナモ・サッサリは、グループDで10戦全敗と一勝もできないまま初出場となったユーロリーグを終える残念な結果となった。
今月29日からスタートし、16クラブが2グループに分かれてレギュラーシーズン同様にホーム&アウェー形式で行われるTOP16では、オリンピアコス、CSKAモスクワ、レアル・マドリードと昨シーズンのファイナル4に残った3クラブに加え、昨シーズンのユーロカップで優勝したキムヒ(ロシア)、スペインの強豪バルセロナなど強豪が肩を並べる厳しいグループFを形成した。一方でグループEには、フェネルバフチェ、エフェス・ピルゼン、ダルサファカ・イスタンブールのトルコ勢やパナシナイコス(ギリシャ)やロコモティフ・クバン(ロシア)などが入っている。
●バスケット:2017年欧州選手権の開催地が決定 前回に続き4ヶ国共催
FIBA(国際バスケットボール連盟)ヨーロッパ支部は12日、ドイツのミュンヘンで開かれた定期総会において男子バスケットの第40回欧州選手権2017がルーマニア、フィンランド、イスラエル、トルコの共催となることを正式に発表した。4ヶ国による共催は、クロアチア、フランス、ドイツ、ラトビアで行われ、スペインの優勝に終わった前回大会に続き2度目となる。
グループステージ、およびファイナルステージの会場となるトルコは、2010年の男子ワールドカップや2014年の女子ワールドカップのホスト国も務めるなど近年バスケットの国際大会の招致に成功しており、男子バスケットの欧州選手権については1959年と2001年に続き3度目の開催となる。会場となるイスタンブールのスィナン・エルデム・ドームとアブディ・イペクチ・アリーナは、国内でも屈指の規模を誇る多目的アリーナとしてこれまでバスケットだけでなく、様々なスポーツやイベントに使用されている。グループステージの会場となるフィンランドは、ロシアからの独立50周年にあたる1967年に初めて欧州選手権の開催を経験し、再び100周年となる節目の2017年大会で2度目のホスト国に選ばれた。試合は1997年のアイスホッケー世界選手権用に建設された国内最大の屋内競技場、ヘルシンキのハートウォールアリーナで行われる予定となっている。一方、同じくグループリーグの試合のみ行われるルーマニアとイスラエルは、男女ワールドカップと男女欧州選手権をあわせて初のホスト国となり、イスラエルではヨーロッパの強豪マッカビ・テルアビブの本拠地ノキア・アレーナが会場として使用される。
●ラグビー:チャンピオンズカップ、サラセンズとレスター・タイガースのイングランド勢が全勝で首位
2015-16シーズンのグループステージも後半戦にさしかかったラグビーのヨーロッパ・チャンピオンズカップでは、昨シーズン不本意な成績に終わったレスター・タイガーとサラセンズのイングランド勢が4戦全勝とここまで好調を維持している。
今週行われたグループステージ第4節でも、プール1のサラセンズがホームでオヨナ(フランス)に8トライを決める圧勝劇を演じ55-13で勝利すると、プール4のレスターも同じくホームでマンスター(アイルランド)を17-6で下し、それぞれグループで単独首位をキープしている。一方、昨シーズンの覇者トゥーロンと準優勝のクレルモンのフランス勢は、現在2勝1敗でそれぞれプール2とプール5でオスプリーズ(ウェールズ)とロンドン・ワスプス(イングランド)に次ぐ2位につけている。
なおチャンピオンズカップを主催するワールドラグビーは、先月パリ起きた同時多発テロの影響で順延となっていた5試合の予定をこのほど発表し、プール2のボルドー・ベグル(フランス)対クレルモンは1月8日、プール3のレーシング92(フランス)対グラスゴー・ウォリアーズ(スコットランド)、及びプール4のスタッド・フランセ(フランス)対マンスターは1月9日、そしてプール1のオヨナ対アルスター(アイルランド)とプール5のトゥーロン対バース(イングランド)は1月10日にそれぞれ開催されることが決定した。
●ラグビー:リオ五輪、セブンズ世界最終予選の開催地が決定 男子はモナコ、女子はダブリン
WR(ワールドラグビー)は10日、初めて正式種目として採用される2016年のリオ五輪に向けた7人制ラグビー(セブンズ)の世界最終予選の開催地を発表し、男子は6月18日と19日にモンテカルロ(モナコ)、女子は6月25日と26日にダブリン(アイルランド)で行われることが正式に決定した。各地域予選で惜しくも優勝を逃した16ヶ国が集い、リオ五輪本大会に出場できる12ヶ国の残りわずか1枠を巡って熾烈な2日間の戦いが繰り広げることとなる。
サッカーのASモナコの本拠地スタッド・ルイ・ドゥが会場となる男子では、世界の強豪が集うワールドシリーズのトップグループに所属するカナダやサモアが有力と見られている。なお、アジアからは2015年11月に行われたアジアチャンピオンシップの2位と3位の香港と韓国がそれぞれ出場する。一方、ユニバーシティ・カレッジ・ダブリンの本拠地UCDボウルで行われる女子は、ワールドシリーズに参戦しているスペインとロシアを筆頭に、地元アイルランドがどこまで対抗できるかに注目が集まる。
なお、男女共にアジアチャンピオンシップを制した日本やホスト国のブラジルはすでにリオ五輪出場を決めており、その他男子では、フィジー、南アフリカ、ニュージーランド、イギリス(ワールドシリーズ上位4ヶ国)を始めアルゼンチン(南米代表)、米国(北中米代表)、フランス(欧州代表)、オーストリア(オセアニア代表)、ケニア(アフリカ代表)、また女子ではニュージーランド、カナダ、オーストラリア、イギリス(ワールドシリーズ上位4ヶ国)、更にコロンビア(南米代表)、米国(北中米代表)、フランス(欧州代表)、ケニア(アフリカ代表)、フィジー(オセアニア代表)が出場権を獲得している。
●ハンドボール:女子世界選手権、ノルウェーが2大会振り3度目の優勝
デンマークで行われているハンドボールの女子世界選手権は20日に決勝が行われ、ノルウェーがオランダを31-23の大差で下し、2011年に続き2大会振り3度目のタイトルを獲得した。
グループラウンドの初戦でロシアに1点差で敗れ黒星スタートを切ったノルウェーだったが、その後は連勝を重ねると決勝トーナメントでもドイツ、モンテネグロ、そして準決勝では前回優勝のブラジルとホスト国のデンマークを連破して勝ち上がってきたルーマニアを延長戦の末に退け決勝まで登りつめた。一方、過去に主要なタイトル獲得はなく、今回もポット3に入るなど国際大会では比較的目立たない存在だったオランダは、グループリーグで直近2大会で4位の好成績を残すポーランドに勝利し、さらに2014年の欧州選手権で3位に入っているスウェーデンに引き分けたことで徐々に注目を集め始める。4勝1分の首位で進んだ決勝トーナメントでもその勢いは衰えず準々決勝でフランス、準決勝で再びポーランドを倒し初の決勝の舞台へ登りつめた。そして迎えた決勝、主力のCBポールマンが開始早々に手を痛めるアクシデントに襲われたオランダは序盤から百戦錬磨のノルウェーに主導権を奪われ、20-9の大差で前半を終える。後半に入り一時は21-16の5点差まで迫られたノルウェーだが、この試合それぞれ7ゴールと6ゴールを記録したLWヘレンとPロケの活躍で、最後はオランダを31-23で下し、優勝を手にした。
なおIHF(国際ハンドボール連盟)は、デンマークの4都市で約2週間に渡って行われた第22回大会は、約1200人のボランティアに支えられ、およそ15万の観客が訪れたことを発表している。
今回の世界選手権優勝で2016年のリオ五輪出場権を見事獲得したノルウェーだが、同じくリオ五輪の予選を兼ねていた2014年の欧州選手権でも優勝していたため、同大会で準優勝だったスペインが欧州代表として出場することとなる。また準優勝に終わったオランダを初め、3位ルーマニア、4位ポーランド、5位ロシア、6位デンマーク、そして7位のフランスは、来年3月に行われるリオ五輪の世界最終予選に出場する。最終予選には、アジア選手権で2位となった日本をを始め世界から12ヶ国が出場し、本大会の残り6枠をかけて戦われる。