「バスケット」「サッカー」「ハンドボール」「バレーボール」
●バスケット:男子 ユーロリーグTOP16 グループFでは5チームが横一線
男子ユーロリーグはTOP16ラウンドの第12節が行われ、前節まで3位と4位につけていたバルセロナ(スペイン)とレアル・マドリード(スペイン)がいずれも敗れたことで、それまで敗退圏内に沈んでいたキムヒ(ロシア)とオリンピアコス(ギリシャ)と順位が入れ替わるなど、グループFでは残り2試合となり3位から7位までの5チームが6勝6敗で並ぶ大混戦となっている。
前々節でCSKAモスクワ、前節でレアル・マドリードと2試合連続で強豪に白星をあげているバルセロナだったが、この日はラボラル・クチャ(スペイン)をあいてにリズムが悪く40-33で前半を終えると、後半に入っても点差を縮めることができず75-71で敗れ連勝がストップした。TOP16で8勝目をあげたラボラル・クチャがあと1勝でTOP8進出を決める一方、敗れたバルセロナは3位から5位に転落。残りのブローゼ・バスケット(ドイツ)とジャルギリス(リトアニア)戦での勝利が必須となった。またオリンピアコス(ギリシャ)とアウェーで対戦したレアル・マドリードも立ち上がりから守備の甘さを露呈し、前半で53-33と20ポイントのリードを奪われてしまう。後半からリズムは良くなったものの前半に許したリードをひっくり返すには至らず99-84で痛恨の連敗を喫した。これによりレアル・マドリードは、TOP8進出には残りの2試合でラボラル・クチャとキムヒに勝利することが必要不可欠となっただけでなく、オリンピアコスかバルセロナが一敗することが条件となるなど自力での通過が途絶える厳しい条件に置かれている。現在すでにTOP8進出を決めている首位のCSKAモスクワ(ロシア)と、2位に付けるラボラル・クチャ、そしてすでに敗退が決まっている最下位のジャルギルス(リトアニア)を除く5チームが6勝6敗で並んでおり、3位オリンピアコス、4位キムヒ、5位バルセロナ、6位レアル・マドリード、7位ブローゼ・バスケットがTOP8の残り2枠をかけて最後の2試合に臨むこととなる。
またグループEでは、前節まで10勝1敗で圧倒的な強さをみせていたフェネルバフチェ(トルコ)がすでに敗退が決定している最下位のチェデヴィタ(クロアチア)に89-59で敗れる波乱があった。とは言え、すでにTOP8進出を決めているフェネルバフチェの単独首位に変わりはない他、ロコモティブ・クバン(ロシア)もツルヴェナ・ズヴェズダ(セルビア)を86-62で下しTOP8入りを手中に納めている。
●バスケット:FIBA 来シーズンからヨーロッパの新リーグ立ち上げを正式に発表
FIBA(国際バスケットボール連盟)が運営する欧州クラブを対象とした新大会『チャンピオンズリーグ』の発足が21日にパリで発表され、来シーズンからのスタートが正式に決定した。予選も含めた開催期間は2016年9月27日から2017年4月30日までの約7ヶ月で、10月20日から始まるレギュラーシーズンは欧州主要リーグ(ドイツ、フランス、スペイン、ギリシャ、トルコ、イスラエル、ロシアなど)で好成績を収めた24チームに、予選を勝ちあがった8チームを加えた32チームが4グループに分かれて戦われる。
しかしながら、現時点で欧州クラブの強豪が集う大会として広く認識されている『ユーロリーグ』はすでにFIBAとの融合をきっぱりと否定し、今後も同大会を開催していく姿勢を示していることから、来シーズンの欧州にはクラブ王者を決める大会が2つ存在する異常事態となる。今シーズン終了後には、主要リーグで1位になったチームが、ユーロリーグとチャンピオンズリーグのどちらに参加するのかなど、依然として解決すべき点は数多く残されている。純粋に国内リーグの成績によって出場チームを決める公平性がイタリアやフランスのバスケットボール協会から支持されているFIBAだが、対するユーロリーグも欧州トップクラスの実力を備え、毎シーズン自動的に出場枠が与えられるアナドル・エフェス、フェネルバフチェ(トルコ)、CSKAモスクワ(ロシア)、アルマーニ・ミラン(イタリア)、バルセロナ、レアル・マドリード、ラボラル・クチャ(スペイン)、マッカビ・テルアビブ(イスラエル)、オリンピアコス、パナシナイコス(ギリシャ)、ジャルギリス(リトアニア)のAライセンス保有11クラブとすでに来シーズン以降の契約を更新している他、IMG(国際スポーツエージェント)とも長期契約を結んだことで今後の大幅な収入アップを見込んでいる。
●サッカー:女子 CLベスト8ファーストレグ ドイツ勢が揃って先勝
約4ヶ月振りに再開した女子のチャンピオンズリーグではベスト8のファーストレグが行われ、フランクフルト、ヴォルフスブルグのドイツ勢とフランスのリヨンが先勝する一方、バルセロナ(スペイン)とPSG(フランス)はスコアレスドローに終わった。
昨シーズンの同大会で優勝を果たしているフランクフルトは、ブラジル代表FWマルタを擁するスウェーデンの強豪ローゼンゴードと対戦。11対7とシュート数で下回るなど特に後半苦戦をしいられるものの押し込まれた時間帯の71分にPKから貴重な1点を奪いアウェーで0-1の勝利をおさめている。なおフランクフルトの大儀見優季はベンチ入りしたものの出場機には恵まれなかった。また今回初のベスト8進出を果たしたブレシア(イタリア)をホームに迎えたヴォルフスブルグは前半に1点、後半にも2点を追加し3-0で勝利した他、ホームでスラビア・プラハ(チェコ)と対戦したオリンピック・リヨンは9-1と力の差を見せつけ、ほぼ準決勝進出を手中におさめている。リヨンの熊谷紗希はこの試合でフル出場を果たし、勝利に貢献している。さらにクラブ新記録となる8369人の観衆が訪れたミニ・スタディで昨シーズン準優勝のPSGを迎え撃ったバルセロナは、相手の強力な攻撃を最後まで無失点に抑え込み、スコアレスドローでアウェーの第2戦に望みをつないだ。
●ハンドボール:男子 CLラウンド8 王者バルセロナはドイツの強豪キールと対戦
男子ハンドボールのEHFチャンピオンズリーグはラウンド16のセカンドレグが各地で行われ、昨シーズン準優勝のヴェスプレム(ハンガリー)を始め、ケルチェ(ポーランド)やキール(ドイツ)の強豪が順当にベスト8に進んだ。
ヴェスプレム(ハンガリー)、ケルチェ(ポーランド)、フレンスブルグ(ドイツ)は、それぞれザポリージャ(ウクライナ)を41-28、メシュコフ・ブレスト(ベラルーシ)を33-30、モンペリエ(フランス)31-30で下し、ファーストレグに続く2連勝でベスト8へ駒を進めた。そしてゼゲド(ハンガリー)とのファーストレグを落としているキールは、GKニクラス・ランディンが17セーブをする活躍でチームを援護し36-29の勝利に貢献。2試合を終え1勝1敗となった対戦は得失点差で上回ったキールに軍配があがった。また、ファーストレグを30-30で引き分けていたバルダール(マケドニア)対ヴィスワ・プウォツク(ポーランド)の一戦は、ホームのバルダールが前半奪われたリードをひっくり返し、25-24の1点差で逆転勝利をおさめている。一方試合終了直前のゴールでファーストレグを制していたライン=ネッカー・レーベン(ドイツ)は、ホームでのセカンドレグでザグレブ(クロアチア)に29-31と逆転負けを喫すると、2試合の得失点差でも敗れラウンド16で姿を消した。
ラウンド16を勝ち抜いた6チームに、グループステージを首位で通過したバルセロナ(スペイン)とPSG(フランス)の2チームを加えた8チームが対戦するベスト8では、前大会の王者バルセロナと、前大会でファイナル4に残ったキールが早くも激突する。
ベスト8の組み合わせは以下の通り。
ザグレブ 対 PSG
THWキール 対 バルセロナ
バルダール 対 MVMヴェスプレム
フレンスブルグ 対 ケルチェ
●ハンドボール:男子 U18カタール代表 ヨーロッパの大会参加を通して実力強化
近年、帰化選手や海外の指導者を積極的に招聘することで飛躍的なレベルアップを遂げているカタールは、自国開催となった昨年の世界選手権で準優勝を果たすなど、その実力はすでにアジアの域を出て世界と肩を並べるまでになっている。そして長期的な視野でのレベルアップを図るカタールは、フル代表だけに留まらずユース年代の強化にも力を入れている。
その一環としてカタールハンドボール協会は、来月ボスニア・ヘルツェゴビナのブゴイノで開催されるU18国際トーナメントを支援することで同大会に自国のユース年代を派遣している。『Handball Is My Future』と命名された同大会には、ホスト国のボスニア・ヘルツェゴビナを始め、スロベニア、クロアチア、マケドニア、セルビア、オーストリア、ポーランド、そしてカタールの8カ国が参加することが決まっている。現在カタールでコーチを務めるボスニア・ヘルツェゴビナ出身のアシム・シャフマン氏の発案で数年前から始まった同大会は、IHF(国際ハンドボール連盟)認定の審判が担当するなど、近い将来世界のハンドボールを担うだろう年代にとっては貴重な経験の場となっている。なお前回大会で優勝したスロベニアは、その後ロシアで行われたU19世界大会で銀メダルを獲得している。
ユース年代から海外でトップレベルのプレーを肌で感じる機会を出来る限り多く作る努力を続けるカタールは今後もアジアのハンドボールをけん引していく存在となるだろう。
●バレーボール:男子 CLプレーオフ6ラウンド イタリアの2チームがファイナル4へ進出
男子バレーボールのCEVチャンピオンズリーグはプレーオフ6ラウンドのセカンドレグが行われ、現王者ゼニト・カザン(ロシア)に加え、トレンティーノとチビタノーバのイタリア勢が勝ち上がった。来月16日と17日にタウロン・アリーナ(ポーランド)で開催されるファイナル4には開催枠となるジェシュフ(ポーランド)を加えた4チームで行われることとなる。
ホームでのファーストレグでベルハトゥフ(ポーランド)にまさかの逆転負けを喫していたゼニト・カザンだったが、セカンドレグでは3-0のストレート勝ちで2連覇に向けまた一歩前進した。またアウェーでベロゴリエ(ロシア)と対戦したトレンティーノは一進一退の接戦をフルセットの末に3-2で制し、ファーストレグに続く2連勝で前々回大会の王者を退けて4シーズン振りにファイナル4に駒を進めた。一方、ハルクバンク・アンカラ(トルコ)とのファースレグを3-2で制していたチビタノーバは、逆にアウェーでのセカンドレグを2-3で落としてしまうものの、かろうじて2試合の得失点差で上回りトルコの強豪に競り勝った。
ファイナル4の組み合わせは以下の通り
ゼニト・カザン 対 ジェシュフ
トレンティーノ 対 チビタノーバ
●バレーボール:女子 CLプレーオフ6ラウンド 優勝候補のロシアとトルコ勢が順当にファイナル4に進出
女子バレーボールでもCEVチャンピオンズリーグが大詰めを迎えており、ディナモ・カザン(ロシア)、ワクフバンク・イスタンブール(トルコ)、フェネルバフチェ・グルンディッグ(トルコ)に開催枠のカサルマッジョーレ(イタリア)の4チームがファイナル4に進んでいる。
今シーズンのCLにおいてリーグラウンドからここまで圧倒的な強さを見せているディナモ・カザンは、プレーオフ6ラウンドでもその存在感を発揮し、ピアチェンツァ(イタリア)をファーストレグとセカンドレグ共に3-0のストレートで下している。一方、ワクフバンク・イスタンブールとフェネルバフチェ・グルンディッグのトルコ勢も、それぞれディナモ・モスクワ(ロシア)に3-2、ボレロ・チューリッヒ(スイス)に3-1で勝利しファイナル4へ駒を進めている。
ファイナル4の組み合わせは以下の通り。
ディナモ・モスクワ 対 カサルマッジョーレ
フェネルバフチェ・グルンディッ 対 ワクフバンク・イスタンブール