「バスケット」「ラグビー」「バレーボール」「ハンドボール」
●バスケット:女子 ユーロ2017予選 スペインが一足先に本大会出場確定
来年6月にチェコで行われる女子のユーロバスケ(欧州選手権)に向けた予選はいよいよ佳境を迎え、先ずは前々大会優勝のスペインが最終節を待たずして本選出場の切符を手に入れた。
24日にホームでスウェーデンと対戦したスペインは、序盤から力の差を見せつけると前半だけで49-18と大量リードを奪う。終盤スウェーデンも必死に反撃を試みるものの、5選手が2桁得点を奪など圧倒的な攻撃力をみせたスペインが93-45で大勝。昨年11月に同じくホームで行われたフィンランド戦も86-45で勝利するなどグループIでは完全に頭一つ抜きん出ているスペインは、ここまでの戦績を3戦全勝とし最終節フィンランド戦を残して一足先に本選出場を決めた。
一方、前回大会で初優勝を果たしたセルビアは24日にアウェーでドイツを78-66で下し戦績を3勝1敗としたものの、現在のところ4戦全勝中で首位を走るウクライナの後塵を拝している。このグループDは、すでにウクライナとドイツの一騎打ちの様相を呈しており、首位通過の行方は両チームが直接対決する11月23日の最終節までもつれ込む可能性が高くなってきた。
さらに前回大会準優勝のフランス、これまで3度の優勝を誇るロシア、そしてイタリアもここまで4戦全勝と各グループで首位を維持しており、11月19日に行われる次節の結果次第で本選出場が決まることとなる。
本大会出場に向けた熾烈な首位争いの影に隠れているものの、グループEで戦うアイスランドが24日にホームで行われたハンガリー戦を87-77で勝利し、待望の初勝利をあげた。ユーロバスケ本大会はおろか、今回が予選初参戦となった北の小国アイスランドは、唯一海外の主要クラブでプレー経験のあるヘレナ・ズベリスドティールが29得点、16リバウンドを奪う活躍でチームをけん引すると、それまで全勝で首位をキープしていたハンガリーに土をつけるサプライズを起こし、会場に訪れた1100人の観衆を前に欧州のトップチームとも互角に戦えることを証明した。
ユーロバスケの予選は33チームが9グループに分かれて行われ、各グループの首位と各グループで2位になった9チームの中の上位6チーム、それに開催国を加えた16チームが本大会に進むこととなる。前回大会では例外的に20チームが出場枠したものの、2017年のチェコ大会では以前のように16チームで開催される。
●バスケット:男子 ユーロリーグTOP16 フェネルバフチェの連勝が7でストップ
男子ユーロリーグはTOP16ラウンドの第8節が行われ、唯一全勝をキープしていたグループEのフェネルバフチェ(トルコ)が4位のパナシナイコス(ギリシャ)にアウェーで黒星を喫した。ここまで破竹の勢いを見せていたフェネルバフチェの連勝は7でストップしたとはいえ、同グループで依然として単独首位の座を守り続けている。また2位のロコモティブ・クバン(ロシア)と3位のツルヴェナ・ズヴェズダ(セルビア)の上位勢は、いずれもホームでチェデヴィータ(クロアチア)とアナドル・エフェス(トルコ)にそれぞれ勝利し、ベスト8進出圏内に踏みとどまっている。
一方、強豪が肩を並べるグループFでは、CSKAモスクワ対キムヒのロシアダービーが行われ、ホームのCSKAモスクワが108-98で勝利。大苦戦の末にジャルギリス(リトアニア)を下したラボラル・クチャ(スペイン)と共に2敗をキープし同率首位を守っている。また、ここまで波に乗り切れずにいたレアル・マドリード(スペイン)とバルセロナ(スペイン)もようやく前節に続く2連勝で徐々に順位を上げてきている。その結果、第8節を追えたグループFでは、ベスト8進出となる上位4チーム中3つがスペイン勢で占められる状態となっている。逆に、CSKAモスクワに敗れたキムヒは4敗目で5位に転落。バルセロナやラボラル・クチャに連勝し好スタートをきっていたオリンピアコス(ギリシャ)に至っては、今節バルセロナに82-66で敗れ前節に続く2連敗を喫したことで戦績を3勝5敗とし7位まで順位を落としている。
2013-14シーズンに6度目のユーロリーグを制し、9回の準優勝を経験するなど、近年のユーロリーグにおいて絶大な存在感を示してきたイスラエルの強豪マッカビ・テルアビブがかつてないほど深刻なスランプに苦しんでいる。今シーズンのユーロリーグにおいてマッカビ・テルアビブは、グループDを4勝6敗の5位で終え、2001-02シーズンより欠かすことのなかったTOP16入りを逃した。その後、ユーロカップへと回るものの、そこでもTOP32を通過することができず、シーズン半ばにして早くも欧州の舞台から姿を消す予想外の結果となった。さらにマッカビ・テルアビブは国内リーグでも苦戦を強いられている。2月始めに3位のマッカビ・ハイファに91-56と大敗を喫したことで2位に転落し、1ポイント差ながらハポエル・エルサレムの後塵を拝している。先日国内カップ戦で優勝し、何とか無冠の危機だけは免れたものの、欧州の強豪として自動的にユーロリーグ出場権が与えられるAライセンスを保有する数少ないクラブの一つであるマッカビ・テルアビブにとっては受け入れがたい状況と言えるだろう。しかしながら、1969年から2007年までの38年間で37度の国内リーグタイトルを獲得するなど圧倒的な強さを誇っていたマッカビ・テルアビブも、ここ8年間ではわずか4度のタイトルを獲得するにとどまるなど衰えの兆候は数年前からすでに現れ始めていた。そして、その背景には国内リーグのルール改正があるとも言われている。イスラエル・バスケット協会は近年、外国人枠の縮小や給与額上限の引き下げなどクラブ間の力の均等化を進めており、この流れがマッカビ・テルアビブの国内外での競争力低下を引き起こす原因になっているのかもしれない。昨年11月からチームを率いるクロアチア出身のザン・タバックHCにとっては苦悩の1年目となっている。
●ラグビー:男子 シックスネイションズ イングランドが3戦全勝で単独首位に
欧州ラグビーのシックスネイションズは第3節が行われ、アイルランドを21-10で下したエディ・ジョーンズHC率いるイングランドが3戦全勝で単独首位に立った。昨年行われたワールドカップ以来初めてホームのトゥイッケナム・スタジアムに戻ってきたイングランドは序盤から試合の主導権を握るものの、執拗に守備を固めるアイルランドを前になかなか得点まで結びつけられない。すると6-3とわずか3点差のリードで迎えた後半、開始まもなく一瞬の隙をついたアイルランドにトライを決められ6-10と逆転されてしまう。しかし、疲れの見えだしたアイルランドを前に本来の力強さを見せ始めたイングランドは連続2トライを決めるなどわずか15分間で15点を決める攻撃で再びリードを奪う。このまま試合を優位に進めたイングランドは21-10でアイルランドを下し、5年振りの優勝に向けさらに一歩近づいた。対するアイルランドは前節に続き黒星を喫したことで2敗1分となり3連覇の夢が早々と途絶えることになった。
一方、ここまでイングランドと共に全勝を続けたフランスは、ウェールズにアウェーで19-10で敗れ3位に後退した。開幕から2連勝と結果はついてきているものの、第1節イタリア、そして第2節アイルランドいずれも逆転勝ちという苦しい展開が続いていたフランスは、第3節のウェールズ戦でも同様の展開となる。アイルランドに2PGを決められ6-3で前半を終えたフランスは、後半に入ってもさらに2PGと1トライを決められリードを広げられてしまう。終了間際に1トライを奪い19-10まで追うあげるものの逆転する時間は残されておらず、3戦目にして初黒星を喫すると共に、この勝利で戦績を2勝1分としたウェールズに2位の座を奪われる結果となった。なお残りの1試合、イタリア対スコットランドの試合は、20-36でスコットランドが勝利している。
●ラグビー:女子 シックスネイションズ イングランドが全勝をキープ
女子のシックスネイションズも男子と同じく第3節が行われ、イングランドがアイルランドを13-9で下す一方、フランスがウェールズに10-8で競り負けた。前節まで全勝で首位争いを続けていたイングランドとフランスだが、第3節の結果によりイングランドが唯一の全勝で単独首位に立ち、その反面初の黒星を喫したフランスは2勝1敗でウェールズと並ぶ、得失点差でかろうじて2位に踏みとどまっている。また全敗同士の試合となったイタリア対スコットランドは、22-7でイタリアが初勝利をあげている。
●バレーボール:女子 CLプレーオフ12 昨シーズン覇者のエジザージュバシュが敗退
CEVチャンピオンズリーグ女子では、リーグラウンドを勝ち抜いた12チームによって争われるプレーオフランドの第2戦が行われた。注目を集めた昨シーズンの覇者エジザージュバシュと3位のワクフバンクのトルコ勢対決は、3-0でワクフバンクがストレート勝ちを納め、第1戦(3-2)に続く2連勝で次ラウンドに駒を進めた。また一昨年に優勝しているディナモ・カザン対ウラロチカ・エカテリンブルクのロシア対決は、ディナモ・カザンが第1戦と同じく3-1で勝利している。
なお、プレーオフ6には、トルコから2チーム(フェネルバフチェ、ワクフバンク)、ロシアから2チーム(ディナモ・モスクワ、ディナモ・カザン)、そしてスイス(ボレロ・チューリッヒ)とイタリア(ピアチェンツァ)から1チームが進出している。
<TOP6のカードは以下の通り>
ワクフバンク・イスタンブール(トルコ) vs ボレロ・チューリッヒ(スイス)
フェネルバフチェ・グルンディッグ(トルコ) vs ディナモ・モスクワ(ロシア)
ディナモ・カザン(ロシア) vs ノルドメッカニカ・ピアチェンツァ(イタリア)
●ハンドボール:男子 CL第13節 グループAでPSGが首位に浮上
グループステージもいよいよ佳境を迎えた男子のEHFチャンピオンズリーグでは、第13節が行われ決勝ラウンドに向けた戦いも大詰めを迎えている。特に強豪が集まるグループAとグループBでは、2位から6位までの10チームがそれぞれベスト12へ進み、グループステージを首位で終えた2チームはベスト12を飛び越し一気にベスト8まで駒を進めることができるとあり、最後まで首位の座をかけた熾烈な戦いが続いている。
グループAでは、第13節で首位のフレンスブルグ(ドイツ)と3位のヴェスプレム(ハンガリー)が対戦。ホームのフレンスブルグは2点のリードで前半を折り返すものの、後半ヴェスプレムに逆転を許し28-29の僅差で手痛い一敗を喫した。また前節まで2位につけていたPSG(フランス)が、ヴィスワ・プウォツク(ポーランド)にアウェーで27-22で勝利したことでグループ首位に浮上し、逆に前節まで首位に立っていたフレンスブルグは3位まで後退する結果となった。とは言え、PSGとフレンスブルグの勝ち点はわずか2しか開いておらず、PSG、ヴェスプレム、フレンスブルグの首位争いは最終節までもつれこむこととなった。
一方、昨シーズン優勝のバルセロナ(スペイン)と3位のケルチェ(ポーランド)が首位の座を争うグループBでは、第13節でそれぞれバルセロナがクリスティアンシュタッド(スウェーデン)に31-24、ケルチェがモンペリエ(フランス)に32-27で勝利している。バルセロナは勝ち点21で首位をキープしているものの、2位のケルチェも勝ち点19と迫っており、最終節の結果次第では順位が入れ替わる可能性も十分に考えられる。
●ハンドボール:女子 CL最終節 ロストフ・ドンが無敗で首位通過
女子のEHFチャンピオンズリーグは、グループステージを通過した12チームが2グループに分かれて戦うメインラウンドの最終節が行われた。グループ1では、最下位のチューリンゲン(ドイツ)を32-28で下し9勝1分の無敗を守ったロストフ・ドン(ロシア)が、勝ち点12で2位と3位につけるラルビク(ノルウェー)とレイルカーゴ・ウンガリア(ハンガリー)に6ポイントの大差をつけてグループ首位通過を決めた。一方グループ2では、前節に勝ち点が並んだブドゥチノスト(モンテネグロ)とジェール(ハンガリー)の両チームが最終節をそれぞれ白星で飾り、上位陣の順位に変動はなかった。
<各グループの上位4チームが対戦するベスト8のカードは以下の通り>
CSMブカレスティ(ルーマニア) vs ロストフ・ドン(ロシア)
バルダール(マケドニア) vs ラルビク(ノルウェー)
レイルカーゴ・ウンガリア(ハンガリー) vs ジェール(ハンガリー)
バイア・マーレ(ルーマニア) vs ブドゥチノスト(モンテネグロ)