「ラグビー」「バスケット」「サッカー」「ハンドボール」
●ラグビー:男子 シックスネイションズ イングランドが5年振りの優勝
欧州ラグビーのシックスネイションズは第4節が行われ、フランスがスコットランドに敗れたため最終節を前にイングランドの5年振りの優勝が決定した。イングランドはホスト国として史上初のグループステージ敗退を味わった昨年のワールドカップの悪夢を払拭すると共に、エディー・ジョーンズHCにとっても就任早々にタイトルを獲得する最高のスタートとなった。ここまで4戦全勝を続けるイングランドは、同国にとって2003年大会以来となるグランドスラム(5戦全勝)を目指し最終節のフランス戦にのぞむこととなる。
第4節、イングランドは地元トゥイッケナム・スタジアムでウェールズと対戦。昨年のワールドカップのグループリーグでもウェールズと同組となりトゥイッケナム・スタジアムで25-28で惜敗していたイングランドだが、この日は序盤から試合の主導権を握るとワトソンのトライ、そしてファレルのPGなどで16-0とリードして前半を終了する。後半に入るとウェールズもビガーのトライを皮切りに攻勢に出るものの守備のミスや主将ワーバートンの負傷などでリズムに乗り切ることができない。終盤にノースとファレトーの2トライを加え最後の意地を見せたウェールズだったが一歩及ばず、イングランドが25-21で逃げ切った。
一方、イングランドがウェールズに勝利したことで、絶対に負けられない状況に立たされたフランスはアウェーでスコットランドと対戦した。開始直後の4分にギラドがトライを決め幸先良く先制したフランスだが、スコットランドもホッグとテイラーの連続トライで18-5と前半のうちに逆転に成功する。フランスは前半終了間際のトライと後半序盤の2PGで21-18と一時は3点差まで詰め寄るものの力及ばず、29-18でスコットランドの前に力尽きた。
●ラグビー:女子 シックスネイションズ 優勝の行方は最終節のフランス対イングランドの直接対決へ
女子のシックスネイションズ第4節では、男子同様にイングランドがウェールズに20-13で勝利し連勝を4に伸ばし単独首位を守った。また2位につけるフランスもアウェーでスコットランドを0-24の大差で下し、戦績を3勝1敗としたことでまだ優勝の可能性を残している。タイトルの行方は、18日にヴァンヌで行われる最終節、フランス対イングランドの直接対決の結果で決まることとなる。
●ラグビー:男子 ワールドセブンズ ニュージーランドがバンクーバー大会初代王者に
男子ラグビーのワールドセブンズシリーズ第6戦は13日にバンクーバーで決勝が行われ、ニュージーランドが南アフリカを19-14で下した。ニュージーランドは、今シーズンから新たにワールドセブンズの開催地に加わったバンクーバー大会の初代王者に輝くと共に、第3戦の地元ウェリントン大会と第4戦のシドニー大会に続き3度目の優勝を飾った。
決勝では南アフリカに先制を許したニュージーランドだが、その後2トライで逆転すると後半にも1トライを加え着実にリードを広げる。終了間際に南アフリカに1トライを奪われはしたものの、19-14で勝利をおさめた。
総合ポイントを104まで伸ばした3位のニュージーランドに対し、現在総合首位のフィジーはバンクーバー大会ではオーストラリアに敗れ4位に終わったことで、両者の差はわずか2ポイントまで縮まった。残り4戦となり、1位のフィジー(106)、2位の南アフリカ(105)、そして3位のニュージーランド(104)が激しい首位争いを展開している。
●バスケット:女子 ユーロリーグ・ベスト8 エカテリンブルグ対ガラタサライは第3戦に突入
レギュラーシーズン終了から約1ヶ月間中断していた女子ユーロリーグが再開し、ベスト8の第1戦と第2戦がそれぞれ8日と11日に各地で行われた。
昨シーズン初優勝を飾ったUSKプラハ(チェコ)は、PFスキオ(イタリア)と対戦。アウェーでの第1戦では、レギュラーシーズンでトルコの強豪フェネルバフチェとガラタサライに競り勝つなど勝負強さを発揮してきたPFスキオに序盤苦しめられたUSKプラハだったが、23ポイントを記録したキア・バウンの攻守にわたる活躍などで56-68で先勝する。すると続くホームでの第2戦も86-53で連勝し、第3戦を待たずしてファイナル4に駒を進めた。
一方、ガラタサライと対戦した昨シーズン準優勝のUMMCエカテリンブルグ(ロシア)は、ホームでの第1戦こそ72-56で勝利するものの、アウェーでの第2戦では攻撃の冴え渡る相手に前半で奪われた11ポイントのリードが重くのしかかり66-57で落としてしまう。1勝1敗となった戦いの行方は、16日に行われる第3戦の結果にゆだねられることとなった。
また、ベスト8の残る2カードでは、フェネルバフチェ(トルコ)がクラクフ(ポーランド)に、そしてナデツダ・オレンブルグがディナモ・クルスクとのロシア対決にそれぞれ2連勝し、USKプラハと共にファイナル4進出を決めている。
●バスケット:男子 ユーロリーグTOP16 CSKAモスクワの黒星でグループFは混戦へ
男子ユーロリーグはTOP16ラウンドの第10節が行われ、グループFでは前節いずれも黒星を喫していたスペイン勢の検討が光り、レアル・マドリードはジャルギリス(リトアニア)、バルセロナはCSKAモスクワ(ロシア)、そしてラボラル・クチャもキムヒ(ロシア)に勝利をおさめた。特に、バルセロナのホームで行われた首位CSKAモスクワとの一戦は、序盤から両者一歩も譲らぬ一進一退の攻防を見せ、85-85でOTへ突入する。95-98とCSKAモスクワが3ポイントのリードで迎えた残り3秒、ドールマンが起死回生の5ポイントを叩き出し、バルセロナが100-98で劇的な勝利を収めた。またラボラル・クチャとキムヒの試合は、序盤の拮抗した展開から一転、後半はボウロシウスの活躍などでリードを広げたホームのラボラル・クチャが98-83で上位対決を制し、ベスト8進出に一歩近づいた。なお、スペイン勢では唯一アウェーでの戦いとなったレアル・マドリードはグループ最下位のジャルギリスに75-90で勝利している。この結果、グループFでは、CSKAモスクワとラボラル・クチャが7勝3敗で並び、それを6勝4敗のレアル・マドリード、5勝5敗のキムヒとバルセロナが追う展開となっている。現在6位と7位につけているブローゼ・バスケット(ドイツ)とオリンピアコス(ギリシャ)だが、戦績は4勝6敗で残り4節の結果次第ではまだベスト8進出の可能性を残している。
一方グループEでは、単独首位のフェネルバフチェ(トルコ)がアウェーで2位のロコモティブ・クバン(ロシア)を52-55で下し1敗を守った。ロコモティブ・クバンも敗れはしたものの7勝3敗と2位を維持しており、ツルヴェナ・ズヴェズダ(セルビア)とパナシナイコス(ギリシャ)が6勝4敗で続いている。
ユーロリーグを運営するジョルディ・バルトメウ会長は11日、ベオグラードで開かれた定期総会において来シーズンに向けた出場枠の配分について言及し、新たにACBリーグ(スペイン)の優勝チームにユーロリーグの出場権を与えることを発表した。現在スペインでは、レアル・マドリード、バルセロナ、ラボラル・クチャが自動的にユーロリーグ出場権が与えられるAライセンスを保持している。そのため、ACB優勝チームがこの3チームから出た場合は、それ以外でもっとも成績の良かったチームにユーロリーグの出場権が与えられることとなる。16チームから構成されるユーロリーグの中ですでに11チーム(アナドル・エフェス、フェネルバフチェ/トルコ、パナシナイコス、オリンピアコス/ギリシャ、CSKAモスクワ/ロシア、マッカビ・テルアビブ/イスラエル、ジャルギリス/リトアニア、アルマーニ・ミラン/イタリア、レアル・マドリード、バルセロナ、ラボラル・クチャ/スペイン)がAライセンスを保有しており、残りの5枠はACBリーグ、VTBリーグ(ロシア)、ブンデスリーガ(ドイツ)、ABAリーグ(バルカン諸国)の王者、そしてユーロカップの優勝チームに与えられることになる。
●サッカー:女子 リオ五輪 スウェーデンが欧州最後の枠を獲得
2016年のリオ五輪に向けた女子サッカーの欧州最終予選が3月2日から9日まで行われ、スウェーデンが欧州の最後の一枠を手に入れた。
昨年カナダで行われたワールドカップでベスト16で敗退したオランダ、ノルウェー、スウェーデン、スイスの4ヶ国が参加した最終予選では、ノルウェーとスイスをいずれも1-0で下し2連勝したスウェーデンが、最終節で唯一逆転の可能性を残していたオランダにも1-1で引き分け、2勝1分の成績で6度目のオリンピック出場を手に入れた。
なお、女子サッカーが夏季五輪で正式種目に採用された1996年のアトランタ五輪から2016年のリオ五輪までの6大会、そしてワールドカップでは第1回となった1991年の中国大会から昨年行われたカナダ大会までの7大会にすべて出場しているのは、米国とブラジル、そしてスウェーデンの3カ国だけである。
●ハンドボール:男子 元スウェーデン代表の2選手がカタール国籍を取得
スウェーデンの某ハンドボール専門サイトは10日、かつて同国代表としてプレーした経験を持つKim Ekdahl Du RietzとJohan Sjöstrandの2人がカタールの国籍を取得したことを報じた。これにより2人が、カタール代表に加わる可能性が指摘されている。
現在26歳のKim Ekdahl Du Rietzは2012年よりドイツの強豪ライン=ネッカー・レーヴェンでプレーし、一方29歳のJohan Sjöstrandは昨シーズンまでTHWキール(ドイツ)に所属し、今シーズンからは同じくドイツ・ブンデスリーガのMTメルズンゲンでプレーしている。Kim Ekdahl Du Rietzはレフトバック、Johan SjöstrandはGKとして2012年のロンドン五輪に出場しており、スウェーデン代表の銀メダル獲得に貢献しているものの、直近の国際大会である2015年の世界選手権カタール大会、および2016年の欧州選手権ポーランド大会には代表メンバー入りしていないため、IHF(国際ハンドボール協会)の規定により別の代表としてプレーすることが可能となる。
現在スペイン人のバレロ・リベラ監督に率いられるカタール代表は、モンテネグロ出身のザルコ・マルコビッチやボスニア・ヘルツェゴビナ出身のダニエル・サリッチ、キューバ出身のラファエル・カポーテ、フランス出身のベルトランド・ロネ、スペイン出身のボルハ・ビダルなど、すでに多くの帰化選手がプレーしており、2015年にホスト国として準優勝を遂げ、欧州に劣らぬ高いレベルを見せ付けた世界選手権では、代表メンバー17人のうち半数以上の10人が帰化選手で占められていた。
●ハンドボール:男子 バイエルン・ミュンヘンとドルトムンドがハンド界へ参入か
バイエルン・ミュンヘンとドルトムンドがハンドボール界に参入する可能性が指摘されている。ドイツが2度目の優勝を成し遂げた2016年の欧州選手権ポーランド大会では、ドイツ国内で約1300万人がスペインとの決勝戦をテレビ観戦したと言われており、欧州サッカーで屈指の強さを誇るドイツの強豪2クラブも国内で着実に高まるハンドボール人気に注目し始めたと見られている。事実、ハンドボール・ブンデスリーガのウエ・シュウェンカー会長は両クラブのマーケティング部門から接触があったことを認めている。とは言え、仮にバイエルン・ミュンヘンとドルトムンドがハンドボール・ブンデスリーガへの参戦を決めた場合、当然1部からではなく3部からのスタートとなる。
●ハンドボール:女子 欧州選手権予選 ロシアやフランスが全勝で一足先に本戦出場へ
今年の12月にスウェーデンで行われる女子ハンドボールの欧州選手権に向けた最終予選の第3節と第4節が行われた。グループ1では、前回の欧州選手権と昨年12月の世界選手権で2冠を達成しているノルウェーがルーマニアとの2連戦にのぞんだ。9日に行われた初戦は、ライトバックのネグが10点を決める活躍を見せたホームのルーマニアが会場を埋め尽くした7100人の観客の前で前半から19-9とリードすると、ノルウェーの7Mスローを4度防ぐなど守備でも踏ん張りを見せ25-20で競り勝った。続く第2戦では一転、ホームのノルウェーが攻守ともにルーマニアを上回り27-17の大差で勝利をおさめている。
またグループ3では、前回の欧州選手権準優勝のスペインと昨年12月の世界選手権で準優勝の躍進を見せたオランダが対戦した。近年の成長著しいオランダはホームでの第1戦で強豪スペインと互角以上の戦いを見せ31-21で勝利するものの、続く第2戦ではレギュラー陣をスタメンから外したことが裏目に出てスペインのバリエーション豊富な攻撃を食い止めることができず開始10分で9-4とリードを許してしまう。その後、何とか反撃に転じるものの第1戦のリベンジに燃えるスペインの勢いを止めることはできず32-29で競り負けた。
グループ1のノルウェーとルーマニア、グループ3のスペインとオランダ、グループ4のモンテネグロとクロアチア、そしてグループ5のハンガリーとポーランドはいずれも3勝1敗とし各グループで同率首位に立っており、残り2試合を残しているもののほぼ本戦への切符を手中に収めている。その一方、グループ6のロシアとグループ7のフランスは4戦全勝とし一足先に本戦出場を確定させている。